電磁波過敏症(ES)についての宮田幹夫先生のコメント


磁波過敏症(ES)についての記事が相次いで掲載されました。電磁波過敏症は化学物質過敏症(MCS)に併発することの多い病気で、慢性疲労症候群(CFS)の原因として見過ごされていることもあります。

記事が掲載されたのはスカイツリーにご用心!? 子供たちの脳を襲う「電磁波」の危険度(1) livedoor ニュース、および朝日新聞デジタル:問われる健康被害 携帯基地局訴訟(4)-マイタウン宮崎という2つの連載記事です。

どちらの記事にも化学物質過敏症の研究の第一人者として有名な、北里大名誉教授 宮田幹夫先生のコメントが掲載されています。

スカイツリーにご用心!? 子供たちの脳を襲う「電磁波」の危険度(1) - livedoor ニュース

スカイツリーにご用心!? 子供たちの脳を襲う「電磁波」の危険度(2)- livedoor ニュース

朝日新聞デジタル:問われる健康被害 携帯基地局訴訟(4)-マイタウン宮崎(リンク切れ)

スポンサーリンク

電磁波過敏症(ES)とは

両方の記事でコメントしている宮田先生によると、電磁波過敏症は以下のように概説されます。

背景

専門外来には、全国から患者が来ます。半分以上が女性で、50歳代の人が多いそうです。

症状

電磁波を感じると皮膚がピリピリするといいます。また、高圧送電線に近づくと過呼吸になることがあります。電車に乗る際はパンタグラフの下の車両には乗れないという患者も多いようです。

さらに、頭痛、疲労、睡眠不足、集中力の低下や不定愁訴も起こります。そのため、慢性疲労症候群(CFS)と誤診されるケースがあります。

電磁波によるそれ以外の深刻な健康被害としては小児の白血病、脳腫瘍、乳がん、携帯基地局周辺のがんの増加、精子数の減少などが報告されています。

原因

化学物質過敏症から発症する場合や、携帯電話基地局の建造をきっかけに発症する場合などがあります。

メカニズム

人の体の中では、脳の神経細胞が弱い電気信号で働くなど電気現象が起きています。実験によると、電磁波はこうした人体に有害な働きをし、自律神経の失調や老化を進める活性酸素の増加を招きます。

例えば、研究によると、電磁波により、細胞内のカルシウムイオンが流出することが分かっています。カルシウムイオンは神経の伝達や心臓の鼓動に影響します。

また、電磁波により、脳の松果体から分泌されるメラトニンが減少することもわかっています。メラトニンは睡眠覚醒など、生活のリズムを体内に伝える働きがあります。

もちろん人には適応力があるのですべての人に発症するわけではなく、感受性の高い人に現れます。

検査

問診が非常に大切で、症状や電磁波の発生源などを聞きます。ほかの病気がないことを確認し、眼球の動きや平衡感覚、自律神経機能などを検査します。化学物質過敏症や電磁波過敏症の検査は、かなり客観的なものが確立されています。

子どもへの電磁波の影響

宮田先生は「子供の頭蓋骨は大人に比べて薄いだけに、脳は電磁波の影響を受けやすい」と述べ、携帯電話やスカイツリーの電波が子どもの脳に与える影響についても心配しています。

米国では、妊娠中に日常的に携帯電話を使用した母親から生まれた子供は、問題行動を起こすリスクが高まるという研究結果が出ているそうです。

英国では政府機関が、子どもの携帯使用は必要な時に限り、短時間にするよう強く勧告していますが、日本ではCMなどで子どもにも使わせようとしているので、各家庭で意識的に対処することが必要です。

電磁波過敏症の具体例

スカイツリーにご用心!? 子供たちの脳を襲う「電磁波」の危険度(1) - livedoor ニュースでは、神奈川県に住むAさんのことが述べられています。Aさんはマンションの玄関口に立ちながら、各住戸の電気製品の点滅の様子が手に取るようにわかるそうです。

これは、建材から発せられるガスにさらされて発症した軽い化学物質過敏症、およびその後に併発した電磁波過敏症によるものだったとされています。

また沖縄で携帯電話の基地局が造られたところ、アンテナの設置と同時に住民の間に頭痛、耳鳴り、倦怠感、イライラ、精神錯乱、意識障害などの苦情が生じ、撤去すると収まった事例も紹介されています。

朝日新聞デジタル:問われる健康被害 携帯基地局訴訟(4)-マイタウン宮崎(リンク切れ)では、延岡市の住民が携帯電話基地局の操業差し止めを求めた訴訟について取り上げています。

延岡市ではKDDI基地局の建設をきっかけに、多くの人が耳鳴りや頭痛、鼻血などに苦しみはじめました。原告30人のうち、3人は化学物質過敏症の研究で有名な北里研究所病院により「電磁波による愁訴の可能性が高い」と診断されています。

これまで電磁波過敏症の裁判は「電磁波で健康被害が出る恐れがある」というものでしたが。延岡の場合は、すでに深刻な健康被害が出ているという理由で訴えた全国で初めてのケースです。判決は10月17日、宮崎地裁延岡支部で言い渡されます。

電磁波過敏症の今後

電磁波過敏症の存在については真偽を問う声がいまだに根強いのですが、わたしの友人の中にも、化学物質過敏症に電磁波過敏症を併発しておられる方が数人います。

ですから、報道に誤診や誇張がないとは言いませんが、わたし個人としては、病気としての電磁波過敏症の存在は疑っていません。

しかし電磁波過敏症は、化学物質過敏症や脳脊髄液減少症と同様、原因がはっきりしているがために、訴訟に発展したり、商業体制を敵に回したりすることの多い病気です。利益が絡むため、存在を否定しようとする動きは、残念ながら今後も根強いでしょう。

慢性疲労症候群、線維筋痛症、脳脊髄液減少症、化学物質過敏症、電磁波過敏症…。どの病気と診断されても、困難なことに変わりはありませんが、原因がわかれば、対処しやすくなります。

このブログでは、これからも慢性疲労症候群(CFS)の類似疾患のひとつとして電磁波過敏症を取り上げていきたいと思います。

東京都港区の 北里研究所病院は、宮田幹夫教授の研究チームによる、化学物質過敏症やシックハウス症候群の中心施設として知られてきました。

宮田教授は、2009年、東京・荻窪でアレルギー疾患の専門外来「そよ風クリニック」(ホームページはありません)を開業しており、化学物質過敏症の治療にあたっています。

化学物質過敏症や電磁波過敏症については化学物質過敏症―ここまできた診断・治療・予防法 (生命と環境21)は非常に分かりやすく書かれています。原因物質から検査法、メカニズム、対策まで網羅されている決定版です。

スポンサーリンク

スポンサーリンク
archives