オーバートレーニング症候群は慢性疲労症候群(CFS)とほぼ同義ー大久保嘉人選手や権田修一選手が発症


ッカーの大久保嘉人選手がオーバートレーニング症候群に悩まされていたことが書かれています。オーバートレーニング症候群は臨床的には慢性疲労症候群と同義であると言われています。

時事ドットコム:「燃え尽き症候群」克服=選手生命賭けたW杯-大久保選手〔W杯〕

 原因不明の睡魔にも襲われ、専門医のカウンセリングを受けた。結果は燃え尽き症候群とも呼ばれる「オーバートレーニング症候群」だった。
 同症候群に詳しい日本体育大の岡本孝信教授(運動生理学)によると、生理的な疲労が回復しないままトレーニングを続けることで慢性疲労状態に陥る。責任感の強い人に多く、重症の場合は、うつ病に似た症状を訴え、選手生命に影響を及ぼすこともあるという。

岡本孝信教授についても調べてみましたが、特に情報はありませんでした。

オーバートレーニング症候群について、このブログでは以下の記事で扱っています。

それは体罰の問題ではないー背後にある「壮大な人体実験」とは何か
高校のバスケットボール部に所属していた方が、体罰を苦に自殺されたという痛ましいニュースが話題になっています。しかしこの事件を体罰の問題とみなしてしまうのは、問題のすり替えといえます

子どもの慢性疲労症候群を診ている三池先生は、書籍学校を捨ててみよう!―子どもの脳は疲れはてている の中でこのように書いておられます。

オーバートレーニングは、臨床的には慢性疲労症候群とほぼ同様であり、生体リズムの乱れをともなっている。

…部活によるオーバートレーニングにより、日常生活ができなくなってしまう症例は、日常診療のなかの慢性疲労症候群(不登校)でしばしばみられるものであり、全国で少なくとも一年間に小中学校生徒の二万人程度がこの状態で苦しんでいると算定される。

…オーバートレーニングからの脱出には、年余の時間が必要であり、希望に燃えた若者への負担はあまりにも大きく、なかには将来への希望をあきらめなければならない人もあり、一生の問題となる。 (p74-75)

また、慢性疲労症候群の近縁疾患である線維筋痛症(CS)も、オーバートレーニングをきっかけに発症するケースがあるようです。

線維筋痛症の診断と治療 村上正人 - 脊髄外科, 2016

 線維筋痛症の発症要因として,何らかの感染症,炎症性疾患などを契機とするものが56.2%,手術21.2%,外傷16.9%, スポーツ3.8%となっており,整形 ・脊髄外科系の要因として脊椎の手術5.2%, 筋骨格系の手術が13.4%,外傷の54%が脊椎外傷であった6)(Fig.3).

スポーツで問題となるのは,過剰なノルマや肉体的負荷が誘因となるオーバートレーニングであり, 頻度は0.9% と少ないが無理な過重なマッサージが誘因となることもある.

診断に役立つ指標としては、スポーツ王国ぎふ|競技スポーツの振興によると、「疲労症状の高まりと平行して起床時の心拍数が増加するといわれています(10拍1分以上の増加)」。

安静時の検査には異常が出ないものの、運動中の酸素代謝などがわかるCPX(Cardio-pulmonary exercise test)によって診断できると長崎内科クリニックのサイトには書かれてありました。

「コルチゾルの数値、性ホルモンの変動を血液検査で確認することが有効」との記述もありました。

いずれにせよ、医学的には原因不明であり、中枢神経系の問題ではないかとされているそうです。慢性疲労症候群とメカニズムが同じなのだとしたら、脳の炎症が関わっているのかもしれません。

筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)と脳内炎症の関連が解明される
CFSに脳内炎症が広く関わっていることがわかったそうです。

この研究では、慢性疲労症候群は『感染症や過度の生活ストレスなど複合的な要因が引き金になり、「疲れが取れない」という状態に脳が陥る』ものと定義されていて、オーバートレーニング症候群も含むのではないかと思われます。

オーバートレーニング症候群に陥った選手としては、サッカーの森崎浩司選手や大久保嘉人選手、市川大祐選手、内田篤人選手など回復された例しか知りませんが、慢性疲労症候群(CFS)のように重症化して社会生活ができなくなる例もあるのでしょうか。

前述のとおり、オーバートレーニング症候群は小児CFSとの関わりでよく言及されていて、過度の部活をきっかけに中枢神経が疲労することが多いようです。成人の場合にも過度のスポーツからCFSを発症された方はいるのでしょうか。

今回のニュースで、大久保選手は岡本教授(専門家)から「重症だった可能性が高い」とされていますが、少なくとも競技者であり続けられた状態を重症と言われると、CFSとの比較でいえば少し疑問も感じます。

▼2015/08/05追記
その後、FC東京のGK権田修一がオーバートレーニング症候群と診断されたことが発表されました。

代表辞退の権田は「オーバートレーニング症候群」。過去には大久保も発症 | フットボールチャンネル | サッカー情報満載! はてなブックマーク - 代表辞退の権田は「オーバートレーニング症候群」。過去には大久保も発症 | フットボールチャンネル | サッカー情報満載!

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オーバートレーニング症候群 / 慢性疲労症候群