【まとめ】リハビリケア新時代 脳からの挑戦3 子どもの脳からのSOS(小児慢性疲労症候群)

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NHKハートネットTV 「リハビリ・ケア新時代 脳からの挑戦」。第三回は、「子どもの脳からのSOS 睡眠を守れ」。兵庫県立リハビリテーション中央病院 子どもの睡眠と発達医療センターによる、子どもの睡眠障害の治療についての特集です。

ハートネットTV:2014年10月2日の放送 - NHK福祉ポータル ハートネット

赤ちゃん学の専門家でセンター長の小西行郎先生や、特命参与の三池輝久先生らが出演しています。視聴しながらリアルタイムで記録したので、細かい表現は正確ではありません。最後に感想を記します。

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■不登校と睡眠障害

今、不登校の子どもが増えている。2014年の文部科学省の調査では小中学生合わせて、前の年より7000人多い12万人。原因は朝起きられない、日中眠いという睡眠の乱れ。

中学3年生の男の子「だんだん勝手に起きられなくなっていって、いつの間にかほぼずっと寝ている感じになって」。母親「無理やり起こそうとして両手を持ってもダラーとして起き上がる力もない」。

背景にあるのは子どもの夜更かし傾向。勉強や部活に加え、インターネットが影響している。不規則な睡眠が続くと、子供の脳に深刻な影響。常に疲労感が抜けず、記憶力や集中力も低下。

小西行郎先生「睡眠を見ていると体全体の問題だと思う。一般の方の子どもの睡眠障害に関する考え方は非常に軽い」

 

前述の文部科学省の調査によると、不登校の原因の34%は「生活リズムの乱れ」。睡眠障害の状態では、脳の働きに深刻な問題。

兵庫県神戸市のサトシくん(12歳)、朝まったく起きられない日が続き、学校を休みがち。「朝早くはずっと眠気がすごい。起きてもまだ眠い」。母親「もう全然起きない。「起きて」「無理」という会話をしたことも覚えていない」。

小学5年生のときに異変。眠く疲れた状態が続き、遅刻や欠席が多くなった。1-6時間目まで行ける日は1-2日。行っても、調子が悪いので迎えに来て、という日も。「学校は行きたかったです。残念というか悔しい。起きられないことが」。

低学年のときから深夜0時過ぎまで起きていた。高学年になり、インターネットを使うようになり、TwitterとラインとYouTubeを10時間以上やっていた。深夜3時までメッセージをやりとりすることがあった。母親は夜の間、機器を使うことを禁止したが、崩れたリズムは治らず、日中眠くてだるい日が続いている。

「眠すぎて疲れるのが速かった。母とずっと喧嘩をしていて辛かった」。宿題をしようと机に向かうが、頭がまわらない。学校の成績も落ちた。「集中力がちょっとしかない。授業中に寝ているときもあるから全然わからない」

内科を受診したが、一時的な自律神経の乱れと言われ、改善せず。今年から兵庫県立リハビリテーション中央病院 子どもの睡眠と発達医療センターに通う。 国内で数少ない、子どもの睡眠に特化した病院。

子どもの睡眠と発達医療センター|兵庫県立リハビリテーション中央病院

■概日リズム睡眠障害と小児慢性疲労症候群(CCFS)

サトシくんの睡眠記録。朝や夜に関係なく寝起きしている。概日リズム睡眠障害と診断。本来夜になると眠るホルモン、朝になると起きるホルモンか出るが、概日リズム睡眠障害ではホルモンが減り、ピークもずれる。

睡眠リズムが乱れる子どもは明らかに年々増えている。診察は2ヶ月待ち。

小西行郎先生「明らかに増えている。入院待ちも増えていて、9月いっぱいは入院できない」

きっかけはインターネットによる夜更かしとは限らない。中学2年のミナミさん。中学に入ってまもなく、突然朝起きられなくなった。1年間学校に行けない状態が続いている。一日中ぐったりとした疲労感が続き、夜は眠れない。原因はわからなかった。

「寝たいのに寝られなかったり、朝起きたらけっこうしんどい」。母親「本人からも寝たいのに寝れないというしんどさをよく聞いていた」

なぜ疲れているのに眠れないのか。ミナミさんの全身を脳波や血液などさまざまな角度から検査。

主治医田島世貴さん。ミナミさんの一日の体温を測定したところ、夜に体温が下がりきらず、一日中同じ状態。しっかり寝ている時間は1-2時間しかない。体温が下がっていないので、クールダウンできず、疲れが取れていない。

クールダウンできない体を休ませようと自律神経が過剰に働いていることもわかった。いつも体が休まらない。それで体を休ませようとして、自律神経が常に「休め」といっているので、無理が効かない体になっている。自律神経は一生懸命休むほうに引っ張る、でも体温は下げきれない。

体温を下げられない理由は脳の検査で明らかになった。ものを見て反応する速さや集中力をはかる検査。画面に○と☓が表示され、○のときだけボタンを押す。そのときの脳波をはかると、○を選ぶときだけでなく、☓のボタンを押さないでいいときまで、緊張していることが明らかに。気を抜いていいときにも、一生懸命考えているときの脳波が出ている。寝ているときも脳の緊張が続き、体温が下がらない。常に気を使っていて、一生懸命な性格が無意識に体を追い込んでしまったのでは、と医師は指摘する。周りの人はなかなか気づきにくい。

