痛みや炎症で中枢神経の病気が悪化―多発性硬化症とパーキンソン病


々のニュースですが、痛みや炎症にともなって、中枢神経の病気が悪化するという報道がありました。

痛みで多発性硬化症が悪化

北海道大学の村上正晃教授らの研究グループによると、痛みが神経の病気を悪化させることが実証されたそうです。

痛みが神経の病気を悪化させることを、多発性硬化症の動物モデルで実証-北大 - QLifePro 医療ニュース はてなブックマーク - 痛みが神経の病気を悪化させることを、多発性硬化症の動物モデルで実証-北大 - QLifePro 医療ニュース

痛みが神経の病気を悪化させることを実証(遺伝子病制御研究所 教授 村上正晃)(PDF)

多発性硬化症の動物モデル(EAE)を使った研究では、

■実験的に痛みを与えるとEAEの症状が悪化した
■逆に鎮痛剤を与えるとその症状が改善した
■症状が落ち着いたとき(寛解期)に痛みを誘導すると、EAE の症状が再発した
■他のストレスではEAEは再発しなかった

といったことがわかりました。

このことは、痛みが直接的に多発性硬化症の進行に関与していることを示していて、鎮痛剤を用いた痛みの抑制や、神経シグナルの抑制物質が、病気の再発を防ぐ新たな手段になると述べられています。

また、この経路は、研究グループが以前発見した、地球の重力がふくらはぎの筋肉を刺激し、腰髄の血管に免疫細胞を集めて多発性硬化症を発症させる「ゲートウェイ反射」と同様のもので、その二例目だとわかったとのことです。

「ゲートウェイ反射」とは、感覚神経―交感神経の活性化を通じて、神経ネットワークが生じ、臓器の炎症状態を変化させるというものです。

多発性硬化症は、初発時には、重力の「ゲートウェイ反射」によって、第五腰髄(L5)の背側の血管に炎症が生じますが、再発時には、痛みの「ゲートウェイ反射」によって脳の前帯状回(AAC)が刺激され、それにともなってL5の腹側の血管に炎症が起きるとのことです。

米国ボストンの多発性硬化症を患う1123人を対象とした研究によると、多発性硬化症の症状の悪化は、さまざまな指標によって予測できるというニュースもありました

炎症でパーキンソン病が悪化

別のニュースによると、国立病院機構宇多野病院の澤田秀幸部長らのグループは、パーキンソン病の進行に炎症性物質の血中濃度が関係していることを突き止めました。

パーキンソン病、炎症物質で進行 京都・宇多野病院調査 : 京都新聞 はてなブックマーク - パーキンソン病、炎症物質で進行 京都・宇多野病院調査 : 京都新聞

宇多野病院を受診したパーキンソン病の患者313人(平均69.1歳)について、血中の炎症性物質の指標であるCRP値と病気の進行との関連を調べたところ、

■全体の約3分の2は血液1リットル中のCRP値が0.8mg以下で、10年生存率は約70%
■残りの3分の1はCRP値が高く、10年生存率は50%未満
■患者の年齢や発症からの期間は関係なかった

ということがわかったそうです。

澤田部長は

パーキンソン病の患者では、炎症を伴うような病気やけがは悪化につながる恐れがあるので、できるだけ早く治療するのが望ましい

と述べ、同時に、体の炎症を抑える治療で病気の進行を遅らせることができる可能性についても触れています。

このブログで取り上げている慢性疲労症候群や線維筋痛症も中枢神経の病気であり、痛みや炎症を伴うことが知られていますが、その痛みや炎症そのものが病気を悪化させている可能性があるのかもしれません。痛みや炎症を抑える治療が大切になるのかな、と思いました。

スポンサーリンク

スポンサーリンク
パーキンソン病 / 多発性硬化症