【6/14】睡眠薬を飲んでいる人のための40のQ&A

LINEで送る
Pocket

眠薬の長期服用は、依存や離脱症状を招くとして、国立精神・神経医療研究センターの三島和夫先生の研究班が使用指針をまとめたそうです。

三島先生はこのブログでも何度か紹介している、睡眠医療の専門家です。(ドクターズガイドの三島先生のページ) 研究班には生体時計の研究で有名な大塚邦明先生の名前もありました。

睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン_final-PR版 - press_130611_2.pdf睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン_final-PR版 - press_130611_2.pdf

(PDFファイル)

▼関連ニュース

睡眠薬の適切使用に向けた初の指針 NHKニュースはてなブックマーク - 睡眠薬の適切使用に向けた初の指針 NHKニュース

睡眠薬適正使用と休薬にガイドライン活用を - 医療介護CBニュース - キャリアブレイン

「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」│プレスリリース詳細 | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター

朝日新聞デジタル:睡眠薬、上手な使い方は? 厚労省研究班などが指針 - 社会

「睡眠薬の適正使用と休薬のための診療ガイドライン」が登場:日経メディカル オンライン

スポンサーリンク


不眠についての40のQ&A

プレスリリースによると、日本では、睡眠薬の服用患者数、一日当たりの服用量、多剤併用率ともに増加傾向にあるそうです。ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の問題点は、アシュトンマニュアルや、戸田克広先生の著書について触れた以下の連載で詳しく書かれていました。

抗不安・睡眠薬依存(1) 患者依存させ金もうけ! : 佐藤記者の「精神医療ルネサンス」 : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)抗不安・睡眠薬依存(1) 患者依存させ金もうけ! : 佐藤記者の「精神医療ルネサンス」 : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)はてなブックマーク - 抗不安・睡眠薬依存(1) 患者依存させ金もうけ! : 佐藤記者の「精神医療ルネサンス」 : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)

NHKのニュースの中にも離脱症状に苦しめられた男性についてこう書かれています。

薬をやめて3日後、男性は、外出先で、突然、ひどいめまいに襲われ、息が苦しくなりました。

しばらく気分が落ち込んで外出するのも難しくなり、夜は不眠症状の悪化に苦しめられたということです。

今回の睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドラインでは、「薬物療法だけではなく、睡眠衛生指導や認知行動療法など非薬物療法を活用しながら難治例に対応し、適切な時期に減薬・休薬するまでの診療の流れと指針」が書かれているそうです。

また40のQ&Aが設けられていて、それぞれ【患者向け解説】【勧告】【医師向け解説】が用意されていました。

Q1:睡眠薬によって効果も違うのですか?
Q2:睡眠薬は服用してからどのくらいで効果が出ますか?
Q3:睡眠薬、睡眠導入剤、安定剤の違いは何でしょうか?
Q4:薬を使わない治療法はあるでしょうか?

③ 服薬・睡眠衛生指導
Q5:睡眠薬はいつ服用すればよいでしょうか?
Q6:眠れない時だけ睡眠薬を服用してもよいでしょうか?
Q7:寝付けないときや、夜間に目を覚ましたときは何時頃まで追加屯用してもよいでしょうか?
Q8:睡眠薬より寝酒の方が安心のような気がします。
Q9:睡眠薬は、晩酌後何時間くらい空けてから服用したらよいでしょうか?
Q10:睡眠薬を服用した翌朝に運転しても大丈夫ですか?
④ 臨床特徴を考慮した処方
Q11:ストレスや精神的な病気が原因の不眠にも睡眠薬は効果がありますか?
Q12:脳神経の持病があります。睡眠薬を服用しても大丈夫でしょうか?
Q13:認知症の不眠や昼夜逆転に睡眠薬は効果があるでしょうか?
Q14:痒みで眠れません。眠気のでる抗ヒスタミン薬を服用すれば一石二鳥だと言われましたが・・。
Q15:痒みで眠れません。睡眠薬を服用すべきでしょうか?
Q16:痛みで眠れません。睡眠薬を服用すべきでしょうか?
Q17:トイレが近く、眠れません。睡眠薬を服用すべきでしょうか?
Q18:睡眠時無呼吸症候群の治療中です。睡眠薬を服用しても大丈夫でしょうか?
Q19:せん妄治療における睡眠薬の用い方
Q20:高齢者の不眠症にも睡眠薬は効果があるでしょうか?
Q21:高齢なので睡眠薬の副作用が心配です。
Q22:睡眠薬を服用中に妊娠に気づきました。胎児に影響はないでしょうか?
Q23:更年期障害で眠れません。睡眠薬を服用すべきでしょうか?
Q24:夜勤明けに眠りたいのですが、睡眠薬を服用してもよいでしょうか?
⑤ 難治性(慢性)不眠症への対応
Q25:睡眠薬を服用しても眠れません。増量すれば効果が出ますか?
Q26:睡眠薬を服用しても眠れません。何種類か組み合わせれば効果がでますか?
Q27:抗うつ薬も不眠症に効果がありますか?
Q28:漢方薬やメラトニンも不眠症に効果があるでしょうか?
Q29:市販の睡眠薬も不眠症に効果があるでしょうか?
Q30:市販のサプリメントも不眠症に効果があるでしょうか?
⑥ 睡眠薬の副作用とその対処
Q31:睡眠薬を何種類か服用しているので副作用が心配です(主に依存・耐性以外の副作用について)
Q32:睡眠薬服用後の記憶がありません。
Q33:徐々に睡眠薬の効果が弱くなり、量が増えるのが心配です。
Q34:睡眠薬を止められなくなるのではないか心配です。
Q35:睡眠薬を服用していると認知症になると聞いて心配です。
Q36:睡眠薬の飲み過ぎで死亡した人がいると聞いて不安です。
Q37:他の治療薬との飲み合わせが心配です。
⑦ 不眠治療のゴール設定
Q38:睡眠薬はいつまで服用すればよいのでしょうか? 服用すれば眠れますが、治っているのでしょうか?
⑧ 睡眠薬の減薬・中止法
Q39:禁断症状がでるため睡眠薬が減らせません。
Q40:睡眠薬の減量法を教えてください。

