小児慢性疲労症候群(CCFS)の子どもは脳の情報処理で過活動が生じていることが判明

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児慢性疲労症候群(CCFS)に関する理化学研究所の研究結果がリリースされていました。

小児慢性疲労症候群(CCFS)の子どもの二重課題時の脳機能を調べたところ、健康な子どもよりが左脳だけでこなす作業に、通常は判断力に関わる右脳も同時に働かせているために疲労が生じるのかもしれない、ということがわかったそうです。

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小児慢性疲労症候群とは

小児慢性疲労症候群(CCFS)は3ヶ月以上つづく疲労・倦怠感および概日リズム睡眠障害を伴う病気だとされています。

子どもの不登校と深く関係していると考えられており、記憶力や注意力の低下などが見られ、勉強についていけず、学校生活から脱落するなどの問題も生じています。

小児慢性疲労症候群につい詳しくはこちらをご覧ください。

その不登校ーもしかして小児慢性疲労症候群?
その「不登校」は、本当に単なる「怠け」「こころの問題」「親の育て方のせい」でしょうか。もしかすると深刻な中枢神経の病気、小児慢性疲労症候群(CCFS)かもしれません。

二重課題時の注意配分機能の低下

理化学研究所の水野敬研究員らの研究では、以前より、健常な子どもと小児慢性疲労症候群の子どもを対象に、平仮名で書かれた物語を読ませ、母音の拾い上げと物語の内容理解の同時処理を要求する「仮名拾いテスト」と呼ばれる手法で、脳機能の違いが調べられていました。

「仮名拾いテスト」は、複数の処理を同時に行う二重課題、つまりデュアルタスクなので、母音の拾い上げと内容理解に同時に意識を向ける必要があります。、

このような複数のタスクに同時に注意を払う脳の機能は、「注意配分機能」と呼ばれます。

以前の研究でも、CCFSの子どもは健常な子どもより「仮名拾いテスト」の成績が低いことがわかっていましたが、注意配分機能が低下している脳で何がおきているのかは分かっていませんでした。

※左脳だけでなく右脳も使っていることは以前の研究でもわかっており、2010/6/26付の神戸新聞のニュースで報告されています

脳の過剰な神経活動

今回の研究では、CCFSの子ども15名と健常な子ども13名を対象に、二重課題と一重課題の最中の脳の活動状態がfMRIで測定されました。

その結果…

■二重課題に関係する脳の部位
二重課題では前頭葉の一部である「下前頭回背側部」と頭頂葉の一部である「上頭頂小葉」が活性化することがわかりました。これはCCFSでも健常でも同じでした。

■疲れた健常な子どもの脳活動
疲労している健常な子どもは、二重課題のときに左脳の「左下前頭回背側部」がより強く活性化していました。

■CCFSで特異な脳活動 (一重課題のとき)
CCFSの子どもでは、一重課題と二重課題いずれの時も通常の左脳に加えて、右脳の「右中前頭回」と呼ばれる別の場所が活性化していました。そこが強く働くほど物語の内容の理解度が深まりました。

■CCFSで特異な脳活動 (二重課題のとき)
CCFSの子どもでは、二重課題のときは、「右中前頭回」に加え、さらに「前帯状回背側部」も特異的に活性化していました。

これらの結果から、単に疲れている子どもと、慢性疲労症候群(CFS)の子どもとでは、脳の活動状態がまったく異なっていることがわかります。

健康な子どもであれば、疲れていても疲れていなくても、注意配分タスクのとき、左下前頭回のみで情報処理できるのに、CCFSの子どもは、さらに複数の部位を使わないと、内容が理解できないようです。

文章理解のために普段使っている左脳のほかに、普通は使わないはず右脳も使わないと情報処理できないため、脳の過剰活動が生じ、慢性的な疲労につながるのかもしれません。

なぜ疲労が生じているのか

この研究結果から、CCFSの子どもは単一のタスクをこなすときも、二重のデュアルタスクをこなすときも、過剰に神経を活動させて脳の情報処理を行っていて、非効率的な前頭葉の活動による負担や、精神的な負荷が生じているのではないかと懸念されています。

これは、疲労により脳が活動しにくくなっているのではなく、脳の機能低下を補うためにむしろ脳を過剰に活動させているのではないか、と推測されています。

つまり、疲労が原因で思考力が落ちる普通の疲れた子どもたちとはまったく逆に、CCFSでは先に脳機能の低下があるために疲労が生じているのではないか、ということだと思います。

今後は、CCFSを治療すれば脳機能は正常になるのか、あるいは前頭葉の過活動を抑制すれば、CCFSが回復するのか、といったことを調べて、CCFSの病態の解明や治療法の開発を目指すそうです。

また、やはり注意配分機能などに異常が見られる注意欠陥多動性障害(ADHD)にも研究手法を応用するとのことです。

理化学研究所の水野敬研究員によると、「今回の方法は、治療効果の判定に応用できる」とのこと。

また兵庫県立リハビリテーション中央病院の田島世貴医長によると、

患者や家族が、病気と認めないケースも多い。画像で脳の状態を客観的に見せることで、治療に向き合うきっかけになる

とされています。

なぜ脳機能の低下が生じているのか。CCFSの発症前には健康な子どもと同じような脳の用い方をしているのか、それとも発症前から脳の使い方が違っていたのか。そしてCCFSの子どもが左脳が関係する作業に判断力を担う右脳も使っていることにはどういう意味があるのか、といったことが気になりますね。

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