慢性疲労をもたらすアドレナル・ファティーグ(1)副腎疲労症候群とは何か

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んな症状であなたも悩んでいませんか?

□朝起きるのが辛い
□午前10時まで目覚めない
□午後3時から4時の間はぼんやりしている
□夕食後やっと元気になる

□疲れが取れない
□倦怠感(エネルギー不足)
□日常的なことが、とても疲れる
□性欲の低下

□ストレスに対処できない
□病気や怪我、外傷(トラウマ)から回復するのに時間がかかる
□頭がクラクラする

□軽度のうつ
□人生のすべてが虚しい
□PMS(月経前症候群)の悪化

□塩辛い食べ物が無性に欲しくなる
□カフェインがないと仕事ができない
□思考が定まらずボーっとする
□記憶があやふや

これらの多くの症状に身に覚えがあるとすれば、それはアドレナル・ファティーグ(副腎疲労症候群)の表れかもしれません。

アドレナル・ファティーグとはなんでしょうか。この一連の記事では、医者も知らないアドレナル・ファティーグ―疲労ストレスは撃退できる!という本からアドレナル・ファティーグとその対処法について詳しい解説を試みたいと思います。

まず第一回では、副腎疲労症候群とは何か、どうして医学界から見過ごされているのか、慢性疲労症候群や線維筋痛症とはどう関係しているのかという点を扱います。

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これはどんな本?

書籍医者も知らないアドレナル・ファティーグ―疲労ストレスは撃退できる!は、副腎疲労症候群についての専門家ジェームズ・L・ウィルソン博士による345ページからなるとても詳しい解説書です。

アドレナル・ファティーグに関する2400以上の科学文献や臨床文献の確かな基盤に基づいて書かれています。また、19例のケース(症例)が載せられているので参考になります。(p90)

翻訳された本間良子先生は、ご夫婦でスクエアクリニックという医院に務めておられます。ご主人である本間龍介先生は、多忙な生活の中、ご自身が副腎疲労症候群になり本書と出会ったそうです。

本書のp25-28にはそのときの体験談が書かれています。学生時代から疲れやすい体質でしたが、医師生活をはじめてから体がまったく動かなくなり、トイレや食卓に座ることすらできなくなってしまったといいます。

うつ病と診断されて、投薬によって悪化する一方でしたが、本書のアドバイスと出会い、回復することができました。その後、日本における副腎疲労症候群のパイオニアとなり、日本で唯一の専門外来を開くようになられました。(p25)

スクエアクリニック内科|川崎駅前ソリッドスクエアビルスクエアクリニック内科|川崎駅前ソリッドスクエアビル

この本は慢性疲労を抱えるすべての人にとって、とても意義深い内容ですが、読むにはかなりの労力を要します。それで、体調の悪い人にとっても、本書のポイントを理解できるよう、このエントリを書くことにしました。

この本の日本語版によせられた文章の中では、「この本を自分のために使うとともに、あなたの大切な人と共有してください。そして決してあきらめないでください」とあります。ブログに書くことで、その言葉どおりにしたいと思います。

アドレナル・ファティーグについて学びたい場合は、先日出版された本間良子先生の文庫版の著書しつこい疲れは副腎疲労が原因だった ストレスに勝つホルモンのつくりかた (祥伝社黄金文庫)を読むこともお勧めします。日本人向けでわかりやすく、価格も手頃な一冊です。

副腎疲労症候群とは何か

副腎(アドレナル)という臓器は「ストレスの腺」として知られています。怪我や病気など、ありとあらゆるストレスに対処できるよう副腎ホルモンを生産する役割を担っています。この副腎の機能が低下した状態が、副腎疲労症候群です。(p34)

副腎の機能が弱まると、ベッドから起きあがるのが難しくなり、体のすべての器官や臓器が影響を受けます。ちょうど、最初に挙げたような幾つものつらい症状が生じることになります。

副腎疲労症候群のもっとも際立った症状は「疲労」です。病院で、患者が疲労を訴える原因のほとんどはアドレナル・ファティーグだそうですが、そのように診断されることはほとんどありません。医学界からアドレナル・ファティーグが見過ごされているのはなぜでしょうか。(p40)

医学において、副腎機能低下といえば、ふつうアジソン病を指します。アジソン病とは副腎機能が極めて低い状態で、1855年にサー・トーマス・アジソンが発見しました。

治療しなければ生死に関わる病気で、患者は一生ステロイドを飲み続ける必要があります。発症は10万人あたり4人という極めてまれな病態です。その70%は自己免疫疾患だといわれています。(p39)

