【3/13 クローズアップ現代】“大人の発達障害” 個性を生かせる職場とは? まとめ

LINEで送る
Pocket

NHKクローズアップ現代で“大人の発達障害” 個性を生かせる職場とは?が放送されました。このブログでは、発達障害の周辺の問題を扱っているので、わたしも関心がある内容でした。放送内容を簡単にまとめておきたいと思います。

“大人の発達障害” - NHK クローズアップ現代はてなブックマーク - “大人の発達障害” - NHK クローズアップ現代

オトナの発達障害・実は企業の戦力に! | クロ子のプレビュー見学記 | クローズアップ現代 スタッフの部屋:NHKはてなブックマーク - オトナの発達障害・実は企業の戦力に! | クロ子のプレビュー見学記 | クローズアップ現代 スタッフの部屋:NHK

スポンサーリンク

普通にできない人間ははみ出していってしまう

近年、増えている大人の発達障害の特徴は、仕事はできるものの、コミュニケーションは苦手というところにあります。

児童・思春期精神保健研究部の神尾陽子さんの調査によれば、人口の10%もの人がアスペルガー障害などの広汎性発達障害の傾向を持っていることが分かりました。大人の発達障害を診ている発達障害外来 | 昭和大学附属烏山病院では受診する人が4年前の10倍になっているそうです。

院長の加藤進昌先生によると、現代社会はコミュニケーションを問題にする風潮があり、発達障害の人は個性を生かせず、うつ病など心の問題を抱えることが多いようです。加藤先生については以前もこのブログで取り上げました。

発達障害外来 | 昭和大学附属烏山病院はてなブックマーク - 発達障害外来 | 昭和大学附属烏山病院

例えば「いつもみたいにやってほしい」「急ぎじゃないから適当にやってくれ」「分からないことがあればいつでも相談に来なさい」といった言葉を額面通りに受け取ってしまい、上司や同僚との関係が悪くなるといいます。

東京大学病院の山本英典さんの調査によると、笑顔で否定的なことを言われた場合、健常な人は、言葉だけでなく表情も見て意味を判断します。しかし発達障害の人は表情から本心を読み取ることができません。その理由として、内側前頭前野の反応が弱いことがわかっています。脳の機能の偏りのため、社会生活、集団生活が困難になるのです。

アメリカの調査によると、発達障害者の離職の原因の8割が、ハードスキル(仕事そのもの)ではなくソフトスキル(対人関係や自己管理、休み時間の過ごし方)にありました。仕事はできても、人付き合いや昼休み、残業、飲み会などが苦痛になってしまうそうです。

発達障害のため職場に順応できず、うつ病になり、現在は生活保護で暮らしている、という女性は、「わたしのようにどうしても普通にできない人間ははみ出していってしまう」、と述べていました。

大人の発達障害の就労支援

この現状に対し、発達障害者の就労支援が専門の宇都宮大学 教育学部 梅永雄二教授は、発達障害の人が就労するポイントは2つあると述べていました。

(1)ジョブマッチング…IT、イラスト、動物関係の仕事で強みを活かすこと
(2)サポート…上司や同僚が、ひとりひとりの個性を理解しすること

とちぎ発達障害研究会(TODDS)はてなブックマーク - とちぎ発達障害研究会(TODDS)
梅永雄二先生主宰の研究会

そのために行われている取り組みとして、いくつかの実例が紹介されていました。

◆発達障害に弱みを強みに変えるための訓練
まずあげられていたのは、kaienという会社の取り組みです。ここでは発達障害の人が強み・特性を生かした仕事に就けるよう訓練する場が設けられているそうです。

株式会社Kaien – 発達障害の方のための就職応援企業はてなブックマーク - 株式会社Kaien – 発達障害の方のための就職応援企業

        たとえば、細部にこだわる性格は、上司への報告のときに細々と話してしまう点では弱みですが、強みにすることもできます。番組では、「空気が読めない」アスペルガーの方が、その特性を逆に「臆することなく確認しにいける」という特性として活かし、会社員全体のスケジュール管理やマニュアル作成に活躍されている様子が紹介されていました。

◆組織としてひとりひとりに理解を深める
ある会社では、個性と仕事をマッチングさせるための会議が週に一回開かれているそうです。それにより、発達障害の人が能力を活かせる役割を得られるよう配慮します。

発達障害をレッテルとして見るのではなく、定型発達の健常者にはないポテンシャルとして評価するのです。

また自分の気の合う人をコア上司として選び、相談に乗ってくれる人を確保し、直属の上司とのかすがいとして立ちまわってもらえるシステムも紹介されていました。

心の健康を気にかける社会

前述の神尾陽子さんはこう語っていました。

社会が人の心の健康に無関心であり続けるならば、不安やうつを持つ人は増えていく。多様な才能や意欲や人々を生かせず、社会全体が損失を被っている

このブログで取り上げてきたことからすると、人口の10%が発達障害の傾向があるといっても、すべてが広汎性発達障害ではないでしょう。おそらく、愛着障害や軽度外傷性脳損傷が原因で、あたかも発達障害のように映っている人も少なくないはずです。

発達障害やうつ、という診断がそう簡単に増えて良いとは思えません。両者が増加している背景には、チェックリストを用いて安易に診断されているという背景もあるでしょう。

しかし、障害の名前が何であれ、それらの人たちが社会で生きづらいという同じ悩みを抱えていることは事実です。そして、その原因は当人の性格や心の弱さにあるのではなく、脳機能の偏りにあることは、すでに科学が証明しました。

これから、社会がより成熟し、発展していくためには、こうした独特な脳機能を持つ人たちを受け入れることが不可欠です。発達障害の人たちを支える取り組みはまだ始まったばかりですが、 今後の進捗に期待したいと思います。

▼大人の発達障害について

詳しくは以下の記事もご覧ください。

small大人の発達障害(ASD、アスペルガー症候群)に対処するーNHKの番組あさイチからはてなブックマーク - 大人の発達障害(ASD、アスペルガー症候群)に対処するーNHKの番組あさイチから small【3/3 ETV特集】人とうまくつきあえない ~いじめや虐待と自閉症スペクトラム~まとめはてなブックマーク - 【3/3 ETV特集】人とうまくつきあえない ~いじめや虐待と自閉症スペクトラム~まとめ

 

スポンサーリンク
LINEで送る
Pocket

▼こちらの記事もおすすめです


スポンサーリンク