現在睡眠薬を服用していて、気になる項目があると読んでみると良いかもしれません。

興味深く思ったところのメモ

■効果的なのは刺激制御法と漸進的筋弛緩法
Q4で、薬を使わない治療法として、認知行動療法のうち、刺激制御法と漸進的筋弛緩法が特に効果的だと書かれていました。

刺激制御法はパブロフの犬に倣って、寝床と睡眠を結びつける方法です。ベッドにだらだらいるのではなく、眠い時だけベッドに入ることで、ベッド=眠くなる場所と条件付けします。

6つのルールでグッスリ眠る!刺激制御療法 [睡眠] All About6つのルールでグッスリ眠る!刺激制御療法 [睡眠] All About

漸進的筋弛緩法は、体の各部分に順番に注意を向け、リラックスさせる方法です。こちらはわたしもよく使っています。自律訓練法と共に、覚えておくとときどき役に立つリラックス法だと思います。

リラックス法 上級編~漸進的筋弛緩法~ - わかる!使える!元氣プラザのメンタルアドバイス | こころとからだの元氣プラザ Informationリラックス法 上級編~漸進的筋弛緩法~ - わかる!使える!元氣プラザのメンタルアドバイス | こころとからだの元氣プラザ Information

■頓用法や多剤併用はNG
Q6によると軽症・治療初期でない限りは、薬の頓服は勧められないとされています。

多剤併用についてはQ26、Q31などで「睡眠薬䛾多剤併用䛿副作用䛾頻度を高める原因となるため推奨されない」とはっきり書かれています。

ベンゾジアゼピン系の薬(睡眠薬・抗不安薬)の恐ろしさについては線維筋痛症の戸田克広先生の本で詳しく書かれています。

抗不安薬による常用量依存―恐ろしすぎる副作用と医師の無関心、精神安定剤の罠、日本医学の闇― 第1版 - 戸田克広 | ブクログのパブー抗不安薬による常用量依存―恐ろしすぎる副作用と医師の無関心、精神安定剤の罠、日本医学の闇― 第1版 - 戸田克広 | ブクログのパブー

■睡眠薬が効かない病気
Q11には心的外傷後ストレス障害(PTSD)に伴う不眠について、Q12では脳の中枢神経の病気について、睡眠薬があまり効かないと書かれていました。

わたしは発症当初、精神科で多剤処方で薬漬けにされていたのですが、睡眠薬がほんの少しでも効いた試しがなく、量を増やしても同じでした。

後に、CFSと診断されてから、睡眠薬が効かなかったのは、不眠ではなく概日リズム睡眠時間のフリーラン型だったからだと知りました。現在は睡眠薬や抗うつ薬は服用していません。

■概日リズム睡眠障害とメラトニン
これは不眠の資料なので、概日リズム睡眠障害(過眠)についてはほとんど触れられていません。

Q28には、メラトニンの効果について書かれていますが、不眠に効果はないようです。メラトニンは、概日リズム睡眠障害でも、睡眠相後退型(DSPS)以外への効果が疑問視されていると書かれています。

わたしも催眠作用ではなく概日リズム調整作用に期待してメラトニンを夕方に飲むよう言われていた効き目を感じませんでした。フリーラン型だからだったのかもしれません。

■漢方薬やサプリメント
Q28やQ30では、漢方薬やサプリメントは現時点のデータでは、不眠にあまり効果が無さそうだとも書かれています。一応、効果があるかもしれないサプリメントのリストが書かれています。

■ベンゾジアゼピン系の薬で認知症になる?
Q35には、このブログでも以前に取り上げた、睡眠薬と認知症の関係について詳しく書かれていました。結論としては、確かにそのような報告があるものの、不眠を治療しなくても認知症になりやすくなるので、判断が難しいようです。

■全体の感想
疲れるので斜め読みしただけですが、専門家に相談するようにとか、十分な検証が行われていないというように書かれている部分が多くて、あまり参考にならない気もしました。基本的な薬の飲み方を知るには役立ちますが、治療のヒントが得られるようなものではなさそうです。

スポンサーリンク
LINEで送る
Pocket

▼こちらの記事もおすすめです


スポンサーリンク