2016年春に脳脊髄液減少症の保険適用を目指す―厚生労働省研究班が発表

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本脳神経外科学会で、脳脊髄液減少症の厚生労働省研究班代表である嘉山孝正先生が、2016年春に脳脊髄液減少症の保険適用を目指していることを発表したそうです。

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(元は毎日新聞の記事ですが、会員登録が必要なので、Yahoo!ニュースのほうのリンクを掲載しています)

脳脊髄液減少症とは?

脳脊髄液減少症とは、脳の髄液が漏れだすことで、脳神経が影響を受け、激しい頭痛をはじめ、さまざまな全身症状が生じる病気です。

髄液が漏れだすきっかけはさまざまで、交通事故のむち打ちや、柔道など激しいスポーツでの事故、吹奏楽での演奏、転んで尻もちをつくことなど色々なパターンが報告されていて、中には目立ったきっかけが思い当たらないものもあります。

寝たきりになることから慢性疲労症候群と思われたり、あるいは激しい痛みから線維筋痛症と診断されたりしていることもあるので、このブログでは鑑別を要する関連疾患として取り上げてきました。

特に、以下のような症状があれば、脳脊髄液減少症の可能性があるかもしれません。

■何らかの外傷や事故をきっかけに発症した
■横になるとましだが、体を起こすと激しい頭痛がある
■点滴、水分補給で症状が和らぐ
■午後から夕方にかけて悪化しやすい
■天候の悪化に敏感

治療法としては、自己血で髄液漏れの穴をふさぐブラッドパッチ、フィブリン糊パッチ、持続生理食塩水注入(生食パッチ)、硬膜外空気注入、人工髄液アートセレブ、点滴などいろいな方法が開発されています。

脳脊髄液減少症について詳しくは以下の記事で紹介している本をご覧ください。

「脳脊髄液減少症を知っていますか: Dr.篠永の診断・治療・アドバイス」を読んで
篠永正道先生の最新書籍「 脳脊髄液減少症を知っていますか: Dr.篠永の診断・治療・アドバイス」を読んで、慢性疲労症候群との関連で気になった点について書いています。弱い立場にあり

脳脊髄液減少症のこれまでの経緯

脳脊髄液減少症は、篠永正道先生が2000年に、交通事故後のむち打ち症と脳脊髄液の漏れを関連づけたことで、はじめて一つの病気として知られるようになりました。

当初はそう簡単に髄液が漏れたりしないという医学界の常識があったため、懐疑的な意見が非常に多くありました。

2006年に初めて日本脳神経外科学会でテーマに選ばれたものの、「ほとんどが誤診だ」などと否定的な意見が多かったそうです。

その後、厚生労働省の研究班が2007年に発足。

2011年10月には、MRIの画像検査で脳脊髄液の漏れを判定する診断基準がまとめられ、画像で異常が見られる症例が特に「脳脊髄液漏出症」と呼ばれるようになりました。

2012年5月には治療法であるブラッドパッチが先進医療に認められました。前述の「脳脊髄液漏出症」に限って、保険適用との併がを認められ、患者負担は、30万円から、約半額にまで減ったそうです。

しかし、この画像検査で異常が見られる「脳脊髄液漏出症」は脳脊髄液減少症の2割程度にすぎないとされていて、異常が見られない多くの患者は取り残されていました。

その後、脳脊髄液減少症のマンガが出版されたり柔道事故による脳脊髄液減少症が話題になったりで、脳脊髄液減少症という病気も次第によく知られるようになってきました。

その間に、先進医療としてブラッドパッチを行う病院は、当初の12機関から現在の46機関まで増加。研究や概念の理解も進んで、ようやく保険適用が見えてきた、ということなのだと思います。

脳脊髄液減少症が保険適用へ 

研究班に参加している山形大学の佐藤慎哉先生によると、すでに脳脊髄液減少症に対するブラッドパッチ両方の先進医療の承認を得た医療機関が全国で46あり、そのうち30機関から890の症例が集まっているとのこと。

佐藤先生はこう述べたそうです。

症例の分析を進め、来春の診療報酬の改定で保険適用が認めてもらえればと考えている

プロフィール:佐藤 慎哉|スタッフ紹介|山形大学医学部脳神経外科 はてなブックマーク - プロフィール:佐藤 慎哉|スタッフ紹介|山形大学医学部脳神経外科

また研究班代表の嘉山孝正先生はこう述べています。

来春の保険適用が見えてきたということ。患者のために何とか進めたい

今だに、交通事故後に脳脊髄液減少症が生じるのかどうか、という点は裁判でよく論争になっていますし、今回の保険適用が広い意味での脳脊髄液減少症をしっかりカバーするものなのか気になりますが、16年かけての保険適用は重要な一歩だと思います。

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