体力を節約するのに役立つ5つの知恵 ―慢性疲労症候群(CFS)をかきわけて進むために

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120820サケ卵期のサケが激流をものともせずに川をさかのぼることができるのはどうしてでしょうか。

サケの川登りは、昔から不屈の象徴とされてきました。どんな困難も、根性があれば乗り越えることができるというわけです。

ところが最近の研究から、サケは決して、力任せに川をさかのぼっているわけではないことが明らかになりました。研究によると、サケは水流の抵抗をうまくそらして、極力疲れないように賢く泳いでいるそうです。

ですから、サケから学べる教訓は、不屈の根性というより、知恵を用いて困難に対処することの大切さです。これはわたしたち慢性疲労症候群(CFS)患者にとっても大切な考え方です。

このエントリでは、知恵を用いて体力を節約する5つのテクニックを紹介しましょう。

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体力を節約するのに役立つ5つの知恵

慢性疲労症候群(CFS)は、エネルギーの障害であると言われています。ミトコンドリアの機能低下やアデノシン三リン酸の産生低下が見られるからです。

慢性疲労症候群のもとでも、生産的な毎日を送り、目標を達成するには、知恵を働かせて生活を統御することがどうしても必要です。体力を節約するための、どんな具体的な方法があるでしょうか。

1.To Doリストを作成する

これは自己管理のテクニックとして有名なGTDの最初のステップです。

まずは、頭の中にある気がかりなことをすべて紙に書き出しましょう。書籍はじめてのGTD ストレスフリーの整理術にはこのような言葉が引用されています。

やらなければいけない様々なことが漫然と頭を占領しつづけている。これこそが時間とエネルギーを最も消費しているものの正体だ

―ケリー・グリーソン

これはちょうど、散らかった部屋を片付ける最初のステップと似ています。まずは、大きな箱を用意して、床に散らばっている雑多なものを一つの場所に集めるのです。そうすれば、ひとまず部屋の景観はすっきりし、整理を始めやすくなるでしょう。

わたしは、マインドマップを使って、やるべきことをその都度書き出しています。そうすることで頭の中がごちゃごちゃして何も手につかない、といった事態を避けられるからです。詳しくは以下のエントリもご覧ください。

「うつとよりそう仕事術」が教えてくれる不安撃退3ステップ
書籍「うつ」とよりそう仕事術の書評です。うつ病や慢性疲労症候群という困難な病気のもとでも、健康な人のようなパフォーマンスを発揮するにはどうすればよいか、不安を解消するはじめの3ステ

2.パレートの法則を活用する

パレートの法則は19世紀のイタリアの経済学者、ヴィルフレド・パレートの研究に基づく、とても有名な法則です。「結果の80%は努力の20%によってもたらされる」という経験則で、あらゆる物事に応用できます。

簡単に言うとこうなります。2時間勉強すれば、80点取れるテストがあるとしましょう。しかし残りの20点もとって100点を目指すとなると、あと8時間も勉強しなければならなくなる、ということです。

別の例えでも考えてみましょう。100%完璧なブログ記事を書こうとすると、2時間かかるとします。しかし80%でいいや、と割り切るなら、25分ぐらいで完成する、というわけです。

何事も完璧を目指すと、思いもよらぬ労力がかかります。しかし80%主義でいるなら、完璧を目指す場合に比べ、たった20%、じつに1/5の労力で済むのです。

3.パーキンソンの法則に注意する

パーキンソンの法則は英国の歴史学者・政治学者シリル・ノースコート・パーキンソンが提唱した法則です。「あらかじめ予算を区切っておかなければ破綻する」というもので、以下のようにあらゆる物事に応用されます。

「仕事の量は、時間を決めていないと、いくらでも増え続ける」
「出費は、予算を区切っておかないと、収入いっぱいまで増え続ける」
「データの量は、記憶領域の容量いっぱいまで増え続ける」
「資源に対する需要は、資源が入手可能な限界まで増え続ける」

