子宮頸がんワクチン副反応は「どの病気にも当てはまらない新しい病気」―若年性線維筋痛症の横田先生


年性線維筋痛症(JFM)を長年診てこられた前日本小児科学会長、横浜市立大名誉教授の横田俊平さんが、昨今問題となっている子宮頸がんワクチンの副反応による後遺症、通称 HANSについて話しているニュースがありました。

ただし、現在のところ子宮頸がんワクチンとの関連が取り沙汰されているとはいえ、まったく別の原因による可能性もあるため、注意が必要です。

くらしナビ・医療・健康:子宮頸がんワクチン勧奨中止から2年 横田俊平・前日本小児科学会長に聞く - 毎日新聞

新しい病気「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン関連神経免疫異常症候群(HANS)」

横田先生が子宮頸がんワクチン接種後の後遺症を訴える患者をはじめて見たのは2012年1月のことだったそうです。最初は線維筋痛症を疑ったものの、症状が異なり、その後、同様の患者が次々に現れたため、新しい病気を疑いはじめました。

症状としては、以下のものがあるといいます。

■ワクチン接種を受けるまで精神・運動機能が正常
■接種後は姿勢を保てなくなり、車椅子生活になったり登校できなくなったりしている
■運動系障害(歩行できない、バランスが取れない、けいれんなど)
■感覚系障害(手足や全身の痛み、だるさ、光がまぶしい、幻聴など)
■自律神経・内分泌系障害(日中眠い、起床時からの頭痛、過食、生理不順など)
■認知・情動系障害(無気力、顔が覚えられない、記憶の障害など)

横田先生は、こう述べています。

「全身に痛みがある」ということで、最初は子どもの線維筋痛症ではないかと思ったのですが、入院させて様子を見ると、光過敏や幻聴などもあり、どの病気にも当てはまらない。

…私たちの研究チームは「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン関連神経免疫異常症候群(HANS)」という新しい病気と考えています。

発症メカニズムは、二つのワクチン(サーバリックスとガーダシル)に共通するたんぱく質による、免疫機能への影響ではないかと考えられていて、脳の視床下部に異常が起きている可能性が示唆されています。

しかし現状は、対症療法しかありません。

以前のニュースでも、線維筋痛症学会理事長の西岡久寿樹先生が、最近、若年性線維筋痛症のような病態の患者が急増しているが、その8割はHANSだと述べていました。

近年発症した10代の線維筋痛症の8割がHANS症候群?
若年の線維筋痛症に子宮頸がんワクチン接種がきっかけの患者が増えているそうです

また、横田先生のもとで若年性線維筋痛症を診てこられた東京女子医科大学 膠原病リウマチ痛風センター 宮前 多佳子先生は、HANSには、素因がない、高次脳機能障害が見られるなど、若年性線維筋痛症とは違う特徴があると述べておられました。

子供の体の慢性的な痛み「若年性線維筋痛症(JFM)」とは? 原因と治療法
子どもの慢性痛、若年性線維筋痛症とはどんな病気なのでしょうか。どんな治療法が可能でしょうか。東京女子医科大学 膠原病リウマチ痛風センターの宮前 多佳子先生による「小児の線維筋痛症」

お二人とも、子どもの線維筋痛症を長年、もっとも近くで診てこられた方ですから、そのお二人が、今までと違う、と感じておられるのであれば、やはり新しい病気と考えて間違いないのだと思います。

ただし、注意を要する点として、症状と子宮頸がんワクチンの関連は証明されていません。とても重い症状が現れていることは事実ですが、他のわかりにくい原因が隠れている可能性もおおいにあると思われます。

非常に深刻な問題であり、多くの若い人の将来がかかっているので、一日も早く実態が明らかになり、効果的な治療法が見つかってほしいところです。また原因に関する論争も早く決着がついて、偏見や否定がなくなってほしいとも思います。

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