鈍重腎臓や慢性疲労症候群を引き起こす足首の故障とは


西式甲田療法のやり方について分かりやすく解説するシリーズ。今回は、先回取り上げた毛管運動と関わりの深い足首の故障について取り上げます。この点について知ることは、慢性疲労症候群の人にとって特に大切です。

▼シリーズ記事「西式甲田療法とは」
この記事は、シリーズ記事「西式甲田療法とは」のひとつです。CFSに効果があるとされる西式甲田療法についてまとめています。

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慢性疲労症候群と鈍重腎臓

はてなブックマーク - 足首の怪我と慢性疲労症候群の深い関わり | いつも空が見えるから疲労症候群(CFS)の患者は、甲田先生がいう鈍重腎臓と言われています。これは腎臓に異常があるが表面化していない状態のことです。そして、腎臓の異常は、足首の怪我をもとに生じる場合があることが知られています。

いささか飛躍した話のように聞こえますが、慢性疲労症候群の患者が東洋医学系の医者にかかると、たいてい腎疲腎虚という言葉が出てきます。

また、足首の故障によく効く毛管運動が慢性疲労症候群治療に効果的だという症例もあるそうです。慢性疲労症候群(CFS)のメカニズムすべてを説明するものではありませんが、この全身に及ぶ複雑な病態の一端に、腎臓がかかわっていることは十分ありうるでしょう。

誤解の無いように断っておくと、甲田先生の意見では、足首の怪我は、慢性疲労症候群の絶対的な原因ではありません。原因の一つになっていると思われる患者が多数いる、ということにすぎません。

甲田先生は著書を拝見する限り、慢性疲労症候群の原因について、ウイルス説や遺伝子説をかかげる一般的な論文もよく読んでおられたようです。

そして、慢性疲労症候群は、生活習慣全体が起因する複雑な疾患であることも認めておられます。足首を治せばすべて治るかのように書いてはおられません。

わたしが甲田療法を実践してみようと思った理由の一つは、こうした謙虚な姿勢に強引さを感じなかったからです。

足の故障とは何か

足先に関わる異常にはいろいろ種類があります。以下が、その代表例です。

◆アキレス腱を摘むと痛い→アルバート氏病(アキレス腱の炎症)
◆足首が痛む→ソーレル氏病。アルバート氏病と同じ側によく見られる
◆足の親指の付け根が痛む→モルトン氏病。アルバート氏病、ソーレル氏病とは反対側に見られる。

特に慢性疲労症候群(CFS)の人の場合、ソーレル氏病が見られる確率が高いと言われています。

書籍慢性疲労症候群克服への道によると、はじめは足首の故障がわからなかった患者の場合でも、食事制限を続けているうちに足首の痛みが顕在化したケースがありました。たとえ異常を感じないとしても、足首の故障が症状と関係している可能性は十分あります。

最初は自覚がありませんでしたが、治療されていくにしたがって、左足首がシクシク痛み、積年の甘食の禍毒を実感しました。p145

私の場合、中学生の頃から症状を呈していた右足首関節痛(ソーレル氏部位痛)がこれでもか、これでもかとしつく、入院中に出てきました。特にすまし汁断食中は痛みが強く、シップをしなければいけないくらいでした。p179

また、足首の故障が顕著な慢性疲労症候群の体験談では、元気なころバスケットボールに夢中になっていた、というケースがいくつか見られます。わたしの場合も、故障の直接ではありませんが、バスケットはかなり好きなスポーツでした。

足首の故障が肝臓に及ぼす影響

甲田療法では、鈍重腎臓とは別に鈍重肝臓と呼ばれる病態についても言及しています。鈍重肝臓については以下のエントリで簡単に触れました。

甲田先生の「心身症克服のコツ 慢性疲労症候群も治る」。心身症は心の問題ではない

甲田先生の「白砂糖の害は恐ろしい」―白砂糖が使う魔法から逃れよう!

足首の故障が肝臓と関係するのは、このページ最初に載せた挿絵のように、故障がジグザグに全身に伝播するからです。最新の科学の知見では、人体は複雑な建造物に例えられることがよくあります。ちょうど吊り橋の場合に、人体でも圧力がジグザグに伝播するそうです。具体的には、以下のように症状が伝わります。

右モルトン氏病→左ソーレル氏病(+左アルバート氏病)→右膝関節炎→便秘→肝臓の異常→(左下胸)→(右胸)→左肩痛→右扁桃腺炎→左偏頭痛

左モルトン氏病の場合は、便秘の代わりに盲腸炎が、肝臓の代わりに脾臓の問題が生じます。しかし、慢性疲労症候群(CFS)の人の場合、わたしと同様、左ソーレル氏病が多いようです。

このようにして足首の故障が肝臓に伝播すると、易疲労症状や、腹部膨満感、イライラするなどの精神症状が慢性化した状態を引き起こします。これが、いわゆる鈍重肝臓です。

足の故障が腎臓に及ぼす影響

足首の故障は、別の経路により、腎臓にも影響を及ぼします。

書籍慢性疲労症候群克服への道心身症治療のコツ―慢性疲労症候群も治るには、Jesep Truetaによる研究が紹介されています。それによると、第二次世界大戦中、足の負傷から腎臓病にかかる人が続出しました。

それを受けて、ウサギで実験したところ、足を縛ると腎臓に機能障害が生じることが確認されました。腎臓が弱ると、血液の浄化が滞ります。全身の細胞は、浄化されていない血液を拒むため、血液循環が悪くなり、全身に問題が現れるようです。

腎臓の機能異常である鈍重腎臓は、慢性疲労症候群の病態と似通っていて、全身の疲労感や鈍痛を引き起こします。足首の故障は、慢性疲労症候群と分類されている症状のうち、かなりの部分の引き金となっている可能性があるのです。

足首の故障を治すには

足首の故障を治す方法として提唱されているのは、以下の2つです。

◆正しい食生活
足は全身の体重を支えているので、強靭でないと異常を生じやすい箇所です。正しい食生活により、栄養が行き渡ることが必要です。

もちろん、この正しい食生活は、栄養分豊かなものを十分食べることではなく、少食を守ることです。どんな良い物も大食してしまうと過剰になり、処理が追いつかずに腐敗し、消化吸収機能を衰えさせます。また、玄米菜食により、圧力に強い柔軟な筋肉が形成されます。

甲田療法の食事について詳しくは、玄米を主食にする効果、生菜食の紹介をご覧ください。

◆毛管運動
毛管運動は、手足を心臓より上に上げて微振動させるため、手足の筋肉が鍛えられ、血液を引き上げるポンプとしての能力が強化されます。滞っていた血液が循環するため、栄養が行きわたり、故障の治癒が早まります。また、再び故障しにくい強靭な足腰を作るのにも役立ちます。

毛管運動について詳しくは毛管運動の方法をご覧ください。

気をつける点

◆足の故障がある場合、ウォーキングやジョギング、登山など、足を使う運動は禁物です。慢性疲労症候群にはウォーキングがよいとしばしば勧められるので゜ご注意ください。ウォーキングをしなくても、西式健康法の運動だけで、十分な効果が見込めます。

◆足首の故障を悪化させないため、毛管運動中は、足枠で足を固定するよう勧められています。足枠は少食健康生活サポートセンターさくらで購入できます。足枠は市販のズボン用ゴムなどで足に固定して使用します。

残念ながら、今のところ慢性疲労症候群のメカニズムは十分解明されておらず、治療法も限られています。その中で、足首の故障を治すことは比較的簡単にできる対症療法なので、ぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか。

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西式甲田療法とは