【クロ現まとめ】トラウマからの解放 ~うつ病・身体の痛みの知られざる原因~

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日のクローズアップ現代の内容をまとめました。VTR部分は、以前に放送されたETV特集を削ったものでした。個人的には、杉山登志郎先生が出演しておられる部分が興味深かったです。

以下はメモ書きとして簡単にまとめたもので、細かい表現などは正確ではありません。さまざまな関連情報にリンクしてあるのでご活用ください。

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さまざまな心身の不調の根底にあるトラウマ

最近、うつ病や不安障害、頭痛、腰痛、非行、自傷行為の根本原因として、患者本人がなかなか気がつかないトラウマが関係していることがわかってきた。

トラウマは、衝撃的なできごとだけでなく、幼少期の極めて辛い体験や、日常生活の中でも生じうる。

アメリカの精神医学界は今年5月、19年ぶりに診断マニュアルを改定し、トラウマ・ストレス関連障害に注目している。

VTR1)慢性頭痛を抱えていたアスカさん

原因が分からずなかなか治らない体の一味やうつの症状にトラウマが関係している。慢性的な頭痛に悩まされていたアスカさん。臨床心理士市井雅哉氏のもとで治療を受けた。

トラウマを抱える人は、その体験を思い出した時、感情をつかさどる右脳が興奮状態になるいっぽう、記憶を処理する左脳の活動が低下。脳の状態がアンバランスになり、心身に異常が出る。

EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)という治療法により、脳に左右交互の刺激を与えると、脳のアンバランスさが和らぎ、トラウマが早く改善する。WHOは今年、EMDRを患者の負担が少ないトラウマの治療法として推奨した。

臨床心理士と記憶をたどるうちに、実の父親から繰り返し暴力を受けていたことがわかった。さらに、EMDRにより、三ヶ月後、17歳のときにかわいがっていた猫を父親に捨てられ、それを止められなかったことが最も強いトラウマになっていたことがわかった。

そのトラウマを消化した時、頭痛やうつはなくなった。

市井先生は以下の病院でカウンセリングにあたっているそうです。

姫路 心療内科 精神科 | 本多クリニック | カウンセリング姫路 心療内科 精神科 | 本多クリニック | カウンセング

VTR2)子どもたちを治療しようという日米の取り組み

宮城県名取市子ども総合センターの精神科医、本間博彰さん。被災地の子どもたちの中に、トラウマが原因と思われる問題行動が相次いでいる。子どもの時代にしっかりケアしないと成人期に引き継がれる。

子ども総合センター - 宮城県公式ウェブサイト子ども総合センター - 宮城県公式ウェブサイト

アメリカ、ネブラスカ州に5年前に設立された愛着・トラウマセンター。虐待によって保護された子どもにはすべてトラウマ治療が義務づけられていて、費用は全額、州が負担。

The Attachment and Trauma Center of Nebraska :|: HomeThe Attachment and Trauma Center of Nebraska :|: Homeはてなブックマーク - The Attachment and Trauma Center of Nebraska :|: Home

子どものうちに治療することで将来深刻な病や問題行動が出てくることを防ぐ。アメリカでは、虐待がもたらす医療費や社会福祉費、犯罪などの損失は年間10兆円を超えるとされている。

心理療法士デブラ・ウェッセルマンさん。「子どもたちが治療を受けないままおとなになると。将来、より多くの医療サービスを受けたり、犯罪を犯したり、福祉制度に頼ったりするようになると、より多くの費用がかかる。これはわたしたちが抱える社会問題」

杉山登志郎先生の話

児童精神科医として30年以上治療にあたってきた。浜松医科大学特任教授の杉山登志郎先生。

杉山 登志郎|国立大学法人 浜松医科大学杉山 登志郎|国立大学法人 浜松医科大学

トラウマ処理というのは最近になって進んできた治療法。どのように効いているのかは分からないが、効くというエビデンスはある。

トラウマ記憶は、海馬記憶とは違うところにたまっている。普段は思い出せないが、何かの引き金によって出てくる。本人が辛すぎて思い出せないということではない。

突然子どもが暴れだしたり、親から言われた「お前は生きていく価値がない」というのが自分の考えとして浮かんできたりするのも、フラッシュバック。

治療によってトラウマを忘れるわけではなく、今まで思い出せなかったものがきちっと思い出せ、しかも距離が取れるようになる。

従来のトラウマ処理は、認知行動療法の遷延暴露。トラウマになったことを焦点化して何度も繰り返し言わせたり聞かせたりする。これは本人にとってとても辛い。子どもや発達障害の場合は、焦点化すること自体が難しい。

EMDRの場合は、辛かったことを思い浮かべても言葉にしなくてもいい。眼球運動によっていろいろな光景が思い浮かぶ。今まで否定的な見方しかできていなかったことが全体像が見えるようになっていくる。

EMDRを受ける前と受けた後では、脳画像によると、トラウマを思い出して無駄に興奮している部分がおさまっている。

しかし辛いから蓋をしている記憶を思い出すことにはリスクが伴う。トラウマ処理をしたあと、もう一回蓋を閉める「安全の場所ワーク」が必要。自分にとって安心できる場所を心に描けるようにしておく。

トラウマによって心身の不調を抱えている人は非常に多い。虐待の問題、心身症、非行や犯罪と関係している。

子どものうちなら治療しやすく、先手必勝。また発達障害にとってトラウマは増悪因子になっている。

日本では和田一郎先生により、虐待の社会的コストは1兆6000億円という試算が出ている。治療費、生活保護になった場合の費用、犯罪の損失などを積算している。

子ども虐待、社会的損失は年1.6兆円子ども虐待、社会的損失は年1.6兆円 家庭総研まとめ:朝日新聞デジタルはてなブックマーク - 子ども虐待、社会的損失は年1.6兆円 家庭総研まとめ:朝日新聞デジタル

日本では、EMDRなどのトラウマ処理ができる治療者は300人から400人しかいない。トラウマ治療者のリストは、日本EMDR学会が出している。→EMDR治療者リスト

より詳しい内容の以前のETV特集のまとめは以下をご覧ください。

【NHK ETV特集まとめ】慢性的な難病の裏にある「トラウマからの解放」【NHK ETV特集まとめ】慢性的な難病の裏にある「トラウマからの解放」

また杉山登志郎先生の著書のまとめはこちらです。

本当に脳を変えてしまう「子ども虐待という第四の発達障害」本当に脳を変えてしまう「子ども虐待という第四の発達障害」
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