妊娠中の子癇前症やヘルペスウイルス感染が子どもの自閉症リスクに?

娠中に子癇前症と呼ばれる高血圧症を発症していた母親から生まれた子どもは、自閉症スペクトラムや発育遅延を起こすリスクが2倍になるとの研究があったそうです。子癇前症の症状が重度であるほど、自閉症リスクが高まるともされています。

母親の子癇前症、子どもの自閉症リスクと「顕著に」関連 米研究 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

また、妊娠早期に単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)に感染した場合の母親の免疫反応が自閉症リスクと関連していて、「炎症と免疫活性化がリスクの一因となる可能性があることが示唆された」ともされていました。

妊娠中の性器ヘルペス感染、自閉症リスクに関連研究:時事ドットコム

 米国では、子ども88人に1人、別のデータでは68人に1人の割合でASD(自閉症スペクトラム障害)が見られるそうです。以前は、遺伝的なものとされていましたが、記事でも触れられているように、最近の研究では遺伝子と環境、両方の要因が指摘されています。

今回の研究では、母親のほうのリスクに焦点が当てられていますが、自閉症スペクトラムの確率と関係しているのは、父親の高齢だという研究もありますから、夫婦双方が関わっているといえそうです。

世界初:一遺伝子変異の遺伝的リスクと父の加齢との関... | プレスリリース | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-

遺伝的リスクの次世代への伝わり方は、父親の加齢によって異なる - 東北大 | マイナビニュース

自閉症スペクトラムはさまざまな要因が絡む多因子疾患とされていますから、今回の研究も、単一の原因ではなく、さまざまな原因のうちの一つとして考えておくのがよいと思います。

妊娠時期の感染症が関わっている場合でも、ASDは母親のせいと考えるべきものではないことにも注意が必要です。

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ASD(自閉スペクトラム症)