【8/16】「苦悩する美女モデル“慢性疲労”という病」まとめ


120807頭痛8/16日のフジテレビ「スーパーニュース」にて、慢性疲労症候群(CFS)の特集が組まれました。7月7日に岐阜市市橋の市橋コミュニティセンターで行われた 慢性疲労症候群 上映会&トークセッションに関連した内容です。

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慢性疲労症候群とは?

番組冒頭で、慢性疲労症候群は、日常生活が送れないほど激しい疲労を感じる病気で、ときに身体の痛みやリンパの腫れなどの症状を伴うと紹介されたようです。

多種多様な症状が表れ、診断できる医師もまだ少ないため、周囲からの誤解や偏見に苦しむ患者も多いとのことです。障害年金や障害者手帳が給付されるケースもありますが、いまだ難病指定はされておらず、福祉の支援を十分に受けられません。

慢性疲労慢性疲労症候群はどう違うのか?

番組名では「“慢性疲労”という病」となっていますが、慢性疲労症候群(CFS)と慢性疲労はまったく別のものです。最新の研究報告には、「CFS患者の疲労は健常者が訴える疲労とは明らかに異なっていることがわかってきた」と書かれています。

現在では客観的な疲労評価法により、「強い自覚的な疲労症状だけを訴える患者とCFS患者との区別が可能と」なっています。

“慢性疲労”という呼称は一般的な疲労と混同されやすいため、しばしば問題になっています。慢性疲労症候群(CFS)の症状は疲労だけではない、という点も重要です。患者の多くは、病名の変更を望んでいますが、研究の進展を待っているのが現状です。

慢性疲労症候群(CFS)と闘う患者の声を聞く

番組では、幾人かのCFS患者に対するインタビューが取り上げられました。その一人、 トークセッションを主催した塚本明里さんには、特にスポットが当てられています。

塚本明里さんは、高校2年生の授業中に、慢性疲労症候群(CFS)を突然発症しました。そして、幾つかの病院をまわった末、半年後に竹田クリニックで慢性疲労症候群との診断を受けました。

現在は、車椅子を用いていますが、身体を起こした状態でいるのは辛い状態です。また、痛みが強いため、40ヶ所もの麻酔を受けているとのことです。麻酔が効く3時間ほどの時間を利用して、岐阜美少女図鑑のモデルとしてステージで活躍しています。

番組では、ほかに、岡本寿美子さんと、娘の未和さん親子にもインタビューがなされたようです。お二人は、栃木県議会に、慢性疲労症候群(CFS)患者の支援を国に求める意見書を提出しておられ、これまでも何度かメディアに出ておられます。

活動の甲斐あって、未和さんに障害者手帳が交付されましたが、二人の世話は、夫また父である岡本仲さんが一手に担っており、負担は大きい現状です。

残念なことに、こうした公的福祉の支援を受けられるのは稀なケースです。多くの患者が、周囲に理解されない重い症状で苦しんでいます。

患者会の代表・篠原三恵子さんらは、障害者総合支援法でも解消されない制度の谷間をなくすため、国への要望を続けています。篠原さんや塚本さんのように患者ひとりひとりの活動が重要になる、というところで締めくくられました。

慢性疲労症候群(CFS)はどのように発症するのか?

塚本さんのように、CFSはある日突然発症する場合が多く、一般的な“慢性疲労”とは明らかに異なる特徴をなしています。

岡本さんのように、家族で発症するケースも多く、遺伝や、ウイルス、化学物質などの共通因子が疑われています。そもそも、CFSが注目されたのは、1984年、アメリカ・ネバダ州の町インクラインで、200人もの人が集団発症したためでした。

CFSの引き金になるのは、さまざまな精神的・身体的なストレス(圧力)です。その「ストレス」には、交通事故や外傷、過労、化学物質や放射能への暴露などの肉体的ストレスも含まれます。

そうした圧力は、神経・内分泌・免疫系統のバランスを破壊します。書籍疲労の医学 (からだの科学primary選書2)では、「CFSの病態は…サイトカインの産生異常に基づく脳機能異常としてまとめることができるのではないか」(p232)とされています

慢性疲労症候群(CFS)はどんな症状?

番組で紹介されていたように、慢性疲労症候群(CFS)の症状は人によってさまざまで、なかなか安定しません。

共通する症状である病的な疲労感のほかに、脱力感激しい頭痛思考に霧がかかったような状態などを伴うこともあります。また、塚本さんのように痛みが非常に強い場合は、線維筋痛症という関連疾患を併発していると考えられます。

なお、このような多彩な症状を伴うため、最新の研究報告によると、CFSは「多種・多様な病態を1つの症候群としてまとめている可能性が指摘されて」います。

よって研究グループでは、「病院が明らかになってきたサブグループを順次CFSという病名から卒業させて、その病因に基づいた客観的なな臨床検査による診断名を与えて対応していく」ことを目標としています。

この研究が進展するにつれ、“慢性疲労”というあやふやな病名は解消される見込みです。

慢性疲労症候群という苦悩を終わらせるために

慢性疲労症候群(CFS)という病気はこれまで、メディアで取り上げられるたびに、「原因不明」「治療法もない」と紹介されてきました。

じつは「原因不明」というのは、パーキンソン病やアルツハイマー型認知症といった有名な病気の場合も同じで、決して珍しいことではありません。

それなのに、それらの病気と比べて、慢性疲労症候群(CFS)が理解されにくいのは、十分知られていない、ということが大きいのでしょう。

 幸い、慢性疲労症候群(CFS)は、地道な研究により、原因や発症に至るメカニズムが少しずつ解明されてきています。治療法も多くないとはいえ、研究が進められているところです。今、もっとも進んでいないのは、この病気を知ってもらうことかもしれません。

こうしたメディアでの放送を通して、慢性疲労症候群(CFS)という病気が現実に存在することを知っていただけるなら、とても嬉しく思います。

そして、身の回りに疲労感を訴えて苦しんでいる方がいらっしゃるなら、その訴えがどんな内容であっても、温かい目で見守り、気持ちを思いやっていただけるなら幸いです。

そうしていただけるなら、慢性疲労症候群という苦悩が和らぐ日もきっと遠くはありません。

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