いつも疲れ果ている人の「アドレナル・ファティーグ」(副腎疲労)とは何か―原因と対処法まとめ

んな症状であなたも悩んでいませんか?

□朝起きるのが辛い
□午前10時まで目覚めない
□午後3時から4時の間はぼんやりしている
□夕食後やっと元気になる

□疲れが取れない
□倦怠感(エネルギー不足)
□日常的なことが、とても疲れる
□性欲の低下

□ストレスに対処できない
□病気や怪我、外傷(トラウマ)から回復するのに時間がかかる
□頭がクラクラする

□軽度のうつ
□人生のすべてが虚しい
□PMS(月経前症候群)の悪化

□塩辛い食べ物が無性に欲しくなる
□カフェインがないと仕事ができない
□思考が定まらずボーっとする
□記憶があやふや

これらの多くの症状に身に覚えがあるとすれば、それはアドレナル・ファティーグ(副腎疲労)の表れかもしれません。

アドレナル・ファティーグとはなんでしょうか。この記事では、医者も知らないアドレナル・ファティーグ―疲労ストレスは撃退できる!やその関連書籍からアドレナル・ファティーグとその対処法について詳しい解説を試みたいと思います。

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これはどんな本?

書籍医者も知らないアドレナル・ファティーグ―疲労ストレスは撃退できる!は、副腎疲労症候群についての専門家ジェームズ・L・ウィルソン博士による345ページからなるとても詳しい解説書です。

アドレナル・ファティーグに関する2400以上の科学文献や臨床文献の確かな基盤に基づいて書かれています。また、19例のケース(症例)が載せられているので参考になります。(p90)

翻訳された本間良子先生は、ご夫婦でスクエアクリニックという医院に務めておられます。ご主人である本間龍介先生は、多忙な生活の中、ご自身が副腎疲労症候群になり本書と出会ったそうです。

本書のp25-28にはそのときの体験談が書かれています。学生時代から疲れやすい体質でしたが、医師生活をはじめてから体がまったく動かなくなり、トイレや食卓に座ることすらできなくなってしまったといいます。

うつ病と診断されて、投薬によって悪化する一方でしたが、本書のアドバイスと出会い、回復することができました。その後、日本における副腎疲労症候群のパイオニアとなり、日本で唯一の専門外来を開くようになられました。(p25)

スクエアクリニック内科|川崎駅前ソリッドスクエアビル

この本は慢性疲労を抱えるすべての人にとって、とても意義深い内容ですが、読むにはかなりの労力を要します。それで、体調の悪い人にとっても、本書のポイントを理解できるよう、このエントリを書くことにしました。

この本の日本語版によせられた文章の中では、「この本を自分のために使うとともに、あなたの大切な人と共有してください。そして決してあきらめないでください」とあります。ブログに書くことで、その言葉どおりにしたいと思います。

アドレナル・ファティーグについて学びたい場合は、先日出版された本間良子先生の文庫版の著書しつこい疲れは副腎疲労が原因だった ストレスに勝つホルモンのつくりかた (祥伝社黄金文庫)を読むこともお勧めします。日本人向けでわかりやすく、価格も手頃な一冊です。

副腎疲労とは何か

副腎(アドレナル)という臓器は「ストレスの腺」として知られています。怪我や病気など、ありとあらゆるストレスに対処できるよう副腎ホルモンを生産する役割を担っています。この副腎の機能が低下した状態が、副腎疲労です。(p34)

副腎の機能が弱まると、ベッドから起きあがるのが難しくなり、体のすべての器官や臓器が影響を受けます。ちょうど、最初に挙げたような幾つものつらい症状が生じることになります。

副腎疲労のもっとも際立った症状は「疲労」です。病院で、患者が疲労を訴える原因のほとんどはアドレナル・ファティーグだそうですが、そのように診断されることはほとんどありません。医学界からアドレナル・ファティーグが見過ごされているのはなぜでしょうか。(p40)

医学において、副腎機能低下といえば、ふつうアジソン病を指します。アジソン病とは副腎機能が極めて低い状態で、1855年にサー・トーマス・アジソンが発見しました。

治療しなければ生死に関わる病気で、患者は一生ステロイドを飲み続ける必要があります。発症は10万人あたり4人という極めてまれな病態です。その70%は自己免疫疾患だといわれています。(p39)

反対に副腎機能が極端に高いのはクッシング病で、こちらもまれな疾患です。(p104)

これら2つの病気に対し、副腎疲労症候群(アドレナル・ファティーグ)は非アジソン病副腎疲労低下無症状性副腎機能低下などと呼ばれます。

多くの場合、副腎疲労の患者は、アジソン病ほど副腎機能が低下しているわけではありません。そのため、コルチゾールなどの副腎ホルモンを調べる検査を受けても、コンピューターは「正常値」とみなします。

実のところ、検査で異常があると判別されるのは、正規分布曲線における上位2.5%の極めて高い数値と、下位2.5%の極めて低い数値だけです。残りの95%の枠内であれば、どれほど数値が変動しようと、問題があるとはみなされないのです。(p106)

こうして、生死に関わるほどではなくても、副腎機能が低下して疲労している状態は見逃されてしまうことになります。

慢性疲労症候群、線維筋痛症との関係

このブログの読者の方が気になるのは、慢性疲労症候群線維筋痛症など、このブログで過去に取り上げたことのある周辺疾患との関わりだと思います。

関係する記述を本書から引用したいと思います。

Q アドレナル・ファティーグは線維筋痛症やうつ病に関連しているか?

