目標を定めるーCFSのもとでも生き生きと過ごすために(下)

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130104目標2半のエントリでは、2013年の始めということで、目標の大切さについて書きました。

たとえ慢性疲労症候群(CFS)のような重い病気があるとしても、目標を立てることには大きな意義があります。その理由としてたとえば、目標を制限するなら否定的な自己成就予言となってしまうこと、目標を定めるなら脳は無意識のうちにも働き、可塑性が引き出されることを挙げました。

では、具体的にどのような目標を定めれば良いのでしょうか。目標を定める具体的な方法については、年末から年始にかけて、さまざまなブロガーの方たちが書いておられるので、いくつか紹介したいと思います。

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どのように目標を定めるか

紹介するポイントは、以下の4つです。

1.他者に依存しない目標を持つ
2.目標を小さく細分化する
3.目標を徐々に調整するのを恐れない
4.他人ではなく自分の目標を持つ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.他者に依存しない目標を持つ

頑張ったのに評価されない…そんな人のための目標設定方法 « 純コミックス

jun(@jun0424)が書いておられのは、「他者に依存しない目標を持つ」ことの大切さです。たとえば、上司の評価を得たい、顧客の満足を得たいというような目標ではなく、自分が頑張りさえすれば達成できる目標を持つとよいということです。

具体的には、病気を治す、正規の仕事に復帰する、といった目標は他者に依存する目標といえるでしょう。しかし、病気についてよく知るために何冊か本を読む、学んだ治療法のひとつを実践する、といった目標なら、達成しやすくなります。

2.目標を小さく細分化する

目標を立てたところで、達成の見込みがないなら、それは夢でしかありません。たとえば、高い丘に登るという大きな目標を立てた場合、それを実現させるのは、丘へ通じる階段の一段一段という小さなステップの積み重ねです。

目標を達成しやすい現実的なレベルに落としこむためには、Jmatsuzakiさん(@jmatsuzaki)が書いておられた細分化のためのポイントが参考になると思いました。

現実的で夢もある「今年の目標」をたてるときに私が気をつけている3つのこと | jMatsuzaki

たとえば、大きな目標を細分化するとき、「~月までに」と期限を切ったり、「~冊読む」というように具体的な数値を示したりするなら、達成しやすくなるということが分かります。また毎日できる一日一日の習慣という形に落としこむこともできます。

重い病気の人の場合、たとえば毎日外の空気を吸うとか、手のかからない観葉植物を育てるとか、一日に3回、意識して笑う時間をもつといった小さなことでも、回復への一段一段に相当する立派なステップだと思います。

3.目標を徐々に調整するのを恐れない

目標についての最近のいろいろなエントリのうち、最も考えさせられたのはライフハック心理学の佐々木正悟さん(@nokiba)の記事です。

ライフハック心理学 » 「14時37分の佐々木正悟」はそんなに偉いのか?

この記事では、『「貯金を宣告した私」が14時37分にそうしたなら、以後残る全ての私達は14時37分の私の決定に従わなければならない』のだろうかということに疑問が差し挟まれています。そして『「私達の言い分」を全部記録に残していって(Evernote)、その言い分の「合議」に達するところを探して回るというやり方』と比較されています。

言い換えると、過去に定めた目標を絶対視して融通をきかせないなら、いわば過去の自分に縛られる独裁主義に陥ってしまうということです。そうするより、今日の自分、明日の自分の意見も取り入れて目標を調整していったほうが受け入れやすいでしょう。

佐々木さんは、人体は民主的ではないと書いておられますが、最近読んだ本によると、脳にはリーダーシップをとる部分はなく、自律分散的に制御されているそうです。ですから、人体の場合もやはりトップにあたる独裁者はいないのではないかと思います。

そうであればなおさら、過去の目標に縛られるというのは、人間の生理に反していることになります。目標を定めることは方向づけとしては大切ですが、調整が必要だと分かったなら、2013年1月1日の目標に縛られる必要はないのです。

4.他人ではなく自分の目標を持つ

最後に、個人的な経験からなのですが、慢性疲労症候群(CFS)の人にとって特に大切なのは、他人ではなく自分の目標を持つことだと思います。

慢性疲労症候群(CFS)という病気になると、弥が上にも、さまざまな人から良かれと思ってアドバイスされたり、だれかと比べられたりすることが多くなります。

しかし、だれかに強制されて決めた目標や、だれかの期待に応えようと思って定めた目標はあまり長続きしないのではないかと思います。自分が本当になやりたいことでなければ、徐々に苦しくなり、重荷になってしまうでしょう。

自分が本当に望んでいることを探す方法について、ひとつ上のGTD ストレスフリーの整理術 実践編 の著者デビッド・アレンはこう述べています。

左のページにあるのは、私が1990年の11月に数日間かけて描いてみた絵である。

…20年経った今、そこに描かれていることの大半は実現している。細かいところで違っているものもあるが、少なくとも本質的な部分は達成されている。

描いた当時は、これらのほとんどが単なる想像で、どのように実現していけばいいかはまったく見えていなかった。

だが絵を描くことで自分の心の奥にあったものが明確に認識され、目の前に現れたチャンスに気づいて行動していけるようになったのだと思う。(p274-275)

自分に正直になり、本当にやりたいことを見極めるために、マインドマップや絵をかいてみるのはよいかもしれません。わたしは年末年始はいつも一年の総括や目標のためのマインドマップをかいています。

ストレスフリーのノート術「マインドマップ」(上)―その5つのメリット

一年の終わりにマインドマップを見返してみると、特に意識していたつもりではないのに、ほとんどの目標を達成できたことに気づいていつも驚きます。確かに、目標を立てるなら、脳は無意識のうちに実現へと向けて働き続けるのです。

わたしの大きな目標は、このブログに書ける範囲では、自己紹介マインドマップにあるように、体調を現実的なレベルまで改善することや、仲間の患者の励みになる点で成長すること、手話の分野や海外で活動すること、そしてできれば闘病記を書くことなどです。

これらを、今回紹介したようなアドバイスにのっとって、自分で達成できるような内容に変換したり、細分化したりしています。まだ具体性には欠けますが、デビッド・アレンでさえ「20年間」だったわけですから、あきらめず追い続けたいと思います。

、CFSのもとでも生き生きと過ごすために

前半のエントリの冒頭に引用したセネカの言葉は、目標を立てる意義について、示唆に富むヒントを与えています。目標は、将来目的地に到達するために必要なのではなく、、順風なる航海を楽しむために必要だ、ということです。

目標を立てるのは、必ずしも未来を豊かにするためではありません。未来は、あくまでもどうなるかわからない、不確実なものでしかありません。目標を立てたからといって、確実に未来が変わるわけではありません。

しかし目標を立てるなら、確実に変わるものがあります。それは、今の自分の生き方です。目標を立てるのは、今を充実させ、慢性疲労症候群(CFS)のもとでも生き生きと人生を楽しむためなのです。

結びに書籍増補 コドモであり続けるためのスキル (よりみちパン! セ)から、すてきな言葉を引用して締めくくりたいと思います。

「今」は未来のためにあるんじゃない。
「今」のために未来の夢があるんだ。

どうぞ今年一年もよろしくお願いいたします。

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