検査で異常が出ない胃の不快感「機能性ディスペプシア(FD)」にどう対処するか

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ぐに満腹感を覚えてごはんが食べられない、食後いつも胃もたれする、ひどいときにはみぞおちのあたりに燃えるような胸やけが生じ、ひどい痛みに繰り返し悩まされる…。そのような経験はありませんか?

ウォール・ストリート・ジャーナル日本版に、繰り返す胸やけが特徴の“機能性ディスペプシア(FD)”についての記事が掲載されました。メカニズムは線維筋痛症(FMS)と似ているそうです。このエントリでは機能性ディスペプシア(FD)や、胃食道逆流症(GERD)とは何か、どう対処できるかを取り上げます。

胸やけ、酸の逆流以外の原因も-胃腸専門医も困惑気味 - WSJ日本版 - jp.WSJ.com

 

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胸やけの痛みを引き起こす3つの疾患

記事によると、繰り返し胸やけを引き起こす疾患はいくつかあり、腫瘍などが原因でない場合は、以下のように分類されます。

1.胃食道逆流症(GERD)

胸やけが頻繁に起こる場合、“胃食道逆流症(GERD)”という病気が疑われます。この場合はプロトンポンプ阻止薬(PPI)という最も強い酸抑制薬が処方されます。

康生会クリニック 医仁会武田総合病院総合診療科松原英俊先生は、慢性疲労症候群の原因のひとつは胃食道逆流症ではないかと考えて治療を行っておられます。胃食道逆流症は大きく睡眠の質を悪化させ、疲労を悪化させている可能性があります。

先生は、消化管に負担がない食物をとり、消化管が動きやすくなるように歩行をすることが大切であり、より多くの食品やサプリメントを摂取するのは、体に負担をかけるため、まったくの逆効果であることを指摘しておられます。

松原英俊 医師,【慢性疲労症候群、胃食道逆流症(特に食道外症状)】,康生会クリニック(医仁会武田総合病院グループ)-総合診療科 | ドクターズガイド松原英俊 医師,【慢性疲労症候群、胃食道逆流症(特に食道外症状)】,康生会クリニック(医仁会武田総合病院グループ)-総合診療科 | ドクターズガイドはてなブックマーク - 松原英俊 医師,【慢性疲労症候群、胃食道逆流症(特に食道外症状)】,康生会クリニック(医仁会武田総合病院グループ)-総合診療科 | ドクターズガイド

2.非びらん性胃食道逆流症(NERD)

GERDのうち、50-70%の患者はPPIが十分に効きません。これは、酸の逆流以外の何か、たとえば胆汁などの逆流が胸やけを引き起こしていることを示唆しています。

そのような患者は、内視鏡で食道を検視しても、酸による侵蝕(びらん)が発見されないため“非びらん性胃食道逆流症(NERD)”と呼ばれています。

3.機能性ディスペプシア(FD)

NERDのうち50%は、逆流も正常なため、胸やけの原因が不明です。そのため“機能性ディスペプシア(FD)”または“機能性胸やけ”という「それ以外どう呼べば分からない」診断を下されることが多くなっています。

“機能的”とは“器質的”の反対で、現時点では原因の分からない症状のことを指します。しばしば心因性の症状を指しますが、現在の科学では明らかになっていない微細なメカニズムに基づくこともあり、必ずしも機能的=心因性とは言い切れません。

機能性ディスペプシアはRome Ⅲ分類で診断される機能性胃腸障害の一種です。胃の症状が強い場合は機能性ディスペプシア(FD)、大腸の症状が強い場合は広く知られている過敏性腸症候群(IBS)と診断されるそうです。

“NERD”や“機能性ディスペプシア”は若くて痩せている女性に多くみられます。なかには、みぞおちの当たりに激しい痛みがあり、生活に支障を来たしている場合もあるそうです。

慢性疲労症候群(CFS)の患者の場合も、喉の痛みや、腹部の膨満感、胃下垂など、機能性ディスペプシアが思い当たる方が少なくないのではないでしょうか。以下のサイトに詳しい診断基準や症状が載せられているのでチェックしてみてください。

機能性ディスペプシア | 消化器領域 | 臨床試験事業 | 総合医科学研究所

機能性ディスペプシア(FD)の原因と治療

“機能性ディスペプシア”の原因のひとつは消化管の運動異常だと考えられています。

それに加え、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事では、知覚過敏について指摘され、線維筋痛症と結びつけられています。

ある学説では、これらの患者は食道が知覚過敏になっていて、その中の末端神経が、通常の消化感覚でさえ、痛みとして解釈するのだという。線維筋痛症と同様だ。

酸抑止薬では効果がないが、一部の患者では低用量三環系抗うつ薬が痛みを緩和するようだという。

慢性疲労症候群(CFS)の睡眠障害や線維筋痛症の痛みには、少量の三環系抗うつ薬が処方されることがあります。線維筋痛症と機能性ディスペプシアのメカニズムが似ているということは十分有りそうです。実際、ヤーヌスらが提唱する中枢性過敏症候群(CSS)にはひれらの病気がどれも含まれていました。

この説が正しいとすると、末梢神経の痛みに効くとされる線維筋痛症の治療薬リリカが効果があるということになります。ネット上のブログでも、慢性疲労症候群の方が機能性胸やけについて、リリカで改善したと述べておられました。

記事の続く部分では、そうした知覚過敏を引き起こす具体的な原因として、極度のストレスや、チョコレート、ペパーミント、アルコール、カフェインといった共通のトリガー食品過剰体重などの可能性が示唆されています。

以下のNHK「きょうの健康」でも機能性ディスペプシアが取り上げられています。いわゆる“気のせい”は30%にすぎず、そのほかの場合は薬物療法として、胃酸の分泌を抑える薬、胃の動きを良くする薬、抗不安薬が用いられるとのことです。

きょうの健康|胃痛・胃もたれ 胸やけ対策「ストレスが原因?くり返す胃痛・胃もたれ」

このように、繰り返す胸やけの痛み“機能性ディスペプシア”は、生活の質を低下させる明確な疾患であり、専門家による治療が必要です。機能性ディスペプシアを診ている医療機関を受診することは助けになるでしょう。

決め手となる治療法はありませんが、服用する薬を相談したり、特別なリラックス法を学んだり、特定の食品を避けたりすることで症状改善につながるかもしれません。

最後に私見になりますが、わたしは、慢性疲労症候群(CFS)と診断されたとき、同時に機能性ディスペプシアとも診断されました。どの薬やリラックス法も効果がありませんでしたが、唯一、甲田療法の食事療法のみが効果があったことをしたためておきたいと思います。胃食道逆流症(GERD)の場合でもやはり、栄養に注意した少食が効果的ではないかと思います。

▼新薬の登場に伴い続きを書きました。
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