Aアドレナル・ファティーグはどちらにも関係している可能性がある。線維筋痛症を患っている人はたいてい、何らかの形のアドレナル・ファティーグを患っている。アドレナル・ファティーグが線維筋痛症の発症に先行する場合もある。

軽度の抑うつ症状もアドレナル・ファティーグの主な兆候であり、うつ病をおこす原因となりうる。うつ病には他の原因も存在しているため、も副腎ホルモンの唾液検査がアドレナル・ファティーグとの関係を見極めるのに役立つ。(p297)

Q アドレナル・ファティーグは慢性疲労症候群に関連しているか?

Aアドレナル・ファティーグは慢性疲労症候群のひとつの要素である。関係性は、慢性疲労症候群の発症をもたらす感染性病原体が、アドレナル・ファティーグを助長する条件も提供することである。

体内でくすぶる病原体の直接的影響と、感染症が作り出す系統的ストレスのために、副腎に過剰な負荷がかかる。原因となっている感染性病原体を検出するための新しい診断手続きが利用可能になり、副腎を強化しつつ特定の病原体を排除する併用療法を用いた有望な結果が出されている。(p298)

このように、副腎疲労症候群は、慢性疲労症候群や線維筋痛症そのものではないものの、関係する要素のひとつであるとされています。

慢性疲労症候群と線維筋痛症の病因についてはこう書かれています。

慢性疲労症候群や線維筋痛の場合には、一般的な臨床検査では発見されにくい細菌が原因になっている可能性がある。特殊で高度なポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査を用いれば、これらの細菌を発見できる。

近年、これらの病気にこのような細菌が存在していることを立証する論文が増えている。細菌が発見されれば、適切な治療ができる可能性がある。しかし、同じ症候群に二つかそれ以上の微生物が関連していることも多く、全てが治癒されなければ回復は期待できない。

これらの病原菌は体への著しい負荷となり、副腎の資源が枯渇させられる。このような甚だしく衰弱する病気において、これらの感染性病原体を体から同時に排除し、同時に副腎へ十分な援助を与えれば、回復が多いに早まるであろう。

アドレナル・ファティーグは慢性疲労症候群や線維筋痛、アルコール依存症などの症候群に先行して起こることが多い。副腎機能の変化による免疫の弱まりがきっかけとなり、感染にかかりやすくなったり、衰弱が激しくなったりする。(p62)

もし、こうした細菌が本当にかかわっているのであれば、日本国内での治療は難しいと言わざるを得ません。

しかし日本の慢性疲労症候群のすべてが、細菌の関わる重症のものとは思えませんし、副腎疲労症候群への対処でいくらかでも良くなることはあるのではないかと思います。

慢性疲労症候群の患者にとっても、副腎疲労症候群の知識を得て、アドバイスにしたがうことが大切であることは言うまでもありません。

アドレナル・ファティーグの原因

アドレナル・ファティーグはストレスが原因となって起こります。ストレスには身体的なもの、精神的なもの、環境に由来するもの、感染性のものなどあらゆるものが含まれます。

ぜひ覚えておいてほしいのは、すべてのストレスは蓄積するということだ。つまり、自分がストレスとして認識するかどうかに関わらず、ストレスの数、それぞれのストレスの強さ、ストレスが起こる頻度、ストレスが存在する時間の長さがすべて組み合わされて、ストレス負荷の合計となる。(p45)

人間や動物へのストレスの影響は機械の場合と酷似しています。(p23)

車はふつう、最大能力の4分の1の力で走ります。これは、人間において、ストレスなく生活している状態に相当します。

しかしレースで最高速度を出すと、部品はまたたく間に擦り切れます。適切に部品を維持しなければ、車は故障してしまいます。同様に、人間の体もストレス負荷が多すぎると、細心の注意を払わない限り、体調を崩してしまいます。

多くの場合、ストレスの原因には仕事やライフスタイル、食生活が関係しています。「一般的には、ストレスの多いライフスタイルのために、アドレナル・ファティーグは徐々に発症することが多い」(p62)と書かれています。

遺伝的な体質も関係しています。「副腎の回復力には先天的な個人差がある」からです。アドレナル・ファティーグを患う親から生まれたり、親が妊娠中に重度のストレスを経験したりした場合は、子どもの副腎の機能が弱くなることがあります。(p54)

これらの説明から思い出されるのは、慢性疲労症候群に陥るメカニズムで説明されている慢性疲労症候群に陥る原因と似ていることです。ですから一般に言って、日本国内でいうところの慢性疲労症候群と副腎疲労症候群はほぼ同じと考えてよさそうです。

副腎疲労症候群につながる特殊な原因

そのほかに、この本の中では、副腎疲労症候群に関係する特殊な原因がいくつか列挙されています。(p274-285)

