カタクリの花に学ぶー粘り強く継続することの大切さ

120726カタクリの妖精。そんなメルヘンチックな名前で呼ばれる花があります。妖精という愛称に違わず、こじんまりと咲き、ほのかな赤紫に色づく、とても奥ゆかしい花です。しかし、実は何年もの歳月をかけて、ようやく花開く、相当な努力家でもあります。

その花の名前をご存じですか。だれもが聞いたことのある名前、しかしあまり花と結びつけて考えることのない名前でしょう。その花の名はカタクリです。

カタクリの独特なライフスタイルは、粘り強く努力することの大切さをわたしたちに教えてくれます。このエントリでは、カタクリの花の知られざる生き方と、そこから学べる教訓をご紹介したいと思います。

春の妖精たち―スプリング・エフェメラル (たくさんのふしぎ傑作集)

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8年目に花開く

毎年、4月ごろになると、カタクリの開花が、ニュース番組の終わりに、季節の便りとして紹介されます。みなさんは、カタクリの花が、どのようにして咲くのかご存じですか。カタクリは、すくすく成長してあっという間に咲くような、強健な花ではありません。

カタクリは、一風変わった、独特のライフスタイルで知られています。カタクリは毎年、他の植物よりも早く起きて、新春の早い時期に2ヶ月だけ芽をだし、一年分光合成します。ところが、ほかの植物の芽がでるころには枯れてしまいます。残りの10ヶ月を土の中で過ごすのです。

カタクリは、毎年毎年、コツコツと、そのささやかな習慣を続けます。少しずつ葉を増やしつつ、芽を出し続けます。そして、8年目、ついにカタクリは花開くことができるのです。遅いように感じるかもしれませんが、栄養を蓄えた根っこは片栗粉にもなるほど有用ですし、一度花をつけたなら、それからは毎年毎年花を咲かせます。  カタクリ

こうしたライフサイクルを送る植物を総称して「スプリング・エフェメラル」というそうです。はじめに紹介した「春の妖精」というのは、この英語を詩的に翻訳した通称です。

「スプリング・エフェメラル」を正確に直訳すると「春のはかないもの」という意味になります。このephemeralという英語は、一般的に「はかなさ」を表すemptyとは異なり、「はかないけれど美しい」という積極的な意味合いを持っています。まさに、この名前はカタクリの花にぴったりだと思われませんか。こつこつとした努力は、はじめははかなく思えるかもしれません。しかし、後には、慎ましくも美しい花を咲かせる力になるのです。

努力を続けあきらめない

わたしたちがこの奥ゆかしい花から学べることは何でしょうか。

カタクリの場合と同様、わたしたちも、ぜひ花を咲かせるべく、日々それぞれの目標に向かって奮闘しています。ときにはカタクリが早春に目ざめるように、他の人がまだ寝ているような時間帯に、思い切って時間を買い取り、人知れぬ努力を続けているかもしれません。

けれども、はじめはきっと、努力がはかなく思えることがあるでしょう。カタクリはなかなか花をつけられず、毎年のように色とりどりの花を咲かせている夏の草花には及びません。あなたも、努力がなかなか実らないとき、成功しているように思える他の人が羨ましくなってしまうことがありますか?

そのようなとき、ぜひ粘り強く努力を続け、あきらめないでください。カタクリは、幾年も幾年も、ただ葉を出しては枯れているだけに思えるかもしれません。ところが、その努力は無駄ではなく、必要な栄養が根に蓄えられています。同じように、あなたの努力も目に見えないかもしれません。しかし、心の中に必ず力を蓄え、きたるべき日に向けて、強固な根を張り巡らしていることでしょう。

カタクリは、7年目についに花開き、道行く人の目を楽しませ、春の訪れを告げてくれます。あなたのたゆまぬ努力も、近い将来、きっと実を結ぶに違いありません。どんな目標をかかげる場合でも、挫けそうになったら、ぜひこの慎ましやかな「春の妖精」のことを思い出してください。粘り強く努力をつづけるなら、あなたは必ず、可憐な花で身を飾り、自分自身と周りの人を喜ばせることができるのです。

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自己コントロール / 自然界から学ぶ