マンガで伝える脳脊髄液減少症 第二弾「おかあさん、生きて!」

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はてなブックマーク - 今回の脳脊髄液減少症マンガを読んで感じたこと。 - 脳脊髄液減少症患者のつぶやき、  「とりあえず、生きてみよか・・・。」脊髄液減少症のマンガ第二弾、三谷美佐子さんの「おかあさん、生きて!」を読みました。for Mrs. SPECIAL (フォアミセス スペシャル) 2013年 03月号の巻頭カラーを飾る60ページの作品です。

前回の作品「怠け病と言われて」と似た内容かと思いきや、差別化を図るためか、かなり趣旨の異なる内容になっています。このマンガにはどんな特徴があるのでしょうか。患者にとってどのように役立つのでしょうか。

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あらすじ

巻頭ページにはこう書かれています

交通事故に遭い、人生が一変! 事故直後から激しい頭痛に襲われ、体も痛く動けない…。いったい、私の体はどうなってしまったの? 妻として、母としての苦悩の日々が始まった!!

主人公は北野京子さん。35歳の主婦です。37歳の夫 信也さん、小学校4年生の息子 圭くん、 小学校1年生の娘 美雪ちゃん、そして同居する夫の両親を合わせた6人家族の中で、ごく普通の幸せな日常を送っていました。

ところが、ある日、京子さんが乗っている車が居眠り運転の車に追突され、人生が一変します。事故の翌朝、京子さんを襲ったのは異常な症状の数々でした。

ハンマーで殴られるような頭痛、何百本もの針で刺されているような体中の痛み、めまい、吐き気、左半身のしびれ、食事も取れず、寝たきりになり、トイレにもいけない…。追い打ちをかけるかのように医者からは懐疑的な扱いを受け、心身ともに傷つけられます。

絶望のどん底に落とされ、寝たきりになった京子さん。そんなとき、テレビから、脳脊髄液減少症という聞きなれない病気の話が聞こえてきます。自分の病気はこれだ、と直感し、予約待ちの末、県外の専門病院を受診。ブラッドパッチ療法で回復したかに見えたのですが…。

このマンガの特徴

このマンガの特徴は、診断され、ブラッドパッチ療法を受けてからが本番、という点です。前作の「怠け病と言われて」では、診断されるまでの苦悩が色濃く描かれ、ブラッドパッチ療法が一種のゴールとして扱われていました。

しかしこの作品では、診断とブラッドパッチ療法は始まりに過ぎません。ブラッドパッチ療法の金銭的な負担、回復したと思ったら再発する苦悩、近所の人たちの冷たい視線。さまざまな問題が降りかかります。

その中で精神的に立ち直り、妻として家事を果たそう、母として子どもを支えようと、工夫して闘病する姿を描いているのが、このマンガのポイントです。

短い内容に圧縮されているものの、その期間は5年。作中でも触れられているように、この類の病気としては決して長くありませんが、一般の人から見れば気の遠くなるような闘病でしょう。

描写不足?

さすがに5年間を60ページに圧縮しているからか、闘病している人から見れば、物足りなさを感じる内容であるようです。いつも脳脊髄液減少症について詳しく書いてくださっているゆめさんが、その点を指摘しておられました。確かにそのとおりだと思います。

今回の脳脊髄液減少症マンガを読んで感じたこと。 - 脳脊髄液減少症患者のつぶやき、  「とりあえず、生きてみよか・・・。」

脳脊髄液減少症や慢性疲労症候群(CFS)といった病気において特に辛いのは、病名もなく、医者から退けられ、人格を否定されたり、社会的にのけ者にされたりする毎日です。

また家族や親族から傷をえぐるようなののしりの言葉をかけられたり、存在さえも否定されたり、金銭的援助もないままほうり出されたりするのは、病気の最も悲劇的な一面です。

そのような場面は、このマンガにはほとんど登場しません。診断は早い段階で下り、基本的に家族は(夫の両親も含めて)味方です。ひどい言葉をかけられる場面はかなり抑え気味に書かれています。

家族に読んでもらうためのマンガ

わたしとしては、このあたりの描写不足に思える点は意図的に工夫されたものだと思います。このマンガはおそらく、患者自身が読むためではなく、患者の家族に読んでもらうために書かれたのではないでしょうか。

はじめのページには「この作品は、お子様にも読んでもらいたいため、総ルビで掲載しております」と書かれています。作中には、家族や親族が患者を支えるためにできる模範例ともいえる描写がいろいろ出てきます。

このマンガは、患者の実情を描いたというより、患者とその家族の理想的なモデルを描いているように思えます。(ストーリーのモデルとなった方はいらっしゃるようです)。患者本人が読むには物足りないと思いますが、配偶者や親族や子どもに読んでもらうなら、どう支え、どう見守ってほしいかが、よく伝わるでしょう。

家族に病気を少しでも理解してほしいと思うとき、こうした簡潔なマンガがあるのはとてもありがたいことです。先日、慢性疲労症候群(CFS)の友人たちと会ったとき、家族に病気のことを知ってもらいたいのに、本や雑誌を渡してもまず読んでもらえない、という話が上りました。

患者自身は病気について知りたいので、少し詳しい活字でも進んで読もうとするのですが、あくまで他人ごとである家族にとっては、活字はハードルが高いのです。そのような折に、読みやすいマンガで病気のあらましを伝えるのはとてもよい方法だと感じました。

家族や親族、友人に脳脊髄液減少症について知ってもらいたい、という方にとってfor Mrs. SPECIAL (フォアミセス スペシャル) 2013年 03月号はとても良い資料だと思います。作中のイケメン専門医のモデルとなった方も勧めておられるこのマンガをぜひ読んでみてください。

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