CFSについてわかりやすく説明するためにできること


日、初めて出会ったある方とこんな会話をしました。

120802説明する相手「杖をついてはりますけど、足が悪いんですか?」

わたし「あぁ、杖をついているとそう思われますよね。気遣ってくださってありがとうございます。じつは、足が悪いというより、全身の病気を持っているんです」

相手「はぁ、」

わたし「慢性疲労症候群、っていう病気なんですが、ご存じですか?」

相手「んー、聞いたことあるような気がしますね。やっぱり全身が疲れるとかですか?」

慢性疲労症候群を患っておられる方であれば、今まで一度ならず、このような状況に直面したことがおありでしょう。みなさんなら、こんなときどう答えますか?

慢性疲労症候群という病気について、知らない人に分かりやすく説明することはかなり困難です。しかしそこでしっかり説明できるかどうかによって、良き理解者を得られるかどうかが左右されます。ですから、慢性疲労症候群の患者が、適切なコミュニケーション・テクニックを身に付けることは非常に大切です。これはわたしにとっても目下の大きな課題です。

それで、このエントリでは、この病気について分かりやすく説明する話し方を探っていきたいと思います。

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「慢性疲労症候群」 誤解のもと? それとも理解の助け?

慢性疲労症候群(CFS)に疲労に首尾よく対処するうえで、自分の体調を分かりやすく説明することは欠かすことができません。東京慈恵会医科大学 精神医学講座の山寺亘教授たちは、「慢性疲労に対する有効な対処法」の一つとして、「医療関係者・家族・友人などに対して、適切な自己主張や病気の説明をする」ことを挙げています。

しかし、最初に障害となるのは、わたしたちの病名そのものです。最初の会話例に取り上げたように、慢性疲労症候群という病名を告げると、「疲れているの?」と誤解されがちです。

なぜわたしたちが病名を告げると、誤解されるのでしょうか。それは「慢性疲労症候群」という病名がたいへんあいまいだからです。だれでもイメージできる反面、「慢性」、「疲労」、「症候群」、この三つの単語のどれをとっても、とても意味の広い言葉です。患者会の方たちが、病名変更を求めるのもうなずけます。

しかし、わたしは「慢性疲労症候群」という病名が生んでいる弊害があると同時にこの病名のメリットもあると思っています。このブログでは、公の病名変更があるまでは「慢性疲労症候群」という名前を用いるつもりです。

「慢性疲労症候群」は会話の糸口

わたしはメリットとして挙げたのはイメージしやすい病名だからこそ、会話のきっかけを作れる、ということもある」ということです。「慢性疲労症候群」という病名は、あやふやなために多種多様に解釈されて誤解を生みがちですが、あやふやだからこそ、だれもが覚えやすく、興味を持ちやすい病名にもなっています。

誤解されやすい、ということは同時に、正しいかどうかはともかくとしてイメージしやすい、ということでもあります。この病名は、会話を膨らませやすいのです。

「慢性疲労症候群」と口にすると、相手はさまざまな反応をします。「いつも疲れてるってこと?」「疲れやすいの?」と尋ねてくる人もいれば、「わたしだって疲れている!」とつっけんどんに言い放つ人もいるでしょう。こうした反応を厄介だ、と感じる前にこう考えてみてください。どういう形であれ、相手が反応してくれて、コミュニケーションの糸口ができたのだ、と。

「慢性疲労症候群」この名前を活用する

もちろん、わたしたち慢性疲労症候群の患者にとって、コミュニケーションは簡単ではありません。わたしは、できるなら何も喋りたくない、というときがよくあります。思考は靄がかかっていますし、会話は非常に疲れるからです。最新の脳科学によると、会話ほど脳を酷使する活動はありませんから、脳機能異常が原因とされているわたしたちCFS患者にとって辛いのは当然です。

ですが「慢性疲労症候群」は適切な病名?に書いたように、たとえ適切な病名がつけられたとしても、自分の症状を自分で的確に説明する能力は必要でしょう。適切な病名が与えられるに越したことはありませんが、今のところ、わたしたちの胸についているのは「慢性疲労症候群」という名札です。

そうであれば、いつか春が来て、新しいクラスになるまでは、「慢性疲労症候群」という名前の持つ力を最大限に活用したいと思います。その力こそ、コミュニケーションの糸口を作りやすい、というものなのです。そもそも会話はきっかけを作るのが難しいので、これは考えようによってはすばらしい特徴です。

書籍朝起きられない子の意外な病気のp172に次のような話があります。

先日、同じ年齢の子どもを持つ取引先の方と飲む機会があったのですが、「お子さん、どこの高校?」という話になって。「通信制です」と答えると、「なんで?」。

起立性調節障害であることを語ると、「それって、確か、心の病ですよね。最近、こころの弱い子どもが多いからなぁ」。

カチンときたけど、「いや、そうではなく、小児科で診てもらえる病気なんですよ」と詳しくこの病気の詳細を説明すると、「うちの子どもだってかかる可能性があるんだ……ありがとうございます、教えてくださって。勉強になりました」。

この話は、起立性調節障害という病名もまた、誤解や偏見にさらされることを物語っています。しかし会話のきっかけにはなったので、「カチンときたけど」「詳しくこの病気の詳細を説明する」ことで、正しい理解が得られました。続きにはこうあります。

へんに隠すのではなく、聞かれたら堂々と説明する。これが、偏見を拭い、病気を持つ子どもがのびのびと生きていくためにも、すごく大事なことだと実感しました。

あらゆることが困難で、考える気力さえない慢性疲労症候群(CFS)の患者にとって、病気について説明するのは決して簡単なことではありません。しかし適切な言葉で説明することは、闘病においてとても大切です。同書p127では、その理由についてこう書かれています。

何事もそうですが、どんなに説明したところで、伝わらないこともあるでしょう。一方で、少し説明すれば、強い味方になってくれる人もいる。

わたしたち病気の患者を支えてくれるのは主に、身近にいる家族や友人、地域の人たちです。会話につながりやすいというこの病名の特徴を活かしつつ、自分の症状を的確に伝えるにはどうすればいいでしょうか。

次のエントリでは見た目は元気そうに見えるという、CFSの独特の問題に対処する方法を取り上げます。

見た目は元気そうだから。慢性疲労症候群(CFS)独特な問題
慢性疲労症候群(CFS)には見た目は元気そうに見えるという独特な問題がつきまといます。どうしてそのように見えるのでしょうか。その影響はどれほど深刻ですか。どのように対処すればよいで
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