【1/18】ランス・アームストロングの物語はまだ終わっていない

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ンス・アームストロングがドーピングを認めるという悲しいニュースがありました。ランス・アームストロングは精巣がんを克服して、ツール・ド・フランス7連覇を達成したアスリートです。わたしも彼の勇姿に励まされてきた者の一人として、思いを書いておきたいと思います。

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難病患者を励ました神話

ランス・アームストロングのストーリーは、これまで多くの難病患者に希望を与えてきました。彼は、偏見や誤解にさらされやすい精巣がんという病気をカミングアウトし、見事に病気を克服してアスリートとして活躍し、がん患者のためのランス・アームストロング財団を設けました。

彼は、パーキンソン病のマイケル・J・フォックスや、四肢麻痺のクリストファー・リーヴと並び、難病患者、とりわけがん患者にとってヒーローともいえる存在になりました。彼の著書ただマイヨ・ジョーヌのためでなく には、決してあきらめない彼の強さがこう綴られています。

もう時間稼ぎはやめるべきだと思った。動くんだ。僕は自分に言った。もし動けるなら、もう病気じゃない。…僕の人生は長くつらい上り坂を上るためにある

マイケル・J・フォックスもいつも上を向いて 超楽観主義者の冒険の中で彼についてこう述べています。

ガンであるという自分の弱みを、スポーツ選手である自分の強さと同じくらい自己のアイデンティティとしているところが、いっそう魅力的だった

人間の物語を紡いでほしい

今回のニュースによると、彼は、「(告白は)遅すぎた。全ての責任は私にある」「がんを克服し、7連覇を達成し、幸せな結婚生活を送って子供も持った。神話のような完璧なストーリーだったが、真実ではなかった」と話したそうです。

しかし「遅すぎた」というのは、彼が書いた ただマイヨ・ジョーヌのためでなく に込められた精神とは相反するものだと感じます。ランス・アームストロングは、精巣がんになっても「運命は私の手中に握られた」と述べたのではなかったでしょうか。

ランス・アームストロングはまだ41歳。「遅すぎた」というには若すぎます。ドーピングゆえの不名誉が振りかかることは仕方ありませんが、彼がガンを克服して走り続けた事実は変わりません。

彼の物語は、確かに「神話」でしたが、難病患者が求めているのは、本当に「神話」でしょうか。自分には達しがたい奇跡のような「神話」ではなく、むしろ自分たちと同じ弱さを持つ人間が紡いだストーリーこそ、本当に求められているものではないでしょうか。

ランス・アームストロングが病の床から這い上がるスタートラインについたのは、精巣がんをカミングアウトしたときでした。このたび、彼はドーピングをカミングアウトしましたが、ぜひとも不名誉という坂を越えていってほしいと思います。

「神話」は失敗や汚点を許さないかもしれませんが、人間の物語は数多くの失敗を越えて進んでいきます。

ランス・アームストロングにとってはまた「長くつらい坂」が始まるでしょう。しかし彼の物語に励まされた一人の患者として、ランス・アームストロングにはもう一度、坂を越えていく勇姿を― 今度は若き日の失敗と不名誉から這い上がる勇姿を見せてほしいと思います。

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