梶本修身教授の新刊『最新医学でスッキリ!「体の疲れ」が消える本』

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はてなブックマーク - 新刊『最新医学でスッキリ! 「体の疲れ」が消える本』、発売のお知らせ - SankeiBiz(サンケイビズ)“本当に”疲れをとるにはどうすればいいのでしょうか。疲労大国日本では、だれもがそのことを気にかけています。ちまたには疲労回復を宣伝する商品があふれかえっています。

しかし、常識的に考えて、それら数多くの製品に本当に疲労回復効果があるなら、日本にこんなにも疲れが蔓延しているはずはありません。間違いなく嘘や誇張が絡んでいることがわかります。科学的に根拠のある疲労回復法を見分けるにはどうすればいいでしょうか。

このたび梶本修身教授の最新書籍最新医学でスッキリ!「体の疲れ」が消える本が2/5に発刊されました。疲労のメカニズムや回復について、最先端の研究がわかりやすく学べるこの書籍を紹介したいと思います。

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これはどんな本?

大阪市立大学医学研究科・医学部梶本修身教授は、慢性疲労症候群(CFS)を診察している疲労クリニカルセンターと協力して、疲労を測定する方法や抗疲労成分を研究してきました。CFS患者の疲労の測定に使われたこともあるATMTを取り入れたニンテンドーDSソフト、脳年齢 脳ストレス計 アタマスキャンの作者でもあります。

前著間違いだらけの疲労の常識 だから、あなたは疲れている! では 疲労についての15の新常識が取り上げられていました。疲労感と疲労は同じでないことや、疲労の原因は乳酸ではなくFFであること、また科学的に抗疲労効果が実証された成分は少なく、その一つがイミダゾールジペプチドであることなどが解説されていました。

その内容は、このブログの過去の記事でも詳しく取り上げています。

【8/21 テレビ朝日】知っておきたい3つの疲労対策―「みんなの家庭の医学 夏バテの原因は脳が錆びることにあった!」まとめ

最新医学でスッキリ!「体の疲れ」が消える本は前著とほぼ同じ内容ですが、安価な文庫本なので、比較的気楽に読みやすいかもしれません。内容は以下のニュースでも簡単に紹介されています。

p51-55では、慢性疲労症候群(CFS)が、長期疲労とは明らかに区別すべき病気であることも強調されています。

新刊『最新医学でスッキリ! 「体の疲れ」が消える本』、発売のお知らせ - SankeiBiz(サンケイビズ)

科学に基づいた疲労対策の大切さ

この本の大部分は、世界の最先端を行く日本の疲労研究の成果を簡潔に編集したものです。読めば読むほど、いかに多くの迷信をわたしたちが信じてきたかがわかります。

それら本書の核心部分は実際に読んでいただくとして、ここでは、わたしが知らなかった少し意外な疲労対策を2つ紹介したいと思います。

“ゆらぎ”がサーカディアンリズムを守る

まず興味深く思ったのは、p166-171にある、“ゆらぎ”の大切さです。現代社会ではサーカディアンリズム(概日リズム)の乱れが疲労につながっていますが、その原因は気温や湿度、明るさの“ゆらぎ”がない環境にあると書かれています。

本来、自然界では“ゆらぎ”のない環境はありえません。それをエアコンや人工照明などで、均一にしてしまっているため、自律神経がダメージを受けやすいのだそうです。

最近政府が提唱していた、夏のエアコンの温度設定を28℃にしようという取り組みも、「それは誤りです」と断言されています。1時間あたり7%の省エネになるいっぽうで、仕事のパフォーマンスが15%落ちるからだそうです。

一見良い動機で行われることも、科学的な分析を怠るなら、より能率を低下させ、疲労を蓄積させてしまうあたりに、盲目的な疲労対策の恐ろしさを感じました。

現在、本当の省エネ、また疲労対策として、疲れにくい部屋を実現する「エコナビスタシステム」が開発されているようです。

子どもの慢性疲労症候群の患者のほとんどは、サーカディアンリズムが乱れた概日リズム睡眠障害を併発しているので、この技術が学校や家庭に導入される時代が早く来てほしいと思います。

最新トピックス 快適 抗疲労空間の開発|大阪市立大学大学院 医学研究科 / COE生体情報解析学教室

 

ワーキングメモリの強化が疲れない脳のカギ

もう一つ、疲れない脳をつくる方法として、集中力ではなく、注意配分能力を高めるよう書かれていた点もおもしろいと思いました。p178-184によると、そのカギはワーキングメモリを鍛えることにあるそうです。

昨年、東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授が、ワーキングメモリを鍛える究極の教育ソフトとしてものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニングを作ったことが話題になっていました。

東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング

 CFS患者には不可能な代物ですし、健康な人にとっても “ものすごく”疲れそうな内容としか思えませんが、じつは現代社会の疲労対策(予防)として効果的なツールなのかもしれません。

川島隆太教授は、CFSの研究で有名な渡辺恭良先生や三池輝久先生と協力して研究開発プログラム「脳科学と教育」に携わっていた方です。ワーキングメモリの強化は最新の脳科学に裏裏打ちされた、効果的な教育法なのでしょう。

慢性疲労症候群の子どもでは注意配分能力の低下が知られていますから、脳の仕組みに沿った教育が行われるようになれば、疲れる子どもが減るのではないかと思います。

研究開発プログラム「脳科学と教育」(研究開発期間 平成13年度~平成21年度) - 社会技術研究開発センター

 この本に書かれているのは健康な人が取り組める疲労対策や予防法であって、慢性疲労症候群の患者にとって今すぐ役立つわけではありません。

しかし疲れに関する新しい常識や、本当に効果のある抗疲労成分については知っておいて損はないですし、何より次々と明かされる意外な事実にわくわくさせられることは間違いありません。疲労の時代を生き抜くための新しい常識として、ぜひ覚えておきたい内容が満載です。

▼追記

下記記事にも内容の要約がありました。

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