■歯科疾患
特に感染症や水銀の詰め物(アマルガム)。水銀は副腎ホルモンであるコルチゾールの濃度を抑制します。

■腸内毒素症
抗生物質の使用や栄養の偏りによる腸内微生物の不均衡。カンジダやアルビカンスなどの望ましくない微生物が増えた状態。

■食物アレルギーと過敏症
これはアドレナル・ファティーグの主要な原因なので、後で詳しく解説します。

■亜急性または慢性の潜在的感染症
明白な疾患を起こす前段階の状態でくすぶり続け、宿主の健康を慢性的に弱らせる感染症。

リンパ球の減少、好中球の増加の場合は、慢性細菌感染があり、リンパ球の増加、好中球の減少の場合は慢性ウイルス感染があるそうです。

■麻酔からの不完全な回復
敏感な人は肝臓へのダメージが大きい。

■睡眠不足
睡眠不足はコルチゾールの低値あるいは高値と関係していて、循環エストロゲン濃度を増やし、ホルモンバランスを乱す。

無自覚の「潜在的睡眠不足」(PSD)が内分泌・代謝機能に慢性的な影響―子どもの疲労と関係する調査も
現代人の多くで、自分でも気づいていない「潜在的睡眠不足」(PSD)が身体的健康に慢性的な影響を及ぼし、生活習慣病などの健康リスクをもたらしているという研究が発表されました。

■シックハウス症候群、有害環境での居住・就労
有害な化学物質も副腎疲労の原因となる。

【6/7 NHK】化学物質過敏症とのたたかい―「あさイチ」から
化学物質過敏症(CS)を取り上げたNHKのテレビ番組「あさイチ」をまとめたものです。化学物質過敏症の診断・原因・治療・予防について網羅されています。

甲状腺の機能の低下
検査では現れない範囲のものも含む。副腎と甲状腺はどちらも体内ストレスに敏感で損傷を受けやすい。

これらの背景がある場合には、それが原因となって、副腎疲労症候群が現れている可能性があります。副腎疲労症候群の対処をするだけでなく、原因を見極めて取り除くことも、回復には必要なことでしょう。

これら慢性疲労の原因になりやすいものについては、わたしのブログでまとめた資料も参考にしてください。

いつも疲れ果ている人の「アドレナル・ファティーグ」(副腎疲労)とは何か―原因と対処法まとめ
いつも疲れきっていて疲れが取れない。朝起きられない。その原因はアドレナル・ファティーグ(副腎疲労)にあるかもしれません。医者も知らないアドレナル・ファティーグ―疲労ストレスは撃退で

このように。副腎疲労症候群はさまざまなストレス負荷が重なりあって発症します。

では自分が副腎疲労症候群かどうかを知るにはどうすればよいのでしょうか。

アドレナル・ファティーグの検査方法

慢性疲労症候群に比べて、アドレナル・ファティーグという概念が優れているのは、簡単に検査する方法がある、ということではないかと思います。

といっても、どの病院でも行われているような標準的な検査では、前述した副腎機能が極めて高いクッシング病と、極めて低いアジソン病しか指摘されません。

検査では「正常範囲内」にあると言われる場合でも、数値をよくみて、それが低値ではないか、相対的に低下していないか調べることが必要です。

「ハリソン内科学」にはこう書かれています。

正常な母集団において、ほとんどのホルモンの血中濃度は非常に広範である。結果として、ある人のホルモン濃度が半分に減ったり、二倍に増えたりしても(当人にとっては異常であるのに)、いわゆる正常範囲に含まれる可能性がある。(p105)

■唾液ホルモン検査
副腎疲労症候群の検査にもっとも適しているのは、唾液ホルモン検査という最近可能になった検査方法です。唾液ホルモン濃度は、細胞の外を循環している血液を調べる場合に比べ、細胞内のホルモン量をよりよく示します。(p98)

唾液検査をするには、1日に4回以上検体をとる検査キットを用います。目覚めてから1時間以内のコルチゾール濃度が最も高い朝6-8時、そして11-12時、午後4-6時、午後10-12時に検査します。

また、症状が軽いと思える時間にとった検体と、特に悪い時間にとった検体を比べることで、症状と副腎機能低下が関連しているかどうかがわかります。

ま液ホルモン検査では、DHEAsの濃度も測定します。副腎はDHEAsの主要な供給源だからです。(DHEAについては必ずしもそうではない)。DHEAsやテストステロンが低ければ、加齢が進行している可能性があります。

■24時間尿中コルチゾール検査
24時間にわたって尿中に排出されたホルモンを調べますが、24時間の尿すべてがひとつの容器に集められるため、高低の差が互いに打ち消し合ってしまうことがあります。

■ACTH負荷検査
循環コルチゾールの濃度をはじめに測定した後、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)のような物質を注入し、副腎が刺激に対してどれほどよく反応するかを調べます。

■質問票に答える
この本のP70-90には、アドレナル・ファティーグを調べるための詳細な質問票が載っています。臨床的に極めて有用で、価値が実証されているものだそうです。その問いの答えれば、自分がどの程度のアドレナル・ファティーグであるかがわかります。

■健康暦年表をつくる
推理小説の犯人探しと同様のことを自分に対して行います。自身が主役の探偵であり、被害者でもあり、犯人でもあることがあります。(P91)

