【12/26】シックハウス症候群ー規制強化の3つの課題

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日新聞朝刊にシックハウス症候群に対する行政の取り組みの課題点を指摘する記事が掲載されました。

80583455_150x130根絶できぬシックハウス 厚労省が規制強化検討 (愛知県、岐阜県、三重県)|不動産最新ニュース|中日住宅ナビ

 

 

シックハウス症候群が話題になった10年前、厚生労働省はホルムアルデヒドなど化学物質13種類について室内濃度の指針値を決めました。しかしそれ以降、この指針の不備が次々と明らかになっています。

厚労省は今年9月、有識者による「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」を開きました。来年から2年ぐらいかけて、現在の数値を見直すか、新物質の指針を定めるかを決めるつもりのようです。

しかしそれでも問題の根本的な解決になるとはいえません。なぜでしょうか。

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問題1 増えすぎる化学物質

 「メーカー側は無臭に近いものなど、いろいろと新しい化学物質を使っている。健康に害のないように、良かれと思ってのことだろうが、中には有害なものもあり、敏感な人は胸がむかむかするなどシックハウス症候群を誘発することもある」

2008年、化学物質の種類は1億種類を突破したそうです。ほんのわずかな種類の化学物質を規制したところで、イタチごっこになってしまうのは目に見えています。規制が増えたところで、別の化学物質が大量に使用され、新たな過敏症を生み出すだけでしょう。

「新物質の指針値ができると、メーカー側は規制に引っ掛からない新たな化学物質を考案し、大量に使用する可能性がある。新物質が次々と生み出されていくと、保健所などの検査機関の測定技術が、追い付かなくなる」と書かれています。

問題2 指針値以下でも発症する

10年には衆参両院の新議員会館で、体調不良を訴える人が続出。建物は、はめ込み式のガラス窓が使われるなど、気密性が高いことが影響したようだが、政府は「厚労省の指針値以下だった」と説明した。

指針値以下でも症状が現れる理由はいくつかあります。

個人差がある

シックハウス症候群を発症するかどうかの閾値、つまりどのぐらいの量まで発症しないかは人によって違うので、指針値が役に立つとは限りません。中には非常に敏感な人もいます。

“指針値”という言葉の意味については、シックハウス症候群診療マニュアル「ここまでは良いという意味ではなく、この値以下がより望ましいということである」と説明されています。

微量でも反応するようになる

シックハウス症候群と関連のある化学物質過敏症(CS)は一度発症してしまうと、微量でも反応するようになってしまうことが知られています。CSを発症してしまった人にとって指針値は意味がありません。

総負荷量が影響する

個々の化学物質ではなく、さまざまな化学物質の総負荷量が問題だとする見方もあります。ひとつひとつの毒性は低くても、体内で化合物となって発症に結びつくかもしれません。これをサブトキシックドーシスというそうです。

この点についてニュース内では、「全体の濃度で規制するには科学的な根拠が必要だが、示せないだろう。技術が進歩していくのに、シックハウスはいまだに分からないことが多いことこそ問題だ」と書かれています。

CFSなど他の病気からでも発症する

わたしたち慢性疲労症候群(CFS)患者にとって問題となるのは、必ずしも化学物質から化学物質過敏症(CS)が生じるとは限らない点です。慢性疲労症候群(CFS)になって、化学物質過敏症(CS)を合併する人は少なからずいるからです。

わたしの場合も、もともとCSではなかったはずなのですが、今ではタバコや排気ガスや香料に敏感なセンサーのようになっています。とりわけ電車や車では“におい”に苦しめられるので、ちょっとした外出も大変です。 以下のエントリに書いたいわゆる“三次喫煙”の問題です。

【10/6 10/11毎日】 受動喫煙に注意! 化学物質過敏症 | 疲労とたたかう ライフハック!!【10/6 10/11毎日】 受動喫煙に注意! 

問題3 当てはまらない人は仮病扱いさる

規制が一定の効果を上げ、シックハウスが減っていることが悪く作用している面もある。職場や学校などで「化学物質が原因で気分が悪い」という訴えに以前は賛同者が少なくなかったが、最近は「あいつはおかしい」と仮病を疑われることもあるという。

指針値を定めることは、統計的に見れば、大多数の人には役立つのかもしれません。しかし本当に援助が必要な重症の人や、ひと一倍過敏な人に対する偏見をあおる場合があるようです。

東京顕微鏡院の瀬戸博氏によると、「[化学物質に対する]感受性が強い人は全体の約3割で、化学物質に何らかの反応が出る。本来、危険なものに対処する、動物が持つ生存に必要な能力。七割の人は退化したとも、現代の環境に適応したとも言える」そうです。

大多数の人に合わせてしまうと、“炭鉱のカナリア”のように感覚が鋭敏な人の訴えは無視されてしまいます。目の前の人が訴える辛さより、一般論でしかない指針値のほうが信頼に値する、と判断されてしまうのです。

個人での対処が必要

以上のように問題点は、いまだ多くあります。

シックハウス症候群をはじめ、化学物質過敏症(CS)や、その発展系である他種類化学物質過敏症(MCS)は、まだまだこれから社会に認知されていく病気ですから、今の時点では、付け焼刃に思える指針もしかたないのかもしれません。

記事の中で「死者が出ないと行政は動かないんですかね」という患者の言葉が紹介されています。それは慢性疲労症候群(CFS)や脳脊髄液減少症の分野でも同じです。今のところは議題に上っているだけでも前進と言わざるをえないでしょう。

ニュース記事では、ひとつの解決策として、このブログで取り上げたこともある「無添加住宅」が紹介されています。

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住宅を建て替えた程度で解決しない本格的な化学物質過敏症(CS)の場合は、先日取り上げた「あらかい健康キャンプ村」のような転地療養施設が役立つかもしれません。

「あらかい健康キャンプ村」に見る慢性疲労症候群(CFS)治療のヒント

今のところ、患者個人個人が知識を得て、自己防衛に務めるしかないようです。わたし自身、化学物質過敏症(CS)について調べるようになったのは、慢性疲労症候群(CFS)を経て症状が現れ始めてからにすぎず、まだ詳しい知識がありません。

自分自身の体調を改善するためにも、化学物質過敏症(CS)とその対策について、長年闘病してこられた方たちから学んでいこうと思っています。

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