これまでの睡眠不足の蓄積も原因のひとつ。もともと寝る時間は遅かった。中学に入ると、深夜まで勉強し、朝は部活に行く日々。無理を続けたことが睡眠の乱れを引き起こした。母親「学校でも常に無理をしているということはなんとなくわかっていた。ちょっとずつでも、この子の休める部分が増えていくようにしたい」。

小西行郎先生「疲れが治らないのは大きな問題。かなり行き着くところまで行き着く状況になっている。当然発達期にあるから、脳の発達にも影響する。ちょっとしたことがあれば容易に睡眠障害になることもある。一般の人の子どもの睡眠障害への考え方は非常に軽い」

三池輝久先生「この問題は増える一方。インターネットのため、子どもたちはますます夜更かし型になり、睡眠時間は減る。問題は増えこそすれ、減ることはない。子どもにとって睡眠は脳を作り、育て、守るという働きをもっている。睡眠の欠乏は、子どもの発達の問題を作り出す」。

「みなさん頑張り屋。寝ないで宿題を頑張っている。部活の朝練を頑張っている。不登校は怠けだと思っている人が多いが、基本は頑張り屋で真面目な方が多い」。

「脳機能は低下している。思考力が落ちている。非常に疲れを訴える。この状態はひとつの診断で説明付けられるものではなく、全身の問題。小児慢性疲労症候群という見方で見る必要がある」

慢性疲労症候群(CFS)とは極度に疲れた状態が6ヶ月以上続き、起き上がれなくなったり、激しい頭痛が起きたりする、原因不明の病気。ひどい場合には寝たきりになることも。

今年4月の理化学研究所の大人を対象にした研究結果では、脳神経の炎症が発見されている。その結果、記憶力や認識能力が低下してしまう。子どもの場合も同様の結果。脳血流の低下、知能テストの成績も若干低下などが見られる。回復にしたがって元に戻っていく。認知力、脳機能が明らかに混乱している。

【4/4】慢性疲労症候群(CFS/ME)と脳内炎症の関連が解明される| いつも空が見えるから

■睡眠障害の治療

睡眠リズムを崩してしまったミナミさん。ミナミさんと同じように、睡眠障害のある子どもが20人近く入院している。朝はラジオ体操で一日が始まる。病棟ではゲームや携帯など電子機器は一切禁止。夜は9時に消灯。みなここに来る前は学校に行けず、家に閉じこもりがち。およそ2ヶ月間、同じような境遇の仲間と暮らすことで、社会に戻る準備をする。

この病院では特殊な治療が行われている。まず朝の光治療。朝6時から2時間、昼間と同じ程度の光を体に浴びる。光は目覚めのホルモンの分泌を促し、眠りのホルモンの分泌を抑制。また、60度のサウナに15分入ることで体温を上げ、停滞している体の機能を取り戻す。自律神経の機能を刺激する。

入院から1週間、昼夜逆転していたミナミさんの睡眠リズムはふつうのリズムに近づいてきた。「早く退院して、勉強も追いついて、ちゃんと学校に行けるようにしたいです」。

病院に治療は睡眠リズムをただすだけではなく、再びリズムを崩さないよう、自分のからだとどう向き合っていくか話し合う。

これまで将来のことは考えられなかったミナミさん。医師と話し合ううちに方向性が見えてきた。

三池輝久先生「家族も本人も原因が見えてくると変わる。これまで学校なんてどうでもいいと言っていた子が必ず学校に戻りたいという。学校嫌いではない。入院生活により脳の機能をとりもどし、考えがまとまる。時間をかけてじっくりやっていくと、睡眠障害は治ると思う。早くしようとすると、真面目な子たちなので、頑張りすぎて問題が起こる。

「子供の時に睡眠リズムが乱れると、将来的に糖尿病やガンなど成人病に関係してくるのではないかという不安は持っている。睡眠表を二週間つけて、土日休日に長い間起きてこない、学校から帰ってすぐ寝てしまう、などがあれば、睡眠の不足がある。予防することが大事。

「子どもの睡眠は脳がものすごい勢いで発達していくのを支えている。大人は完成した脳の話。子どもの睡眠と大人の睡眠はまったく別のもの」。

 ■以下感想

概日リズム睡眠障害とスマートフォンの関係という、最近の話題に終始するのかと思いましたが、しっかりと小児慢性疲労症候群(CCFS)の名前が出て、過度の勉強や部活による発症についても扱われてよかったです。知っている先生方の顔も見れてよかったです。

概日リズム睡眠障害についても、サトシくんの睡眠記録は、典型的な非24時間型で、ミナミさんの睡眠記録は睡眠相後退症候群でした。どちらも扱われていたのはバランスがよかったと思います。

再放送は10/9木13:05から。また反響編が10/29に予定されています。

それにしても…番組の反響が気になって、Googleの期間指定検索とTopsyで調べてみましたが、個人ブログでもTwitterでも驚くほど反響がなかったですね。ブログもTwitterも数件でした。番組内容を文字起こししているところも一件だけで…。一番騒いでいたのは間違いなくこのブログですね笑

このブログでは、小児慢性疲労症候群(CCFS)について詳しく扱っています。詳しくは以下の特集ページをご覧ください。

その不登校ーもしかして小児慢性疲労症候群?| いつも空が見えるから

小児慢性疲労症候群(CCFS)について詳しくは、以下の三池先生の著書にも書かれています

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