最後に体調の良かった日の2年前から、どんなできごとがあったか、体調はどうだったかなど、できるかぎり情報を洗い出します。事故、病気、心的外傷、生活習慣の変化などをすべて列挙します。

最後にそれらの情報を時系列順に並べ替えます。アドレナル・ファティーグがいつ発症したのか、どのような原因で発症したのかがわかるので、治療計画に役立ちます。

わたしも自身の治療のために、かなり細かく健康暦年表をつくり、先生に見てもらいました。

では、副腎疲労症候群を治療するにはどうすればよいのでしょうか。

アドレナル・ファティーグを克服する食習慣の9つの方針

アドレナル・ファティーグには魔法の薬は存在しません。しかし回復を大いに促す重要な生活習慣の変化と栄養サプリメントが存在します。(P114)

ずっと昔から、副腎疲労の回復には休息が必要であることは知られていたが、アドレナル・ファティーグが必要とする休息とは、横になることで得られるものではない。

それはむしろ、自分のために立ち上がること、そして生活の中から有害なストレスを除去する、または最小限に抑えることから得られるものである。(P116)

アドレナル・ファティーグの最も重要な対処法は食習慣の変化です。

アドレナル・ファティーグと機能性低血糖症は深く関係しています。

ほぼ百年前から、低血糖を患う人はアドレナル・ファティーグも患っている場合が多いことが知られてきた。アドレナル・ファティーグを患う人にはほぼ必ず何らかの不規則な血糖パターンがあり、その中でも低血糖症が最も一般的であることも知られている。(P328)

ストレスが強くなると、エネルギーの需要が高まるため、インスリン濃度が上がり、糖を求めます。しかし副腎疲労症候群の状態では、血中コルチゾールが低いため、肝臓がグリコーゲン(貯蔵血糖)をグルコース(血糖)に変換して供給することができないのです。

したがって、自然で良質な食物を食べることにより、血糖値が低くなりすぎるのを防ぐ必要があります。どんな食べ物をいつ食べるかがとても重要なのです。

もしかして低血糖症? 『図解でわかる最新栄養医学 「うつ」は食べ物が原因だった!』
慢性疲労症候群やその周辺の病気の治療を考える際、低血糖症という病気を見過ごすわけにはいきません。食習慣がうつ病や慢性疲労症候群を引き起こす場合があるのはなぜでしょうか。溝口徹先生の

どのような食習慣を持てばよいのか、9つの方針を考えましょう。(P184)

(1)多種多様な自然食品を食べる

アドレナル・ファティーグを患う人は、もともと活動的な人で、副腎機能の低下を補うために、コーヒー、コーラ、ファストフードなどを好む傾向がある。そして、甘いものより、エネルギー持続に効果があるとして、高脂肪のファストフードを食べて自分を駆り立てる。(P156)

低血糖症の人の食事療法のポイントは、ジェットコースター現象を避ける、ということです。血糖値を急激に上げるもの(あまりに早くエネルギーに変換される食べ物)は、すぐに体を疲れさせます。

避けたいものとして、精白粉や砂糖を使った食品は、食品への強い欲求と衝動性という中毒をもたらします。食物を分解する消化液を分泌する能力が時間とともに低下して眠気も生じます。(P187)

チョコレートやコーヒーにはカフェインが含まれており、副腎が過剰に刺激されてアドレナル・ファティーグが悪化します。アルコールももちろんよくありません。(P189,205)

自然食品といっても、牛乳は多くの人に乳糖不耐症があるため、勧められません。むしろヤギ乳やライスミルク、豆乳、ナッツミルクを飲むほうが良いでしょう。緑茶や麦茶やハーブティーもよい飲み物です。(P193-205)

(2)すべての食事に脂肪、たんぱく質、炭水化物を組み合わせる

望ましいのは、脂肪、たんぱく質、でんぷん質の炭水化物をみんな一緒に摂取することです。これらはグルコースに変換されるスピードがそれぞれ異なります。

でんぷん質の炭水化物はかなり早く、たんぱく質はそれより遅く、脂肪はもっとも長くかかって変換されるため、エネルギーが長く持ち、体への負担も少なくて済みます。(P161)

たんぱく質を含む肉類や卵、乳製品を食べて胃部にガスや膨張感が生じることもありますが、消化剤を服用してでも、できるかぎり食べるのが望ましいとされています。(P163)

菜食主義者の場合は、毎回の食事ごとに卵、味噌、海藻、ヨーグルトを食べ、穀物を豆類と種、ナッツと組み合わせることができます。(P164)

(3)多くの野菜、特に色鮮やかな野菜を食べる

毎日の食事に多種多様な野菜を含めるべきです。ビタミン・ミネラル、抗酸化物質、繊維が摂取できます。

特に摂ると良いのは、海藻と食用芽(スプラウト)です。昆布、グリーンオリーブ、デュルセ、完熟オリーブ、赤唐辛子、ツルナ、スイスチャード、ビートの葉、セロリ、ズッキーニなどが良いそうです。

副腎機能の回復に役立つことが証明されている野菜スープのレシピが載っています。

副腎回復スープ
さやいんげん 450g、セロリのみじん切り カップ1(250ml)、ズッキーニの薄切り 1つ分、玉ねぎのみじん切り 中1個、トマトスープ カップ1、ハチミツ 大さじ2、パプリカ 小さじ1 チキンコンソメ カップ1、胡椒 少量  これらを野菜が柔らかくなるまで1時間煮込む。(P171)

