慢性疲労症候群(CFS)と認知行動療法・段階的運動療法(1)

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知行動療法を用いて、さまざまな疾患を治療する手法を紹介した本、臨床が変わる! PT・OTのための認知行動療法入門を読みました。

専門的すぎて、ほとんど理解はできていないのですが、線維筋痛症(FM)や慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎(CFS/ME)と、認知行動療法について説明されている貴重な邦訳なので、その内容をまとめておきたいと思います。

全3回でまとめる予定ですが、一番大事な部分は2番目で書きます。わたし自身もあまりよくわかっていないので、比較的簡単な内容になってしまうと思いますが、ご理解よろしくお願いします。

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認知行動療法とは?

認知行動療法とはエビデンスに基づく治療法であり…それ以上である

…行動療法や認知行動療法がなければ、心理療法は、せいぜいほとんど効果はないか、最悪の場合、患者の時間と専門家の人的資源を無駄にしているとみなされてもいいだろう (ix)

本書のはじまりの部分にはこのような言葉が載せられています。

認知行動療法(cognitive behavioral therapy、CBT)の創始者は1921年、米国で生まれたAT Beckです。

彼はうつ病患者を観察し、彼らが否定的なバイアスをもった、独特の思い込みや思考パターンを持つことを発見しました。

そこから彼は、周囲の情報を歪んだ認知で見ることによって問題が生じるといった考えを抱き、認知行動療法を作り上げました。

例えば、うつ病の場合、幼少期の経験などによって、役に立たない仮定や信念をもっています。
◆「もし人に好かれたければ、自分自身より他人の欲求を常に優先すべきだ」
◆「もし私が成功しなければ、他の人はよく思わないだろう」
このような思い込みのため、例えば、昇進できない、周囲の人から無視されるといった状況で、自分は成功するに値しない、好かれていないといった、より否定的な考えが生まれてしまい、さらなる不幸やうつにつながるのです。(p6)

よくある認知の歪みとしては以下のようなものがあります。(p9)

◆選択的抽出
ある状況の1つの側面を選択し、状況全体をこの1つの細部をもとに解釈すること
状況…友人たちが食事をしにきたが、メイン料理が失敗だった
思考…今晩は何もかも台無しになった

◆恣意的結論
その結論を支持する十分な証拠がないまま結論に達すること
状況…同僚のサラとジョンが部屋に入って扉を閉めた
思考…彼らはわたしのことを噂するつもりだ

◆過度の一般化
ある状況全体のなかから、任意に選んだ1つの側面をもとに、一般的な結論に達すること
状況…同僚のサラとジョンが部屋に入って扉を閉めた
思考…課の全員がわたしのことを噂しているに違いない

◆拡大解釈と縮小評価
ある状況の否定的な側面を拡大解釈し、肯定的な側面を過小に見積もること
状況…友人たちが食事をしにきたが、メイン料理が失敗だった
思考…どの料理もひどかった。すべて台無しだ

◆自己関連づけ
そのように関連づける根拠もないのに、外的なできごとを自分と結びつけること
状況:友人たちはパーティーから早めに帰った
思考:彼らはわたしのことが嫌いなのだ

そのほかにも、いろいろな認知の歪みがあります。そのことは下記のサイトでわかりやすく説明されていたので紹介しておきます。

心理学COCOROの法則: 001125)よく認める認知の歪み アーカイブ心理学COCOROの法則: 001125)よく認める認知の歪み アーカイブ

身体的な問題にも用いられる

認知行動療法は、しばしば精神的な症状を改善するために用いられます。そのため、認知行動療法がCFSやFMに効果があるとすると、これらは心理的な問題なのか、という誤解を招くかもしれません。

本書では、そのような誤解を解くためにもページが費やされています。認知行動療法は「心理的問題のみならず身体的問題の心理的側面についても、個別に理解し、有効に治療することが重要であるとわかった」と書かれています。(ix)

そのようなわけで、本書では、認知行動療法の適用が2つの領域に分けられています。(xiv)

1つ目は精神保健分野での情動障害、不安、アルコール依存症などの問題に関する部分です。2つ目は慢性疼痛に関する部分であり、その中で線維筋痛症や慢性疲労症候群が取り扱われています。このブログでは後者を扱います。

症状そのものは治療できない

慢性疼痛をはじめ、FMやCFSに対する認知行動療法の場合、心理的な問題からすべての症状が生じているわけではありません。ですから、認知行動療法によって、痛みや疲れそのものは治療できません。これは大切な点です。

例えば、認知行動療法を取り入れた疼痛管理プログラムでは、疼痛そのものではなく、「疼痛による影響」に焦点化しています。

「現状では治療法が明らかになっていないため、長期的に生活をしていくということは、生涯その症状とともに生きていくように順応しなければならないということ」です。(p125)

疼痛を軽減したり、取り除いたりすることが目的なのではなく、「疼痛による障害や苦痛と付き合っていく技能を学ぶことで、患者を支援する」のです。(p132)

症状そのものは取り除けないものの、生活のQOLを上げるのが、認知行動療法ということになります。

線維筋痛症や慢性疲労症候群では、長期間にわたって続くひどい痛みや疲れのため、認知の偏りや否定的思考のバイアスができてしまいます。また、もともとの考え方の傾向というものも存在します。

そのような傾向のために、過活動や不活動、ストレス過多に陥り、さらなる疲労や痛みの悪循環に陥ってしまうという二次的な影響を回避するのが、認知行動療法の目的であるようです。

続く2番目の部分では、CFSやFMの考え方の傾向や、それを克服する技能について考えます。

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