睡眠は、脳の神経伝達に大切なミエリンの生産に関わっているという記事がありました。ミエリンは、神経の信号伝達をする軸索のさやの役割を果たしている絶縁体です。
睡眠は神経パルスの伝達速度向上に重要な脳細胞の数を増やすことが判明 - GIGAZINE
記事によると、起きているときより、寝ているとき、特にレム睡眠時に、ミエリンを作り出す細胞が活性化するそうです。ミエリンという絶縁体のさやがなくなり、いわば神経が漏電している状態が多発性硬化症(MS)ですが、MSと睡眠には関わりがあるのかもしれません。
研究グループは「極度または慢性的な睡眠不足によって、髄鞘が損傷される疾患、多発性硬化症の一部の症状が、極度または慢性的な睡眠不足によって悪化する可能性が示唆される」と述べているそうです。
外部研究者のスイス、ローザンヌ大学のMehdi Taftiも、今回の研究について、「この知見から、睡眠や睡眠不足が脳の修復や損傷をもたらす機序が示唆される」と述べていると書かれています。
睡眠の役割については、子どもとねむり 乳幼児編―良質の睡眠が発達障害を予防するという本によると、
1.神経伝達物質の返還
2.ミトコンドリアの休養
3.神経伝達物質の再分配
という3点にまとめられていました。今回の記事では、「睡眠中に脳の神経伝達物質に重要な細胞が増える」ということが扱われていましたが、脳が正しく機能するには質の高い睡眠が欠かせないということがよくわかります。