(4)おいしいと思う程度の塩を食物に加える

アドレナル・ファティーグの人は、塩分を多くとりたいと感じます。これは、体内のナトリウム、カリウム、水分の量を制御するアルドステロンが不足するためです。体内のナトリウムが減るため、塩が欲しくなるのです。(P337)

塩分は高血圧をもたらすとして控えめにされがちですが、アドレナル・ファティーグの人の大多数は低血圧です。塩は血圧を上昇させるだけでなく、細胞内のナトリウム損失に関連する他の機能回復にも役立つため、すなおに塩をとるべきです。(P160)

ナトリウムが減っていてその濃度を維持できないため、水を飲むと、さらに血液中のナトリウムが希釈されます。水を飲む時にも塩を加えることが必要です。(P196,339)

副腎機能が弱っていると、ナトリウムだけでなくカリウムへの欲求も生まれます。しかしカリウムを含む飲食物(バナナや干しいちじくなどの果物、果汁、炭酸飲料、市販の電解質補給飲料)などを摂取すると、さらにバランスが崩れて体調が悪くなります。

最もよいのは、水、塩、カリウムが正しく組み合わされたものを食べることです。水と一緒に、昆布粉をかけた食品を食べることや、塩を加えた野菜ジュースを飲むことが勧められています。(P162,340)

(5)主に全粒穀物を食べる

でんぷん質の炭水化物は主に穀類や根菜に含まれています。特に、未精製の炭水化物、玄米や全粒穀物を食べるなら持続的なエネルギーが得られます。

ただしアドレナル・ファティーグを患う人はたいてい、朝にシリアルを食べると、たとえ全粒穀物が原料であっても、調子が良くないので注意が必要です。(P166)

血糖値に影響する数値としてグリセミック指数(GI)が参考になりますが、食品の栄養価やエネルギーの持続性は数値に現れないので注意が必要です。(P168)

(6)穀物に豆、種、ナッツを組み合わせる

種やナッツは必須脂肪酸のよい供給源となります。すべて生のまま購入し、酸化を防ぐため冷凍庫で保存します。生のまま食べるのがよく、ローストしたい場合は自分でドライローストします。(P181)

市販のローストナッツや油であげたものは、油の品質が低く注意が必要です。

(7)朝は果物を食べない

低血糖症の人は、特に午前中には、果糖やカリウムを含む果物を避けるべきです。血糖値が急激に上がってしまい、ナトリウムとのバランスも乱れます。

ジュースは低血糖症の患者にとっては勧められない飲料です。(P196)

食べても良い果物は、パパイヤ、マンゴー、プラム、梨、キウイ、りんご、ぶどう、さくらんぼです。

避けたい果物は、バナナ、レーズン、デーツ、いちじく、オレンジ、グレープフルーツとのことです。(P172)

(8)毎日、穀物や野菜、肉に大さじ1-2の必須脂肪酸の多い油を混ぜる

必須脂肪酸の不足は健康に有害です。必須脂肪酸には、オメガ3脂肪酸のグループに属するαリノレン酸と、オメガ6脂肪酸のグループに属するリノール酸があります。

必要な必須脂肪酸を摂取するには、以下のようなヒントがあります。(P178)

■フラックスシードオイルとサンフラワーオイルかひまわり油を1対1で混ぜて、毎日大さじ1-2を食べる直前にかける。

■低温で圧搾された、新鮮で生の未精製の油、遮光容器に入った有機栽培の油だけを買い、冷蔵庫や冷凍庫で保存する。

■硬化油や半硬化油(マーガリンなど)を避ける。揚げ物を食べるのはときたまにし、何度も油を使用したレストランでの食事は避ける。

■オメガ3脂肪酸の供給源として、冷水海水魚(マグロ、サバ、メカジキなどの水銀含有量の多い魚は避ける)をとる。オメガ6脂肪酸の供給源として、新鮮な種やナッツを食べる。

(9)高品質の食品を食べる。

食べ物は自分のからだになります。

「ごみを入れれば、ごみしか出てこない」のであって、「ごみ」を食べれば、アドレナル・ファティーグを患うことになります。(P300)

いつ食べるか

軽度の副腎機能低下を患っている人の多くは、長時間まともな食事をしません。しかし血糖値が低くなるほど、平常値に戻すのにより多くのコルチゾールが要るため、副腎にさらなる負担がかかります。(P155)

朝はコルチゾールがピークに達するため、食欲が沸かないかもしれません。肝機能も弱いため、午前中は食物への嫌悪感がある人もいます。

しかし、前夜に失われたグリコーゲンを補給するため、午前十時以前の食事がきわめて重要である、と書かれています。この点は1日2食を推奨する甲田療法と相反してしますが、わたしとしては、生体リズムを守る観点からも、朝食は必要だと思います。(P158)

また朝食を正午より早めにとることは、遅めの昼食よりも望ましいとされています。11-12時半に食べることができます。

副腎機能低下を患っている人は午後3-4時にコルチゾール濃度が低下するため、午後2-3時に食物をとり、夕食も午後5-6時にはとるべきです。就寝前には軽食を二口くらい食べます。

