還元型コエンザイムQ10が慢性疲労症候群(CFS)に効果的!大阪市大の臨床研究


ねてからこのブログで何度か取り上げていた、慢性疲労症候群(CFS)を対象にした還元型コエンザイムQ10の投与の正式な報告が掲載されました。

このエントリでは、その報告の内容をまとめるとともに、還元型コエンザイムQ10とは何かなぜ慢性疲労症候群(CFS)に効果的なのか、という点も書きたいと思います。

「慢性疲労症候群」に還元型コエンザイムQ10が効果あり - 大阪市立大など | 開発・SE | マイナビニュース

慢性疲労症候群に対する還元型コエンザイムQ10の改善効果について | 最新情報 | 株式会社カネカ
カネカなど、慢性疲労症候群に還元型コエンザイムQ10の改善効果など研究成果を発表│日経プレスリリース

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還元型コエンザイムQ10の治験の結果

今回の臨床研究は、慢性疲労症候群(CFS)の診療の中心地である大阪市立大学付属病院にて、カネカ社と共同で行われました。

記事によると、「慢性疲労症候群患者20名(男性5名、女性15名、平均年齢36.8歳)に対して、還元型CoQ10を1日150mgずつ2カ月間投与」するという内容だったそうです。

結果はどうだったでしょうか。以下の点で改善が見られたと報告されています。

◆うつ症状の改善
◆睡眠時間の延長
◆計算課題の正答率の増加
◆酸化ストレスの減少

このうち、「計算課題の正答率の増加」については、以下のエントリでも取り上げました。慢性疲労症候群(CFS)の患者の多くは、思考力の低下に悩まされるので、決定的な対処法にはならないまでも、朗報といえるのではないでしょうか。

このコエンザイムQ10は、現在、ノイキノンという薬に含まれていますが、この薬の処方量では、慢性疲労症候群(CFS)に効果があるとされる量をまかなうことができません。

注意すべき点

今回臨床研究で用いられたコエンザイムQ10は“還元型”です。それに対し、一般にサプリメントとして販売されているのは“酸化型”なので効果が劣ります。

また、効果があるとされる服用量も通常と比べて多めです。記事によると、「CoQ10濃度の上昇につれて」効果が高まる可能性が示唆されています。

パーキンソン病の場合、一日1200mgもの量を服用して効果が見られたという報告もありますから、効果がない場合、量を増やすという選択肢もあるかもしれません。

自分で購入する場合は、信頼できる医師と相談した上で、どの製品をどのくらいの量 服用するか、注意深く決める必要があると思います。

なお、この治験に使われたコエンザイムQ10はカネカ社製なので、以下のものが該当することになります。

【カネカ】最近お疲れの方 還元型コエンザイムQ10 (カネカQH)【30日分】13.8g(460mg×30カプセル)

還元型コエンザイムQ10とは

ところで還元型コエンザイムQ10とは何なのでしょうか。なぜ慢性疲労症候群(CFS)に効果があるのでしょうか。その点を知るには、「コエンザイムQ10とは何か」、「還元型とは何か」という二点を考える必要があります。

1.コエンザイムQ10とは何か

わたしたちの体はATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーによって動いています。このATPを作るのは、細胞のなかにあるミトコンドリアで、コエンザイムQ10はそこで働いています。

120705料理人分かりやすく説明するために、ミトコンドリアをレストランにたとえてみましょう。ミトコンドリア・レストランでは、体全体が元気に働けるよう、せっせと料理が作られています。

わたしたちが摂った栄養分は、このミトコンドリア・レストランに食材として運ばれてきます。

レストランにはコエンザイムQ10というシェフがいます。このシェフが、栄養分を料理し、ATPのフルコースをお客さんにふるまうのです。

もしコエンザイムQ10が不足していればどうなるでしょうか。せっかくレストランに材料が運び込まれても、シェフが少ないので、料理を十分につくることができません。ATPが不足し、からだ全体の元気がなくなってしまいます。

つまり、いくら食事や睡眠をとっても、エネルギーの作られない、いつも疲れ果てている体になってしまうのです。

最近の研究によると、慢性疲労症候群(CFS)はミトコンドリアの機能が低下した状態と考えられています。そのため、コエンザイムQ10というシェフを送り込んでやれば、症状が改善する可能性があるということのようです。

今回の記事にはこう書かれています。

酸化ストレスやエネルギー産生の低下は、慢性疲労症候群等の疾患に係るメカニズムとして注目されているところである。

…[コエンザイムQ10は]エネルギー産生賦活や抗酸化作用など、細胞が正常に機能する上で必須の作用を発揮していると考えられている。

2.還元型とは何か

では“還元型”とは何でしょうか。なぜ“酸化型”よりも効果的なのでしょうか。

さきほど、コエンザイムQ10をシェフに例えましたが、“酸化型”コエンザイムQ10は、ちょうどおなかをすかせたシェフに似ています。まず自分が料理を食べないと働くことができないハラペコのシェフです。

健康な人の場合、ミトコンドリア・レストランは盛況で賑わっています。この場合は、ハラペコの“酸化型”シェフがやってきても、すでに働いている別のシェフが料理をふるまってくれるので、働きはじめることができます。

しかし慢性疲労症候群の場合、ミトコンドリア・レストランの機能は低下していて客足は遠のき、閑古鳥が鳴いています。そのような寂れた店にハラペコの“酸化型”のシェフがやってきたところで、何ができるというのでしょうか。

健康な人であれば、ハラペコの“酸化型”を、満腹の“還元型”に変換して役立てることができるのですが、病気や老齢で体力が低下していると、はじめから“還元型”を用いないと役に立たないというわけです。

記事には簡潔にこう書かれています。

従来からの酸化型が機能を発揮するためには、体内で還元型に変換される必要があるが、最近の研究では、体内での変換力は加齢や病気などによって低下することがわかってきたところだ。

問題となるのは、“還元型”の合成が難しいことでしたが、カネカ社が世界で初めて、発酵法という自然製法により、食べ物に含まれているのと同じオールトランス型のコエンザイムQ10を製品化したそうです。

以上の説明は、コエンザイムQ10のエネルギー生産作用抗酸化作用をごく簡単に説明したものに過ぎません。

いずれにせよ、還元型コエンザイムQ10は、慢性疲労症候群(CFS)のエネルギー障害に働きかける可能性のある成分として、大いに期待できるのではないかと思います。

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