任天堂が「疲労と睡眠の見える化」に挑戦―渡辺先生や倉恒先生と協力!

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天堂(ニンテンドー)が2015年から開始するQOL事業で、疲労の専門医である、渡辺恭良先生、倉恒弘彦先生、田島世貴先生らと協力するするそうです。「疲労と睡眠の見える化」をテーマに「Five “Non” Sensing」を実現した自動計測のシステムを開発したとのことです。

疲労科学の専門家と協力

健康を意識したQOL事業の第一弾は、「睡眠と疲労」がテーマだそうです。長文を引用しますが、社長説明のページに次のように書かれています。

2014年10月30日(木)経営方針説明会 / 第2四半期決算説明会

疲労というのは、医学の世界では未病の段階であるため、これまで必ずしも研究が順調には進んでこなかった分野であるそうなのですが、疲労科学の分野で最先端の研究をされている専門家の先生方とご縁ができ、疲労状態推定技術を共同開発中です。

渡辺恭良(わたなべ やすよし)先生は、健康に関して幅広い分野に精通されている先生で、疲労科学において世界的に著名な方です。

渡辺先生からは、「疲労度の高精度簡易計測は、現代人にとって非常に有意義な生体状況の自己把握であり、これを指標に用いてより高い生活の質(QOL)向上に活用できると考えています。

世界初の製品の実現に向けて関係者協力して進めています。」とのコメントをいただいています。

倉恒弘彦(くらつね ひろひこ)先生、田島世貴(たじま せいき)先生と共に進めておられる疲労科学の最先端の研究成果を、任天堂のQOLプラットフォームでの疲労状態の見える化に活用していただけることになっています。

 

渡辺恭良先生については、以前に「夢の扉」で特集された内容がわかりやすいので、以下の記事をご覧ください。世界に先駆けて疲労度計を開発された方です。

【9/1】夢の扉+「疲労大国ニッポンを救いたい」 視聴メモ| いつも空が見えるから

 

倉恒弘彦先生(大阪市立大学医学部附属病院 疲労クリニカルセンター)と田島世貴先生は(兵庫県立リハビリテーション中央病院 子どもの睡眠と発達医療センター)は大人と子供の慢性疲労症候群(CFS)の専門医として名前を知られています。

慢性疲労症候群(CFS)を診察できる病院を探すなら| いつも空が見えるから

 
 

ポイントはFive “Non” Sensing

任天堂がQOL事業に参入したのは、娯楽の定義を「人々のQOL~Quality of Lifeですから直訳すれば生活の質です~を楽しく向上させるもの」と再定義したからだそうです。

睡眠や疲労の見える化に関しては、これまで、継続が難しい商品ばかりだったので、決定的なものが登場していなかったと考えているそうです。

この問題を根本的に解決するのが「Five “Non” Sensing」という考え方です。

Non-Wearable…何かを身につける必要がない

Non-Contact…身体に触れる必要がない

Non-Operating…操作の必要がない

Non-Waiting…測定を待つ必要がない

Non-Installation Efforts…設置の手間が不要である

アメリカに本社があるResMedとの提携で、これらの技術の目処がついたので、睡眠状態を自動計測し、睡眠と疲労を見える化するというのが、任天堂のQOL事業第1弾のコンセプトになったとされています。

ResMedは、睡眠呼吸障害、COPD(慢性閉塞性肺疾患)および他の慢性病の治療、診断および管理のための医療機器を開発・製造・販売している企業だそうです。

こうして作られたQOLセンサーは、寝る場所のそばに置いて、毎日普通に眠るだけで、そのデータが、QOLクラウドサーバー群に送られ、分析・評価されるといいます。

プラットフォームとしては、スマートデバイスやビデオゲーム専用機を幅広く活用するとのことです。

ニンテンドーが疲労や睡眠というと、意外に聞こえるかもしれませんが、2009年にもWiiバイタリティセンサーという、ゲーム機にとりつける加速度脈波計を発表していました。

さらにそれ以前にも、NINTENDO64バイオセンサーという心拍を測る周辺機器を出しています。

有名なWii Fitでは、健康志向のゲームを開発しました。脳トレでは、リラックスするゲームというのも作っていました。今回の計画もそれらの延長線上にあるといえるかもしれません。

『Five “Non” Sensingにより、誰もが容易に取り組めるようにして、娯楽企業の「おもてなし」と「続けられる」ノウハウにより、毎日楽しく続けられるようにすることで、結果的にQOLが向上していくサイクルを生み出す』ことを目指していると書かれています。

 

このQOLセンサーですが、単純に便利なので、ほしいですね。 わたしは今でも毎日睡眠時間をつけているんですが、睡眠潜時とか中途覚醒とかはわかりません。記録をつけ忘れるときもあります。スマートフォンなどで振動機能から測るアプリも正確さはどうかなあと思いますし…。

そんなとき、勝手に計測して、勝手に記録して、しかも自分がつけるより正確なデータが取れるのは、ありがたいなあと思います。

ほかのサイトの情報で知ったのですが、すでにこ似たような製品は市場に出ているそうです。オムロンの製品は任天堂のやろうとしていることにとても近いですね。こちらも睡眠の専門家が制作協力しているようですが、仕組みは異なる可能性が。

しかし、ニンテンドーの取り組みは、世界有数の娯楽産業であり、製品の扱いやすさの研究に取り組んできたニンテンドーと、世界最先端の研究として知られる日本の疲労研究がタッグを組んだことが面白いと思っています。

疲労と睡眠の見える化は、慢性疲労症候群(CFS)の研究とも深く関わって発展してきた技術です。疲労大国ニッポンといわれる今日の社会にとって、潜在的需要の大きい技術だと思いますが、こうして任天堂という大企業と提携することによって、身近なものとなるのではないか、と期待が深まります。

▼2016/2追記
残念ながら製品として発売できるレベルに達していない状態のため、予定どおりに発売できないとのこと。

任天堂、QOL端末の発売を延期、断念する可能性も。君島社長「任天堂の製品として出すレベルにない」 | t011.org

 

▼2016/5追記
任天堂の定款に医療機器の販売が追加されたので、継続して開発が進められているものと思われます。

任天堂、定款を一部変更へ。事業目的に「医療機器、健康機器の開発・製造・販売」などが追記 | t011.org

 
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