CFS患者の会話の助け ~こう言われたら~

LINEで送る
Pocket

分の体調を分かりやすく説明する。

こう言われたら慢性疲労症候群を抱える人にとって、これは特に大変なことです。ほんのわずかの間、話したり、聞いたり、あるいは目を合わせたりすることだけでも、疲れ果ててしまう人は少なくありません。

会話が困難なわたしたちにとって、家族や友人、職場の同僚の理解を得るために、何が助けになるでしょうか。大切なのは、普段から準備しておくことです。つまり、自分の病気について知識を取り入れ、自分の体調にあわせて説明できるよう、考えをまとめておくのです。

症状はひとりひとり異なりますし、説明のしかたも相手によって異なります。万人に当てはまる普遍的な方法はありませんが、この記事では、わたしが用いている会話の具体例「こう言われたら」を紹介したいと思います。親が子どもの体調を代わりに説明するときにも使えます。

▼シリーズ記事「CFS患者の会話の助け」

長引く病気と闘うには、身近な人たちに自分の症状をわかりやすく説明することが欠かせません。シリーズ記事CFS患者の会話の助けでは、CFS患者のコミュニケーションに役立つ知識やテクニックを紹介しています。

スポンサーリンク

「意外と元気そうじゃない」「顔色がいいね」

こう言えるかもしれません:

ありがとうございます。よくそう言われます。じつはこれでも、ほんの1時間前まで横になっていたんですよ。

電池ちょうどわたしたちCFS患者は使い古しの乾電池みたいなものなんです。新しそうな乾電池を見つけて、使おうと思ったら、もうエネルギーが残ってなくてがっかりしたことがありませんか?

わたしたちの場合もそれに似ていて、見た目は元気そうなんですが、実際には体力がほんのわずかしかなくて、自分でもがっかりするんです。1日に自由に動ける時間は2-3時間ほどなので、今日は○○さんとお会いすることだけを考えて体力を温存していたんです 。

  トップに戻る

「いつも疲れてるってこと?」

こう言えるかもしれません:

慢性疲労症候群という名前だとそう思いますよね。でも実際にはもっといろいろな症状が現れるんです。

発電所この病気は細胞の中にある、エネルギーの工場に異常が起こると言われています。寝るにしても、食べるにしても、考えるにしても、話すにしても、エネルギーを使わない活動はありませんよね。

慢性疲労症候群はエネルギーの障害なので、生活のあらゆることが難しくなるんです。

エネルギーが足りないので、疲れがぜんぜん修復されなかったり、免疫力が低下して簡単に調子を悪くしたり、食べることも、寝ることも、考えることも、すべてが重労働になってしまったりするんです。

あるいは、こう言うこともできます:

よく病名で誤解されるんですが、慢性疲労症候群というのは、免疫の病気なんです。ちょうど内戦で大変なことになっている国に似ているかもしれません。国の内部で争いが起こって何年も続いたら、国は大混乱になって疲弊していまいますよね。

脳慢性疲労症候群のわたしたちの体もそれと同じように、体内でずっと抑えこまれていたウイルスが活発になって、それをなんとかしようと、免疫物質が大騒ぎしていることが分かっています。ウイルスと終わりのない闘いをしているようなものかもしれません。

何ヶ月も、何年もインフルエンザが治らないような状態なので、当然、熱や頭痛や痛みがひっきりなしに生じます。体も脳も疲れきってしまうんです。

トップに戻る

「慢性疲労とどこが違うの?」

こう言えるかもしれません:

言葉だけ見ると似ていますが、実際にはずいぶん違うものなんですよ。

ブレーカー停電に例えると、慢性疲労はブレーカーが落ちて停電するようなもので、慢性疲労症候群はおおもとの発電所に事故が起こって停電するようなものです。

家のブレーカーが落ちただけなら配線を見なおせば復旧できますが、発電所に事故が起こったらどうにもできませんよね。

同じように、ただの慢性疲労なら、生活を見なおせば回復するんですが、慢性疲労症候群はミトコンドリアというエネルギーの発電所そのものに異常があるので、自分ではどうすることもできません。ずっと停電して電気がこないときのように、何ヶ月も何年も、生活が不自由になるんです。