おなかが空きすぎたり、低血糖症の症状を少しでも感じたりしたら、それは食事時間の開きすぎです。

食べ物により、良質の栄養が供給されるなら、食べる量は少なくてもかまいません。(P159)

食物アレルギーと過敏症に気をつける

副腎はアレルギーによって引き起こされるヒスタミンや炎症性物質の放出を抑制し、アレルギー反応ほ抑えます。よってアレルギーがあると、副腎が弱く、疲弊しやすいといえます。特に食物アレルギーについて知っておくのは大切です。(P206)

食物アレルギーを明らかにするには以下のような検査と調査が役立ちます。(P209-225)

■ELISA(酵素免疫吸着)食品パネル検査
多数の食品のアレルギーを調べる。

■細胞性免疫食物反応検査
遅延型フードアレルギーを調べる。

■観察法
多様な食品に対する反応を観察し、疑いのある食品を2週間摂取しない。その後もう一度それを食べてみて、影響を観察する。食品の目星がついているときに有効。

■内省的日誌法
食後2、3時間以内に反応を起こした場合に症状と食べたものすべてを記録する。記録がたくさんたまったら見返して、共通する食物を洗い出す。食後すぐ反応するが、ときどきしか生じない食物過敏症に有効。

■食物・反応日誌
食べたものすべてと、現れた症状すべてを記録する。内省的日誌法と異なり、反応が出たときだけでなく、すべてを網羅するように努める。無関係に思えるものも書き記し、パターンを探す。

■二日酔いに注目する
アルコールを摂取していないのに二日酔いのような体調が生じるときは、前日の食べ物が原因であることが多いので書き出す。対処法としては、小さじ半分の塩を加えた水を飲むと良い。

■コカ脈拍検査
食物アレルギーが起こると副腎が反応し、脈拍が上がる。食前、食後の脈拍を調べてみることで、反応している食べ物がわかる。しかしアドレナル・ファティーグが重い場合は副腎は反応できないほど疲れているかもしれない。

■食物中毒症
食べるのをやめられない食品があれば中毒になっているので、最初から食べるべきではない。

役立つサプリメント

役立つ栄養サプリメントには、たとえば以下のようなものがあります。

■ビタミンC
ビタミンCはアスコルビン酸とバイオフラボノイドの複合体として存在します。サプリメントとして摂取する場合も両方が含まれていることが必要です。

ビタミンCは水溶性で素早く使い果たされたり、排出されたりするため、1日に数回摂取が必要です。ふつう1日に2-4gが必要で、人によっては15-20g要ることもあります。

食品から得られる量では不十分なので、栄養サプリメントとして多量の補う必要があります。

歯磨き時に出血したり、あざができたりするなら、ビタミンCが欠乏しています。(p230-234)

■ビタミンE
ビタミンEは副腎細胞を傷つけるフリーラジカルを無力化します。ビタミンEのサプリメントのほとんどは、dアルファ・トコフェノールの形態ですが、副腎の回復に必要なのは、混合トコフェノールのサプリメントであることに注意が必要です。(p235-236)

1日につき、800IUが必要です。

■ビタミンB群
パントテン酸
1500mg、ナイアシン25-50mg、ビタミンB6 50-100mg、そしてそれらの働きを高めるビタミンB複合体が必要です。夢を思い出すのが困難であればビタミンB6が不足しています。ビタミンB群は全粒穀物、ビール酵母、味噌などにも含まれています。(p237-239)

■ミネラル
マグネシウム
は、ビタミンCとパントテン酸と連携して副腎を強化します。マグネシウムは玄米、豆、、ナッツ、海藻などに含まれます。

カルシウムは牛乳や乳製品から摂るより、ゴマやケールなどの緑色野菜、豆、ナッツ、昆布に含まれれているものを摂るほうが賢明です。

微量ミネラルはスプラウトやベビーリーフ、海藻や、それらを原料とするサプリメントから摂取できます。(p240-242)

役立つハーブ

アドレナル・ファティーグからの回復に役立つハーブには次のようなものがあります。(p244-249)

■甘草
コルチゾールの濃度を高め、低血糖症の症状の緩和に役立つ。

■アシュワガンダ根と葉
紀元前1000年から使われているアーユルベーダ(インド伝統医学)の薬。コルチゾール濃度が高い場合も低い場合も正常に戻すことが知られている。

■朝鮮人参
男性のコルチゾール濃度を高める

■エゾウコギ
ダイバーやオリンピック選手、宇宙飛行士が用いるストレスへの耐性を高めるサプリメント。副腎の正常化作用がある。

■生姜
副腎にとっての適応促進薬。

■イチョウ葉
副腎細胞をフリーラジカルから守る。

これらに対して、マオウ、コーラの実、濃い紅茶は取るべきでないハーブです。

そのほか、日本ではあまり聞きませんが、副腎細胞エキスの効果が、一章をまるごと割いて語られています。これは、動物の副腎などから抽出した液体か粉末の細胞エキスです。(p250)

また、自然形体のヒドロコルチゾンやDHEAを用いたホルモン補充療法についても説明されています。これは技術のいる領域なので医師の助けが不可欠です。(p266)

