甲田先生の「白砂糖の害は恐ろしい」―白砂糖が使う魔法から逃れよう!


「このあま~い塊を口に入れてごらん。おまえの心はたちまちうきうきし、辛いことなどすっかり忘れてしまうだろう…」

sirozatou

怪しい魔法使いにそうもちかけられたら、あなたはどうしますか?  きっと警戒心をあらわにするでしょう。おいしい話には裏があるものです。

ところが、今この現実の世の中で、多くの人は文字通りの「おいしい話」に何の疑念も抱かずに食らいついています。その文字通りの「おいしい話」とはなんでしょうか。

それは白砂糖、ことに白砂糖が使われているあらゆる食べ物のことです。この一連のエントリでは、わたしが書籍白砂糖の害は恐ろしい―これを防ぐためにを読んで学んだことをまとめたいと思います。

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甘いもの大好き!

「甘いモノをやめるだって? そんな無茶な…」。甲田療法の食事をはじめるときに、そう思う人は少なくありません。わたしもその一人でした。お酒は飲んだことがなく、根っからの甘党です。甲田療法を決意した今も、甘いモノを食べたいという絶えざる誘惑に悩まされ、時々屈してしまっています。

しかし、わたしたち、ことさら病気の人にとって、白砂糖の呪縛から逃れるのは、何をおいても優先すべきことです。なぜなら、白砂糖は、病気の症状と深く関係しているからです。

白砂糖は、まさに魔法使いのように、人々を惑わし、呪いをかけています。白砂糖という魔法使いはどんな魔法を使うのでしょうか、どのように害を及ぼすのでしょうか。どう対処できるのでしょうか。この3つの点を順に見ていきましょう。

どんな魔法を使うのか

白砂糖は、ただの調味料ではありません。あらゆる国で、あらゆる料理に使われています。それは、白砂糖がまさに魔法のような特性を持っているからです。

◆溶解性 p20
白砂糖は、驚くほど水に溶けます。沸騰点では20℃の5倍もの砂糖が水に溶けます。そのため、一杯のソフトドリンクを飲むだけでも、知らないうちに恐ろしい量の砂糖を摂ってしまいます

◆保水性 p21
質の良いカステラや大福餅がパサパサにならないのはなぜでしょうか。それは水分を溜め込む能力を持つ白砂糖がたっぷり使われているためです。人工甘味料にはこのような保水性はないので、安物のお菓子でははっきりした違いが生じます。

◆防腐性 p23
白砂糖に保水性があるのは、浸透圧によって周りから水分を吸い取るからです。微生物も例外ではなく、白砂糖に触れると水分を吸い取られて死んでしまいます。そのため、砂糖漬けにしておくと食材は長持ちします。しかも塩漬けと違い、おいしく食べられます。

◆味 p24
砂糖は、他の食材の味を和らげてまろやかにします。そのため、質の悪い材料を使っても、砂糖さえ大量に使えば、味をごまかすことができます。

◆色と香り p25
こんがりしたきつね色のお菓子やタレを見ると、つい食欲がそそられるものです。しかしそれも砂糖のトリックです。砂糖は食品のタンパク質と結びついて、おいしそうな色と香りを生み出します。

このように、砂糖はまるで魔法をかけるように、さまざまな食品を見違えさせてしまいます。白砂糖は食べ物の中に恐ろしいほど溶け込むだけではなく、食べ物をしっとりさせ、腐らせず、味と色と香りを演出し、いかにも魅力的に見せかけるのです。

それで、このようなことが生じています。

「少しでも多く儲ければいい」というような、利益追求を第一義とするこれら商人達にとってみれば、甘い砂糖菓子を食って子供たちが歯を痛めようが、胃腸を悪くしようが、そんなことにはかまっておられない。…一個のケーキ、ガム、チョコ、まんじゅうがよけい売れたらよいのである。p176

