続・検査で異常が出ない胃の不快感「機能性ディスペプシア(FD)」にどう対処するか

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ぐに満腹感を覚えてごはんが食べられない、食後いつも胃もたれする、ひどいときにはみぞおちのあたりに燃えるような胸やけが生じ、ひどい痛みに繰り返し悩まされる…。

以前の記事では、機能性ディスペプシア(FD)について、線維筋痛症と似た知覚過敏のメカニズムがあるのかもしれないというニュースに注目しました。今回、別の詳しい記事があったので、さらに対処法を考えたいと思います。FDの新薬の情報もあります。

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FDの診断基準

機能性ディスペプシアのローマIII診断基準によると、つぎのような人がこの診断名を下されます。

1.一つまたは複数の症状がある
■ひどい食後のもたれ
■食後早期の膨満感
■心窩部痛
■心窩部の焼けるような感じ

2.内視鏡を施行し、症状の原因となる器質的疾患を認めない

3.診断の6ヶ月以前に発症し、最近3ヶ月間は症状の診断基準を満たす

欧米では、まず胸焼け患者を除外し、ヘリコバクター・ピロリ感染チェックを行い、内視鏡でも異常のない患者だけがFDと診断されるようです。

診断基準のうち、最後の時間的要素を満たす人が少ないと言われています。しかしローマIII診断基準を満たさない患者でも、他の病気がないなら、FDと同様の治療をするしかありません。

呼気検査、シンチ法、超音波法などの検査も保険適応になるよう努力されているそうです。

わたしの場合、FDは、CFSとnon-24に加え、診断されている三番目の病名です。CFS発症から(もしかすると発症前から?)ずっと続いているので、時間的要素は満たしていました。CFSの診断時点で他の疾患は除外されていると思います。

FDの原因―知覚過敏や腸脳相関が関係

機能性ディスペプシアは何らかの原因で、食物の胃から小腸への排出の遅れるために、さまざまな症状が現れると考えられています。

その原因はさまざまで、精神的疾患に伴う心身症や、酸関連疾患、消化器運動機能異常、内臓知覚過敏、食欲増進ホルモンであるグレリンの異常、遺伝子多型、腸内細菌叢の状態、腹腔動脈起始部圧迫症候群などが関係しているそうです。

このうち内臓知覚過敏が、前回取り上げた線維筋痛症(FM)とメカニズムが似ていると言われる状態だと思います。線維筋痛症も機能性ディスペプシアも中枢性過敏症候群(CSS)としてくくられることがあります。

繰り返す胸やけや痛み、膨満感「機能性ディスペプシア(FD)」にどう対処するか検査で異常が出ない胃の不快感「機能性ディスペプシア(FD)」にどう対処するか

また腸内細菌叢の状態が関わっている場合は、以前も取り上げた腸脳相関のメカニズムが影響するそうです。その背景には幼少期の生活(遺伝、虐待などの環境)も関与していると言われています。

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そして誤診されやすいのが、腹腔動脈起始部圧迫症候群(celiac artery compression syndrome:CACS)だと書かれています。腹腔動脈(CA)の一部が横隔膜と癒着するまれな病気で、心窩部痛、下痢、心窩部の収縮期血管雑音が特徴だそうです。

FDの治療法―新しい薬アコチアミド

ひとえにFDといっても原因はさまざまなので、病態に合わせて薬を選ぶよう書かれています。

■食後愁訴(PDS)→モサプリド(ガスモチン)、イトプリド(ガナトン)、アコチアミド(アコファイド)、六君子湯、HP(ヘリコバクター・ピロリ)除菌

■心窩部痛(EPS)→プロトンポンプ阻害薬、ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)、どちらも胃酸の分泌を抑制する薬

■抑うつ→抗うつ薬、スルピリド(ドグマチール)

■不安→抗不安薬、タンドスピロン(セディール)

この中で、アコチアミドは、つい先日、2013年3月25日にFD適応初の薬として承認された新薬だそうです。今月薬価収載されるとあります。特に今まで治療法がなかった食後愁訴症候群(PDS)に効果的と説明されています。

機能性ディスペプシアに初の治療薬:日経メディカル オンライン機能性ディスペプシアに初の治療薬:日経メディカル オンライン

アコチアミドはアセチルコリン分解酵素阻害薬です。

神経伝達物質アセチルコリンの分解酵素、アセチルコリンエステラーゼを阻害することにより、胃運動の低下と、胃からの食物排出遅延を改善するとされています。食後膨満感、上腹部膨満感、早期満腹感に効果があります。

機能性ディスペプシアの病名で保険適応になるはじめての薬として効果が期待できそうです。

とはいえ、結局のところ「FDは、それぞれの患者に合ったオーダーメード治療が最終的に必要となり、患者と真摯に向き合い、何とかしようとする努力が求められる疾患である」と書かれています。

今回の解説を読むと、FDは、腸脳相関中枢神経過敏といった脳機能との関連が強い病気のように思えます。わたしの場合も、慢性疲労症候群(CFS)と独立した症状ではなく、慢性疲労症候群(CFS)の中枢神経の異常に伴う症状なのだと思います。

わたしは玄米クリーム以外まともに消化できないようなので、おもにFDへの対策として甲田療法を続けています。主治医の先生も、消化器症状が強いCFS患者には甲田療法が効果があるようだと述べていました。

しかし根本の解決にはやはり、視床下部の生体リズム中枢の回復が不可欠なのかもしれません。生体リズム改善の努力も引き続き行なって行きたいと思います。

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