学べることは何でしょうか。

あらかじめ時間的な予定を立てておかなければ、やることが増えて無駄に疲れてしまう、ということです。

予定を立てることを、窮屈に感じて嫌う人がいますが、予定を立てなければ、より自由がなくなってしまうことを覚えておくべきです。

結局のところ、自分で決めた予定に従わないなら、他の人の意見や自身の欲求といった、自分では制御できないものに縛られることになるのです。

たとえば、ポモドーロテクニックを用いて、25分の作業と、5分の休憩、というサイクルを確立しておくなら、どこまでもやることが増えて、無駄に疲れてしまうのを防げます。

今すぐできる「ポモドーロ・テクニック」あなたを自由にする時間管理術の4つのメリット
「アジャイルな時間管理術ポモドーロテクニック入門」を読んだ書評です。ポモドーロテクニックとは何か、どんなメリットがあるのか解説しています。

4.優先順位を見極める

書籍マイケル・J・フォックスの贈る言葉――未来へ踏みだす君に、伝えたいことには、優先順位を見極めることの意義が、とてもわかりやすい例えで記されています。

どうぞ、ビンに石と砂を詰めているようすを想像してみてください。

まず入れるのは何でしょうか。です。石は、家族や勉強、情熱の傾けられるもの、価値観などとても大切な物を表します。

次に何を入れますか。です。砂は、人生における些細なことを表します。あまり重要でないけれど、しなければいけないこと、こまごまとした作業のことです。

さて、これでビンはいっぱいいっぱいですか? だれもがそう思います。しかしそうではありません。話し手は最後に、缶ビールを注いでこう言います。人生の楽しみは、この最後に入れるビールのようなものなのだと。

ここに及んで、ビンは本当にいっぱいいっぱいに満たされます。

では立ち止まって考えてみてください。もし最初に砂を入れてしまったら、大きな石をビンに詰め込むことはできるでしょうか。あるいは、最初にピールを注いでしまったら、どのようにして石や砂を入れるのでしょうか。

はじめに大切なこと、次にこまごまとした作業を入れてこそ、最後に余裕を持ってレクリエーションを楽しむことができます。優先順位をしっかり守って初めて、すべての要素は、あなたの人生というビンの中にしっかり収まるのです。

慢性疲労症候群(CFS)の患者のビンは、普通の人より小さいわけですから、優先順位を見極めるのはなおのこと大切ではないでしょうか。

5.積極的安静療法を実践する

「積極的安静療法」とは、何かの体力を要するイベントが近づいたら、前もって休養を取り、積極的に準備する療法のことです。

これは慢性疲労症候群(CFS)を抱えつつも、社会的な責任を果たしたいと願う人にとって、非常に重要な、決して欠かすことのできないテクニックです。なぜそういえるのでしょうか。

慢性疲労症候群(CFS)は、無理をすると、後々非常に衰弱する、という特徴をもった病気です。そのことが診断指針の自覚・他覚所見において最初に挙げられています。

(1)労作後疲労感(労作後休んでも24時間以上続く)

この労作後疲労感を軽減するのに役立つテクニックが「積極的安静療法」なのです。

これは、スマートフォンやiPodを外出に備えて充電しておくことに似ています。電子機器でさえ準備が必要なのですから、エネルギーが限られている慢性疲労症候群(CFS)患者があらかじめ休息し、準備しておくのは当然ではないでしょうか。

積極的安静療法を実践するときは、知的・身体的の別なく活動をできる限り避け、何かをしたいという欲求が生じても、頑として床に伏せておくぐらいの徹底した休養が必要です。

激流をさかのぼることはできる!

サケは決して強力な魚ではありませんが、疲れないようにできるかぎりの工夫をこらして、ごうごうたる激流をさかのぼります。

同じように、慢性疲労症候群(CFS)という困難な病気を抱える人であっても、この5つのテクニック、すなわち、

1.ToDoリストをつくる
2.パレートの法則を活用する
3.パーキンソンの法則に注意する
4.優先順位を見極める
5.積極的安静療法を実践する

を当てはめることによって、病気という濁流をかきわけて進むことができるようになるでしょう。

最後に注意を一言。これら5つを当てはめる場合でも、パレートの法則を活用するのは大切です。100%当てはめることを目指すのではなく、肩の力を抜いて、実践できるところから始めるのが良いでしょう。

そうするなら、体力を節約し、慢性疲労症候群(CFS)のもとでも目標を目指して前進できるに違いありません。

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