白砂糖は、魔法を使うがゆえに、どれほど有害だと証明されても、市場から決して無くならないのです。

しかし、白砂糖がつくろうのは上辺だけに過ぎません。ひとたび口の中に入ると、実に破壊的な害をもたらします。具体的にはどのような害をもたらすのでしょうか。

白砂糖がもたらす5つの害

ファンタジーの世界に出てくる魔法使いは、さまざまな魔法を駆使して、あらゆる害をもたらすものです。白砂糖も、あらゆる病害の元凶ともいえるような存在です。以下を読んでいただければ、その害がいかに広範に及ぶかが分かるでしょう。

カルシウムを奪う p38

砂糖は酸性食品です。大量に食べてしまうと、血液を酸性に傾け、アチドージスという状態を引き起こします。すると、体内の予備アルカリであるカルシウムが、中和させるために動員されます。甘いモノを食べるとカルシウムが欠乏し、骨粗鬆症や虫歯、精神の乱れに直結するのです。

ビタミンB1を奪う p40

砂糖は体内で単糖類に分解され、エネルギーを生み出すクエン酸サイクルという分解過程に用いられます。そのとき、体内のビタミンB1が使用されます。中でも果糖はブドウ糖の50倍ものビタミンB1を消費します。ビタミンB1が欠乏すると、全身倦怠感に悩まされます。

肝臓を弱らせる p42

砂糖を過食すると、上記のように、大量のカルシウムやビタミンB1を用いて処理しなければなりません。これは不調和な栄養状態です。この不調和を解消する臓器は肝臓です。肝臓に負担がかかると、どうなるのでしょうか。思考は鈍くなり、イライラします、体温調節ができなくなり、だるさがぬけません。甲田先生は、この状態を鈍重肝臓と名づけています。

食後、胃の右上が張ったり、ふだん寝転ぶとき右脇腹を下にする習慣があったリ、口臭や舌苔が目立ったりしているなら、肝臓が弱っている恐れがあります。

胃腸を弱らせる p49

おなかが空いているときに砂糖水を一杯飲むと、とたんに空腹が収まるのはなぜでしょうか。レントゲンで見ると、胃腸の蠕動運動が弱まっているのだそうです。しかも濃い砂糖水は、胃腸内で消化するのにひときわ時間がかかります。

もしミゾオチのあたりでチャプチャプ音がしたり、爪の半月が5本の指すべてに現れていなかったりするなら、胃腸の働きが弱っている証拠です。

血管を弱らせる p58

白砂糖は、最終的には単糖類に分解されますが、すべてがすぐに分解されるわけではありません。砂糖の小さな粒子のまま吸収され、しばらく血管内を行きめぐります。すると、血小板の粘り気が高まり、動脈硬化や心筋梗塞を起こしやすくなります。

また、白砂糖はグローミュー(副血行路)も衰えさせます。グローミューとは、毛細管に入る前に血液同士をつないでいるバイパスのことです。たとえば寒さで指先の毛細血管がかじかんでも、グローミューがあるので血液は何事もなく循環します。しかし、このグローミューが弱ると、血は毛細血管に滞り、ひどい場合には、毛細血管が破れて、脳出血などにつながります。

ここに挙げたのは、本書に挙げられている害の一部分に過ぎません。それでも、いかに破壊的であるかがよく分かるでしょう。甲田療法では、慢性疲労症候群(CFS)は一般に腎臓の障害(鈍重腎臓)とされていますが、かなりの場合、鈍重肝臓も引き起こしているそうです。

この「鈍重○○」というのは、血液検査の異常には出ないものの、激しい負担がかかっている状態のことを言います。ちょうど魔法使いが自らの姿をくらませて害をもたらすように、影響が数値にに出てこないとしても驚くにはあたりません。

魔法使いの討伐を、惑わされている政府に期待することはできません。魔法使いの害から自分を救うのは、あなた自身の役割です。では、どうすればこの邪悪な魔法使いに打ち勝つことができるのでしょうか。

