夜間のメラトニンの分泌量が低下すると糖尿病になりやすくなるという研究結果がありました。「夜に分泌されるメラトニンの量と2型糖尿病のリスクとの独立した関連性が証明されたのはこれが初めて」だそうです。
眠り誘うホルモンの量と糖尿病リスクに関連性、米研究 国際ニュース : AFPBB News
メラトニン分泌低下で糖尿病発症リスク2倍以上/米Nurses' Health Studyの症例対照研究:医師のための専門情報サイト[MT Pro]
メラトニン分泌の低下が2型糖尿病発症リスクを増大/JAMA | CareNet.com
詳しいことは分かりませんが、睡眠の問題が糖尿病と関連することは以前から指摘されていたように思います。
昨年には、メラトニン受容体の遺伝子の変異と糖尿病のリスクの関連を指摘するニュースがありました。メラトニンは、血糖値を調節するインスリンの分泌をコントロールしているので、メラトニン分泌がうまくいかないと糖尿病のリスクが高まるということのようです。
体内時計と2型糖尿病との関連が遺伝子研究で明らかに(2012.2.16掲載)
神山潤先生は、「夜ふかし」の脳科学―子どもの心と体を壊すものの中で慢性的な睡眠不足がインスリンの分泌低下と血糖値上昇につながるという研究に言及しています。 この研究によれば、睡眠不足=老化であるとの結論が出されました。(p103)
今回の研究の「夜に分泌されるメラトニンの量」が減少しているということは、日中光を浴びず、夜に光を浴びているということです。概日リズム睡眠障害と関連しているということかもしれません。
概日リズムの混乱と血糖値の関連については、慢性的な時差ぼけ、すなわち内的脱同調を伴う小児慢性疲労症候群では血糖値の調節異常が報告されていました。(以下の6番目)
日本臨床65巻第6号p1130で友田先生は、「CCFS患児は一般に血糖値は高く、糖尿病の患者によく似ている」と書いています。
つい最近も、体内時計の乱れが、肝臓の糖代謝異常につながることが報告されていました。
Ⅱ型糖尿病は生活習慣が大きく関わる病気ですが、睡眠のリズムや生活のメリハリも発症に関係しているということなのかもしれません。