アメリカでは、著者の考案したサプリメント、「スーパー・アドレナル・ストレス・フォーミュラー」「アドレナル・C・フォーミュラー」が販売されているそうです。(p268)

考え方を変えるためのアドバイス

ライフスタイルを変えることには、実生活におけるストレスの認知の仕方を変えることも含まれます。

エネルギー泥棒をつきとめる

紙を一枚用意し、日付を書き、上の欄に「わたしにとって良いもの」、下の欄に「わたしにとって悪いもの」と書きます。(p118)

良いものの欄には、自分の健康や幸福に寄与しているものすべて、生活習慣や友だちや趣味などをすべて書きます。悪いものの欄には、不利益と思えるものをすべて書きます。同じものごとに良い面と悪い面が含まれる場合は分けて記述します。

どのようなものに関わるとつかれるか、どのような人といると疲れるかを洗い出すことができれば、それがエネルギー泥棒です。それらは意識して避けることが必要です。

リフレーミング

このブログでも紹介した神経言語プログラミング(NLP)の手法のひとつ、リフレーミング(違う枠組みで見る)が紹介されています。(p128)

ポジティブ・シンキングではなくリフレーミングをしよう
一般にポジティブ・シンキングといわれている考え方は、矛盾をはらみ、根拠がなく、その本質はときにネガティブでさえあります。それは耐震偽装の家のようなものです。本当の意味でポジティブな

これは、ちょうどだまし絵のように、想像力を働かせて別の視点から見ることにより、物事の別の側面か明らかになるというものです。

自分の反応を変えれば、自分が状況をコントロールできる。そして、変化させたい、あるいは和らげたい反応をひとつずつ選んで、自分が被害者でなくなるよう取り組むとよい。言い換えれば、目の前で起きていることを障害と考えるのではなく、チャンスと捉えるのである。(p131)

リフレーミングを実践するには具体的に次のような手法があります。(p132-136)

■否定的な心のつぶやきを書き留める
自分の否定的な考えをかきとめ、数日経ってから、別の見方がないか考えてみる。そして見方を変えるだけでなく、それにしたがって実際に行動してみる

■別の人のようにふるまう
たとえば、毎朝仕事にいくとき、自分は億万長者で働く必要はないが、趣味で仕事しているのだと考えてみる。前の車がのろのろして怒りを感じたら、前の車に乗っているのは子どものころわくわくする話をしてくれた大好きなおばさんだと考えてみる。イメージを駆使して状況を楽しむ。

■煙と消える
小さな紙とマッチ、不燃性の容器を用意する。不満や悩みを書き記したら、火でもやし、完全になくなるのをじっと見つめる。

リラックスするためのアドバイス

1960年代後半、ハーバード・ベンソンという心臓専門医が、瞑想中に起こる体の生理的反応を調べ、リラクゼーション反応と名づけました。副交感神経が優位となり、脳からはα波が発生します。

リラクゼーション反応を起こす練習として腹式呼吸、呼吸の速度を落とすこと、吐く息を数えること、自分にとって心が落ち着く言葉やフレーズを繰り返すこと、全身の各部分に順番に力を入れ、次いで脱力する漸進的筋弛緩法、静かな池を定期的に思い浮かべることなどが提案されています。(p136-141)

リラックスには笑いも大切です。

笑いと治癒力 (岩波現代文庫―社会) および、続・笑いと治癒力―生への意欲 (岩波現代文庫)の著者ノーマン・カズンズは、強直性脊椎炎にかかりましたが、ビタミンCをとることに加え、自分が笑う可能性のあらゆることをしました。

面白い映画を見たり、ユーモアのある本やマンガなど、ありとあらゆるもので笑いを誘った結果、健康になったといいます。

睡眠と運動のアドバイス

睡眠と運動については次のようにアドバイスされています。(p142-147、149-153)

■時間について
午後11時に元気が復活する前にベッドに入る。

午前1-3時に目が覚めるなら、夜間に血糖値を保てていないのかもしれない。就寝前にたんぱく質や未精製の炭水化物でちょっとした軽食をとるとよい。

夜目が覚めた時に検査をしてコルチゾールが高ければ、寝る前にリラクゼーションする。逆に低いようなら、寝る前に運動する。

午前7時から9時までの睡眠には不思議なほど回復力があるので、可能ならゆっくり寝る。日中は十分に運動する。運動は楽しいものであることが大切

■刺激を避ける
コーヒーやカフェイン、チョコレートは刺激剤となるので避ける。夜の光も避ける

■寝る前にリラックスする
メラトニン(0.3-1.3mg)を就寝30分前に飲む。寝る前にクエン酸カルシウム(50mg)、5-ヒドロキシトリプトファンを一緒にとるとリラックスできる。就寝30分前に副腎エキスや視床下部エキスを服用するハーブのうち、ホップ、イヌハッカの葉、カノコソウの根、甘草の根、アシュワガンダなども役立つ。

