大阪市立大学が2013年7月に、「健康科学イノベーションセンター」を開設するというニュースがありました。抗疲労についての情報発信拠点として慢性疲労症候群の研究も展示されるそうです。
本学の健康科学への取り組みー「健康科学イノベーションセンター」事業概要ー — 大阪市立大学
【ベテラン記者のデイリーコラム・坂口至徳の科学の現場を歩く】アンチエージングも…心身の疲労防げ、「うめきた」に発信拠点 大阪市大(1/3ページ) - MSN産経west
健康科学イノベーションセンター
記事によると以下のような計画が立てられているようです。
日時:平成25年7月
場所:大阪市北区のJR大阪駅北側の再開発地区「うめきた(梅田北ヤード)」にあるグランフロント大阪「ナレッジキャピタル」の北館9階
目的:「疲労をはじめ、未病や健康の科学の重要さ、科学的な裏付けのある疲労回復法、疲労度計の有用性を知ってもらうとともに、健康関連産業の発展に結びつけていきたい」
内容:疲労の度合いを定量化して客観的に示す方法の体験や、最新の疲労についての研究成果の展示。「健康科学ビジネス推進機構」による科学的なエビデンス(証拠)に基づいた、疲労回復に役立つ食品の開発。
うめきた先行開発区域プロジェクト グランフロント大阪 GRAND FRONT OSAKA
疲労と老化の関係
記事の中では、「疲労の研究では、老化のメカニズムと共通点があり、疲労を防ぐことがアンチエージングにつながるなど新たに科学的な解明が進んでいる」と書かれています。
疲労と老化の関係は、雑誌アンチ・エイジング医学 6ー3―日本抗加齢医学会雑誌 特集:疲労を科学するに特集されていました。
疲労も老化もメカニズム的にみると、活性酸素による細胞の攻撃によって起こされるという点は同じですが、一時的に傷つけられるだけなのが疲労、細胞の傷が癒されないまま傷跡を残した状態が老化だそうです。
そのため、疲労が回復せず、ずっと続くことは老化を加速させてしまうので、抗疲労はアンチエイジングにとって極めて重要です。不可逆的な傷を残してしまうと、もう二度と細胞の本来の機能は戻らないからです。
慢性疲労症候群(CFS)に苦しむ人はごくわずかですが、疲労や老化は、全人類共通の問題です。CFSの研究によって、社会に恩恵がもたらされるなら、それはすばらしいことですし、逆に社会で必要とされることにより、CFSの研究資金が整うということもあるでしょう。
健康科学イノベーションセンターが開設されたあかつきには、もし体力が許すなら、一度は足を運んでみたいと思いました。