子どもの脳脊髄液減少症とは―起立性調節障害や似た病気と区別する

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脊髄液減少症の専門医、山王病院脳神経外科の高橋浩一先生が、子どもの脳脊髄液減少症についてブログに書いておられました。子どもの脳脊髄液減少症と似てはいるものの、区別すべき3つのものとして、起立性調節障害(OD)、過剰な運動の影響、セカンド・インパクト症候群について書かれています。

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子どもの脳脊髄液減少症を区別する

高橋先生は、子どもの脳脊髄液減少症と区別すべき、似ているものとして、以下のような例を挙げておられます。

起立性調節障害(OD)

起立性調節障害(OD)と診断されて治療を施してもよくならない場合、子どもの脳脊髄液減少症の可能性があるとされています。

▼起立性調節障害(OD)とは

自律神経の異常により、朝極端に体調が悪くなったり、起き上がったときにめまいやだるさ、思考力の低下が生じたりする病気で、おもに思春期の子どもに発症します。詳しくは以下のエントリをご覧ください。

朝起きられないもう一つの病気「起立性調節障害(OD)」にどう対処するか(上)

過剰な運動の影響

運動後にひどい頭痛があるという場合、脳脊髄液減少症の起立性頭痛は毎日続くはずなので、むしろ運動量が過剰なのだろう、と回答しておられます。

セカンド・インパクト症候群

武道必修化にあたって、子どもの脳脊髄液減少症が増えることが予想されるものの、セカンド・インパクト症候群にも気をつけてほしいとコメントで述べておられます。過去の記事によると、セカンド・インパクト症候群とは、一度頭部に外傷を負うと、二度目以降、軽い衝撃でも重症化する病態を言うそうです。

セカンド・インパクト症候群 - Dr.高橋浩一のブログ

加えて、わたしとしては、このブログは慢性疲労症候群(CFS)の患者の観点から書いているので、少数の意見であるのは承知の上で、小児慢性疲労症候群(CCFS)を似ている病気として挙げておきたいと思います。

大人の慢性疲労症候群(CFS)にまして、理解も認知もいっこうに浸透しない病気ですが、国際的に研究されていますし、特徴的な症状や、検査異常があります。

小児慢性疲労症候群(CCFS)は睡眠の異常をきっかけに発症する現代病です。原因が異なる以上、子どもの脳脊髄液減少症や起立性調節障害(OD)とは別個の病気として、区別しておくべきだと思います。

▼小児慢性疲労症候群(CCFS)とは

子どもに発症する特徴的な慢性疲労症候群(CFS)のことです。大人の慢性疲労症候群(CFS)とは、異なった経過や検査の異常が報告されています。詳しくは以下のエントリをご覧ください。

 その不登校ーもしかして小児慢性疲労症候群?はてなブックマーク - その不登校ーもしかして小児慢性疲労症候群?

子どもの脳脊髄液減少症の特徴

今回、高橋浩一先生が行われたという、「小児期に発症した脳脊髄液減少症」という講演の内容について詳しいことは分かりませんが、おそらく「脳脊髄液減少症の子どもの親と、賛同者からなるボランティア団体」である脳脊髄液減少症・子ども支援チームさんのサイトの「小児期の脳脊髄液減少症」の項に寄せられているものとほぼ同じかと思います。

その中では、子どもの脳脊髄液減少症について、以下のような特徴が書かれています。

発症:おもに6-19歳に発症する。8割が交通事故・スポーツ・その他の外傷をきっかけに発症している。外傷後、一ヶ月以内の発症が多い。どちらかというと男の子のほうが多い

検査:代表的な検査である、頭部MRI、RI脳槽シンチグラフィーでの異常所見が少ない。RIの膀胱内早期集積やRI残存率低下が重要とされている

症状:さまざまな検査で異常が出ないため、起立性調節障害(OD)や精神障害と誤診されやすい。朝が極端に弱くなり、起きられなくなる。起立時や天候の変化で悪化しやすい。肩こり、睡眠障害、記憶障害があり、不登校になることもある

治療:安静・水分補給で改善しないなら、ブラッドパッチを考える。しかしメンタルの影響も大きく、家族が知識をもって対応することが不可欠

個人的に気になったのは、検査で異常が出ないため、起立性調節障害(OD)と診断されるというくだりです。新起立試験やフィナプレスでの検査なしに、症状から起立性調節障害と診断される場合があるのかもしれません。以前に取り上げたマンガでは、確かにそのような描かれ方がされていて、気になりました。

もちろん、新起立試験で起立性調節障害(OD)と診断されても、脳脊髄液減少症や慢性疲労症候群の影響でそうなっている場合もあると思うので、鑑別は難しいところだと思います。

検査で区別するのは難しそうですが、それぞれ治療法が異なるので、最初に高橋先生がおっしゃっていたように、ある方法でよくならない場合は、別の病気を疑ってみるのが一番よいのかもしれません。

そのためには、今回のエントリで取り上げたように、類似している病気についてよく知っておくことが役立ちます。このブログでも、慢性疲労症候群(CFS)を中心に、似ている病気を今後も取り上げ、広い見方を促したいと思います。

▼子どもの脳脊髄液減少症についてさらに知りたいなら

以前のエントリで、子どもの脳脊髄液減少症を紹介したマンガについて取り上げました。

マンガで学ぶ子どもの脳脊髄液減少症ーフォアミセス2012年8月号

 

 

 

 


「NPO法人脳脊髄液減少症患者・家族支援協会」さんのサイトに詳しい情報がまとめられています。

はてなブックマーク - 小児及び10代(6~19歳)の脳脊髄液減少症患者についての情報

 

 


from_anne_shirleyさんが関連記事を知恵ノートにまとめておられます。本文中で取り上げた、脳脊髄液減少症・子ども支援チームによる『子どもの脳脊髄液減少症』という本も紹介されています。

頭痛など体調不良に苦しむ 『脳脊髄液減少症』 小児のための参考HP・ブログ等 - Yahoo!知恵袋頭痛など体調不良に苦しむ 『脳脊髄液減少症』 小児のための参考HP・ブログ等 - Yahoo!知恵袋はてなブックマーク - 頭痛など体調不良に苦しむ 『脳脊髄液減少症』 小児のための参考HP・ブログ等 - Yahoo!知恵袋

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