副腎疲労の対処法のまとめ

ここまで、アドレナル・ファティーグの治療に役立つさまざまなアドバイスを見てきました。それらは食事、睡眠、運動、認知の仕方など生活全般に及びます。

序文の中で、タホマクリニック医長ジョナサン・V・ライトはこう述べています。

もし、この本を読んであなたがアドレナル・ファティーグに苦しんでいるとわかった場合、回復するためにはあなた自身が努力をしなくてはいけません。ウィルソン博士の説明にもあるように、生活習慣を変え、食生活も変える(時には大きく変える)必要があります。

ビタミン、ミネラル、ハーブを摂取し、自分自身の状態の把握のために検査を受け、多くの行動が必要となります。時には「物事の受け止めかた」や人間関係さえも、調整が必要となるでしょう。

知識のある医師からの助言、指導は受けられますが、それを行うかどうかは、自分自身にかかっています。しかし、努力する価値はあります。アドレナル・ファティーグだったとしても、「プログラムに従って」治療することで、劇的に回復する可能性があるのです。(p20-21)

アドレナル・ファティーグから回復するには短くて3ヶ月かかり、最長で2年かかるそうです。少なくとも3週間は効果が現れません。

そのため、良い変化があっても見過ごされがちです。微妙な改善を実感するため、日誌をつけることが推奨されています。

わたし自身は、アドレナル・ファティーグと診断されたわけではありませんが、本書を読むことでいろいろな発見がありました。

アドレナル・ファティーグは、社会生活を営める慢性的な疲労にすぎない段階から、身動きできない重度の疲労に至るまで幅広く含む概念ですが、わたしの体調にも関わっていることは間違いないと思われます。副腎ホルモンの検査結果ではいつも低値であることがそれを裏付けています。

この本の大部分をしめる食事療法の情報は、これまでさまざまなローフードや食養についての本で読んだ内容と似通ったもので、自分の取り組み方が正しかったこともわかりました。

CFSが生活習慣の改善だけで治るとは思えませんが、食事や運動などのライフスタイルを正さなければ治らないこともまた真実なので、この本のアドバイスをまじめに実践していきたいと思います。

最後に、ここまで取り上げたアドレナル・ファティーグのためのアドバイスを、すべきことと避けるべきことの二つに大別してまとめます。

すべきこと

■午後10時前にベッドに入る
■可能なときには、いつでも、朝9時まで寝る

■笑わせてくれるものを探す
■エネルギー泥棒を見つけて排除する
■自分の生活習慣を治療的な生活習慣にする
■毎日何か楽しいことをする
■人生を楽しんでいないときにはいつでも、「自分にできる3つのこと」のセクションに戻り、何か行動を起こす。(自分にできる3つのこと。(1)状況を変えることができる。(2)状況に合わせて自分を変えることができる。(3)状況から離れることができる)
■毎日、感謝の気持ちを抱く小さな日常的なことに最低1つ気づくようにする

■規則的に栄養サプリメントをとる
■体を動かし、深く息をする
■自分の回復能力を信じる
■心を強力な癒やしの道具として用いる
■日誌をつけるー自分の経験を毎日書き留める

■体が必要とするものを食べる
■調子の悪くなる食品を知るためにリストをつくる
■本書を必要なだけ読み返す
■コップ1杯の水に小さじ半分から1杯の塩を入れてかき混ぜて飲む。朝に試す
■食べものに塩を加える
■果物をとるなら、その前か後に塩気のあるものを食べ。努めてよくかむ
■毎食時、でんぷん質の炭水化物、たんぱく質、脂肪を組み合わせる
■自然食品を豊富に食べる
■有色野菜をたくさん食べる

■自分の健康に関する力と責任を自分の手中に収める
■回復を楽しむ

■毎日午後2時ごろに軽食と一緒に1000mgのビタミンC複合体を200gのマグネシウムとパントテン酸と一緒にとり、午後3-4時に低エネルギー状態に陥るのを避けるようにする

避けるべきこと

■疲れきること
■カフェイン、砂糖、アルコール、精白粉製品

■午後11時を過ぎて遅くまで起きていること
■無理すること
■エネルギー泥棒

■自分に厳しくしたり否定的になったりすること
■自分を哀れむこと

■中毒になっている食品
■アレルギーや過敏症の疑いのある食品
■気分がわるくなったり、思考を鈍らせたり。何らかの方法で健康が衰える食品
■朝食を抜くこと
■でんぷん質の炭水化物(パンやパスタ)をそれだけで食べること
■どれだけおいしくても、強い欲求を感じても、何らかの悪影響を及ぼす食品

著者は本書のおわりにこう述べています。

しかし、アドレナル・ファティーグを患っていても、我々の体は、素晴らしく、美しく、驚くほど賢明である。

変わらなければならないのは、我々の社会や、現代生活のストレスへの不適応、そして低下した判断力である。

社会を変えることは難しいかもしれないが、自分の体を大切にし、ストレスに対して健康的に反応することに関しては、もっと的確に判断する方法を習得することができる。(p341)

アドレナル・ファティーグについてもっと知りたいなら、副腎疲労に関する書籍には次のようなものがあります。

このエントリでは大まかにまとめましたが、本書医者も知らないアドレナル・ファティーグ―疲労ストレスは撃退できる!はみの何十倍も情報が豊富な本なので、興味ある方はぜひ読んでみるようお勧めいたします。

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副腎疲労・低血糖症など