を整える

そのありとあらゆる害を見るにつけ、白砂糖を食卓から追放したい、と感じますが、それは簡単ではありません。魔法が人を魅惑するように、白砂糖には依存性があるからです。

まず、しっかりとした心構えを持つことが不可欠です。甲田先生は、幾つかの方法を説明しておられます。

生涯の目標を持つ p170

「健康になる」ということ以外にも、りっぱな目標を持つことは助けになります。目標がないのは、行き先が定まらない車に乗っているようなものです。崇高な目標があって初めて、まず自分を変えようという決意が強まります。目標を明確にしておくことの大切さは、以下のエントリでも触れています。

本能をそらす p127

甘いモノを断とうと真っ向から勝負をかけるのではなく、工夫するべきです。たとえば、関心のあることに没頭するなら、誘惑に屈しにくくなります。

塩の摂り方を工夫する p85

精神主義だけで、何が何でもやめようと努力したところで、うまくいく可能性は乏しいでしょう。肉体面からのアプローチも必要です。それは、塩の摂り方を工夫する、ということです。

わたしたちの血液は、0.85%の生理的食塩濃度を保っているのがふつうです。これ以上低下すると細菌が繁殖しやすくなり、防腐性のあるものを欲するようになります。砂糖や塩、アルコールです。このとき、本来は塩を摂るべきなのですが、砂糖やアルコールで代用した結果、中毒になってしまうのです。

それで、甘いモノを食べたいと感じたときは、塩分補給に気を使う必要があります。しばしば塩分を制限するよう言われますが、塩分に含まれるナトリウムは、生体に不可欠なものなので、高血圧の人以外が塩分を控えるのは望ましくありません。さらに高血圧も、砂糖の過食から生じている場合があることがp55で説明されています。

さらに、3週間に一度塩断ちをすることも効果的です。そうすれば塩分が過剰なら排泄され、足りないなら吸収力が高まるからです。

一時的な悪化に注意する

体液が変化するときに、一時的に甘いモノへの欲求が高まる時があります

それまでずっと糖分漬けだった体液が、塩漬けに変わる過渡期には、一時たまらないほど甘いものが欲しくなるが、その時にぐっとこらえて、ここが辛抱のしどころだと頑張れば、後はスーッと楽になり、「なんだ、今まであれほど甘いものが欲しかったのに、なんだか急に変わってきたではないか」と思うようになってくる p134

一時的に悪化することを予期して、辛抱することが肝心です。

あなたも白砂糖に打ち勝てる

白砂糖の魔力は恐ろしいものです。しかし、もし病気と闘って、それを克服したいなら、白砂糖の誘惑に打ち勝つほかありません。どんなに苦しくても、ほかに道はないのです。

ここに挙げた方法は、白砂糖という魔法使いと首尾よく闘うための装備であるといえるでしょう。ぜひとも武器をとって、魔法をはねのけ、呪縛から逃れましょう。白砂糖という魔法使いから解放される日には、あなたの体調もよくなり、平和な日々が訪れるに違いありません。

この書籍白砂糖の害は恐ろしい―これを防ぐためにには、甲田先生自身の非常に詳しい体験記も載せられています。禁煙するより、甘いものをやめるほうが比較にならないほど大変だった、というその内容は、類書とは一線を画す詳細な内容なので、ぜひご自身でお読みください。

最後に、甲田先生の力強いこの言葉を引用して締めくくりたいと思います。

幾度の失敗にも懲りず、戦い続けているうちに、ついに大きな転機がやってきたのだ。自分では解らないけれども、もうだめかと思っているときが実は夜明け前であったということを後で知ることがある。自分が苦しみもがいているうちに、すでに夜明けがそこまで訪れていたのである。

だから、何事でもそうだが、最後まで決して投げ出してはならないと思う。自分が何かに一念を込めて、それを成就しようと願い続けてゆくならば、いつかは必ず成就するものだということを胸中に叩きこんでおくが良い p163

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西式甲田療法とは