反対に副腎機能が極端に高いのはクッシング病で、こちらもまれな疾患です。(p104)

これら2つの病気に対し、副腎疲労症候群(アドレナル・ファティーグ)は非アジソン病副腎疲労低下無症状性副腎機能低下などと呼ばれます。

多くの場合、副腎疲労症候群の患者は、アジソン病ほど副腎機能が低下しているわけではありません。そのため、コルチゾールなどの副腎ホルモンを調べる検査を受けても、コンピューターは「正常値」とみなします。

実のところ、検査で異常があると判別されるのは、正規分布曲線における上位2.5%の極めて高い数値と、下位2.5%の極めて低い数値だけです。残りの95%の枠内であれば、どれほど数値が変動しようと、問題があるとはみなされないのです。(p106)

こうして、生死に関わるほどではなくても、副腎機能が低下して疲労している状態は見逃されてしまうことになります。

慢性疲労症候群、線維筋痛症との関係

このブログの読者の方が気になるのは、慢性疲労症候群線維筋痛症など、このブログで過去に取り上げたことのある周辺疾患との関わりだと思います。

関係する記述を本書から引用したいと思います。

Q アドレナル・ファティーグは線維筋痛症やうつ病に関連しているか?

Aアドレナル・ファティーグはどちらにも関係している可能性がある。線維筋痛症を患っている人はたいてい、何らかの形のアドレナル・ファティーグを患っている。アドレナル・ファティーグが線維筋痛症の発症に先行する場合もある。

軽度の抑うつ症状もアドレナル・ファティーグの主な兆候であり、うつ病をおこす原因となりうる。うつ病には他の原因も存在しているため、も副腎ホルモンの唾液検査がアドレナル・ファティーグとの関係を見極めるのに役立つ。(p297)

Q アドレナル・ファティーグは慢性疲労症候群に関連しているか?

Aアドレナル・ファティーグは慢性疲労症候群のひとつの要素である。関係性は、慢性疲労症候群の発症をもたらす感染性病原体が、アドレナル・ファティーグを助長する条件も提供することである。

体内でくすぶる病原体の直接的影響と、感染症が作り出す系統的ストレスのために、副腎に過剰な負荷がかかる。原因となっている感染性病原体を検出するための新しい診断手続きが利用可能になり、副腎を強化しつつ特定の病原体を排除する併用療法を用いた有望な結果が出されている。(p298)

このように、副腎疲労症候群は、慢性疲労症候群や線維筋痛症そのものではないものの、関係する要素のひとつであるとされています。

慢性疲労症候群と線維筋痛症の病因についてはこう書かれています。

慢性疲労症候群や線維筋痛の場合には、一般的な臨床検査では発見されにくい細菌が原因になっている可能性がある。特殊で高度なポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査を用いれば、これらの細菌を発見できる。

近年、これらの病気にこのような細菌が存在していることを立証する論文が増えている。細菌が発見されれば、適切な治療ができる可能性がある。しかし、同じ症候群に二つかそれ以上の微生物が関連していることも多く、全てが治癒されなければ回復は期待できない。

これらの病原菌は体への著しい負荷となり、副腎の資源が枯渇させられる。このような甚だしく衰弱する病気において、これらの感染性病原体を体から同時に排除し、同時に副腎へ十分な援助を与えれば、回復が多いに早まるであろう。

アドレナル・ファティーグは慢性疲労症候群や線維筋痛、アルコール依存症などの症候群に先行して起こることが多い。副腎機能の変化による免疫の弱まりがきっかけとなり、感染にかかりやすくなったり、衰弱が激しくなったりする。(p62)

もし、こうした細菌が本当にかかわっているのであれば、日本国内での治療は難しいと言わざるを得ません。

しかし日本の慢性疲労症候群のすべてが、細菌の関わる重症のものとは思えませんし、副腎疲労症候群への対処でいくらかでも良くなることはあるのではないかと思います。

慢性疲労症候群の患者にとっても、副腎疲労症候群の知識を得て、アドバイスにしたがうことが大切であることは言うまでもありません。

また、副腎疲労症候群と起立性調節障害(OD)の関わりについて、いつも読んでいるブログの奈月さんが言及されていたのでリンクさせてもらいます。

その疲労、、、副腎疲労症候群???|起立性調節障害~ありのままに~

ODや副腎疲労症候群など②|起立性調節障害~ありのままに~

続く2番目のエントリでは、アドレナル・ファティーグの原因について考えたいと思います。

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