トップに戻る

「頑張りすぎたから病気になったんじゃない?」

こう言えるかもしれません:

疲労というと、そう言われることも多いんですが、じつは慢性疲労症候群になる原因はいろいろあるんです。

パソコンたとえば、パソコンが壊れる原因はひとつではありませんよね? 使いすぎて寿命がきたり、落とした衝撃で壊れたり、ウイルスに感染したり、もともと欠陥のある部品があったり、暑すぎる環境で壊れてしまったり…。いろいろな原因があります。

慢性疲労症候群も、体のシステムが壊れるのは同じなのですが、体を酷使して発症する人もいれば、事故の衝撃や、ウイルス感染や、もともとあった遺伝的な欠陥、さらには環境で発症する人もいます。人によって原因はさまざまなんです。

わたしの場合は…(自分に当てはまるものを説明する)

トップに戻る

「この前はできていたのにできないなんておかしい」

こう言えるかもしれません: (非難がましく言われても)

そうなんです。わたしもこの前できていたことができなくて、とてももどかしいんです。でも、じつはそれがこの病気の特徴のひとつなんです。慢性疲労症候群のわたしたちの脳をMRIで調べると、広い範囲の血流が低下して、異常がひどくなったり和らいだりしているそうです。

渋滞いつも渋滞する道路でも、ときどきスムーズに流れて嬉しいことがありますよね。わたしもときどき、脳の血流が良いからか、いつも以上のことができる日があって、ついつい嬉しくてやりすぎるんですが、普段はそうはいきません。

調子が良いときはほんのわずかしかないんです。はたから見ていると症状がコロコロ変わっているように見えてイライラすることも多いと思うのですが、理解していただけたらと思います。

トップに戻る

「遊んでるときは楽しそうだったじゃない」

こう言えるかもしれません:(特に子どもの場合に多いかもしれない)

元気なときだけ見ているとわからないかもしれませんが、体調がよいときはめったにないんです。少し調子が良いときがあっても、そのあと帰ったら死んだようにぐったりしてしまいます。

牢屋慢性疲労症候群は牢屋に閉じ込められて自由を奪われているようなものです。めったにない自由に動ける日に、健康な人と同じように生活を楽しむのが何か悪いことなのでしょうか。

健康な人と変わらない、そのような楽しいひとときの思い出が、その後も病気と闘う力になるのではないでしょうか。

トップに戻る

自分に合ったマニュアルを作っておく

ここで紹介した例は、わたし自身が用いているものや、わたしの身の回りにいるCFSの方のアイデアによるものです。

もちろん、分かりやすく説明しようと心がけても、だれもが耳を傾けるわけではありません。あたりさわりのない受け答えですませておくのが良い場合もあります。

しかし、たとえ相手が聞かなくても、会話のマニュアルを作っておくなら、自分で自分の病気を理解し、考えを整理する助けになります。

これらの話し方に用いられている一定の原則は、さまざまな場面に応用できます。例えば、以下のようなものです。

◆否定しない:気に触ることを言われても、頭ごなしに否定したり、反論したりするのではなく同意できる部分を活用する。

◆比喩を用いる:思い描きやすい比喩を含めれば、相手は耳慣れない内容を理解しやすくなる。また自分が話すときに、内容を思い出しやすくなる。

◆分かりやすい言葉:だれでも分かる易しい言葉を用いる。ときどきアクセントとして専門用語を用いることがあっても、必ず簡単な言葉で言い換える。

こうした会話テクニックは、どんな病気の人にとっても役立ちます。次回のCFS患者の会話の助けでは、さまざまな状況に応用できる、会話のためのテクニックをさらに紹介したいと思います。

スポンサーリンク
LINEで送る
Pocket

▼こちらの記事もおすすめです


スポンサーリンク