残臭がもたらす三次的な受動喫煙に注意! 喫煙は「ゆっくりとしたテロ行為」


10/6、10/11の毎日新聞に、化学物質過敏症と受動喫煙をめぐる裁判について掲載されました。

県職員の受動喫煙損賠訴訟:請求棄却 日本禁煙学会、地裁に抗議文 /岩手- 毎日jp(毎日新聞)(リンク切れ)

県職員の受動喫煙損賠訴訟:男性の賠償請求を棄却−−地裁判決 /岩手- 毎日jp(毎日新聞)(リンク切れ)

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受動喫煙は化学物質過敏症をもたらすか

この裁判は、喫煙による「煙が充満した公用車を運転した際、鼻やのどなどに激しい痛みを感じ同年4月、受動喫煙による化学物質過敏症と診断された」男性が訴えたものです。

判決では『08年当時、受動喫煙が一般的に「化学物質過敏症のような重篤な疾病を発症する可能性があると認識されていたとまでは言い難い」』とされ、訴えは棄却されました。

それに対し、日本禁煙学会「05年に受動喫煙のもたらす健康被害の一つとして化学物質過敏症を明示し、公表していたと主張」、「受動喫煙や化学物質過敏症に対する誤った認識に基づいた判決」と抗議して、波紋が広がっています。

わたしたち慢性疲労症候群(CFS)や線維筋痛症(FNS)の患者にとって、受動喫煙によって自律神経が乱れたり、痛みが増したりするのは常識です。化学物質過敏症(CS)の患者にとっては命取りになりかねません。

これら三つは近縁の病気ですが、残念ながら、日本では十分理解されているとはいえません。病気としての認知度の低さから、受動喫煙が化学物質過敏症の原因になるとは認識されていなかった、という判決につながったのかもしれません。

ちなみに早くも1999年発行の化学物質過敏症の本化学物質過敏症―ここまできた診断・治療・予防法 (生命と環境21)には、化学物質が体内に浸入するルートとして、大気汚染の揮発性物質と同列に喫煙による影響も明記されています。

三次喫煙にも注意

この裁判の争点となっているのは、“受動喫煙”の害です。これは、車の同乗者が喫煙していたことを指しているのかもしれません。あるいは、その残臭のある車を運転せざるを得なかったという意味にも取れます。

後者を含むとすれば、最近話題になっている“三次喫煙”が関係しています。

たばこの煙の残留物による“三次喫煙”が新たな問題に(2010.2.18掲載)

三次喫煙とは、喫煙者がその場にいなくても、室内や車内に入ったとき、残臭を感じることです。近年、いわゆる“二次喫煙”である受動喫煙に加え、“三次喫煙”の害が注目されるようになっています。

受動喫煙が脳卒中や心臓病のリスクを4倍にし、舌がん、肺がん、腎臓がん、胃がん、すい臓がん、膀胱がんなどを引き起こし、肺胞を破壊し、老化を早め、脳の酸素の供給を阻害し、うつ病をもたらすことは、もはや全世界の共通認識です。

喫煙者は、自分を病気にするだけでなく、家族や同僚を苦しめ(二次喫煙)、さらには見知らぬ人をさえ殺す(三次喫煙)ことがあるのです。

喫煙はこれまで“ゆっくりとした自殺”と言われてきましたが、もはや“ゆっくりとしたテロ”と言っても差し支えないでしょう。

言うまでもなく、慢性疲労症候群や化学物質過敏症など、病気を抱える人は自分の体のために喫煙するべきではありません。

しかし、三次喫煙の害が明らかになるに及んで、もはや社会のどこを見回しても、喫煙しても良い言い訳は残っていないのではないかと思います。

禁煙は非常に難しいと言われますが、今ではさまざまなサポート団体や医療設備が存在しています。今、禁煙しようと日々闘っておられる方には、決してあきらめないよう、そして努力が実るよう、心からのエールをお送りしたいと思います。

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