自閉スペクトラム症(ASD)の人は会話するとき顔が近い―東大の研究

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たしたちは他人が近づいてくると、ある距離のラインを越えた時に「近すぎる!」と不快感を覚えます。このラインの内側はパーソナル・スペースと呼ばれます。

東大の研究によると、自閉スペクトラム症(ASD)、アスペルガー症候群(AS)の人は、不快に思う対人距離が短いために、コミュニケーションをするときに相手のパーソナルスペースに接近しすぎる、という研究が出ていました。

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自閉スペクトラム症の人は、対人距離を短く取る傾向がある―東大・浅田晃佑氏ら | サイエンス - 財経新聞

この研究は、定型発達者と自閉スペクトラム症の人とで、居心地のよい距離感が各々異なることを示していて、それがお互いのコミュニケーションの行き違いの一因になっているように思えます。

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対人距離が近すぎる

東大の先端科学技術研究センターの、浅田晃佑 特任研究員、熊谷晋一郎 准教授らのグループは、自閉スペクトラム症(自閉症、アスペルガー障害、広汎性発達障害など)の人のパーソナルスペースについて研究しました。

研究では、12歳から19歳の自閉スペクトラム症の人とそうでない人それぞれ16名(男性15名、女性1名)を対象に、不快と感じる対人距離のラインを調べたところ、自閉スペクトラム症の人は対人距離を短く取る傾向がありました。

その距離は人によって異なっていましたが、自閉スペクトラム症の度合いが高いことと距離が短いこととが関係していたそうです。

また、自閉スペクトラム症の人も、そうでない人も、アイコンタクトを取ると対人距離を長く取るようになったことから、視線の接触と対人距離の調節に関係があることがわかったとされています。

定型発達と自閉スペクトラム症のすれ違いの一因?

この研究からすると、定型発達者と自閉スペクトラム症の人が会話する場合、それぞれ適切と感じる対人距離が異なっていることがわかります。

対人距離が近すぎると、相手はパーソナルスペースに踏み込まれたと感じて不快感を感じる可能性があります。逆に対人距離が遠すぎると、相手は親密さが感じられず、よそよそしく感じます。

定型発達者がふさわしいと感じる対人距離で会話すると、自閉スペクトラム症の人のほうは「遠すぎる!」と思って、よそよそしさや疎外感を感じ取りやすいかもしれません。

逆に自閉スペクトラム症の人がふさわしいと感じる対人距離まで接近して会話すると、定型発達者のほうは「近すぎる!」と思って、失礼で配慮に欠けるという印象を持つかもしれません。

定型発達者と自閉スペクトラム症の人とでコミュニケーションが難しい理由は色々あると思いますが、もしかすると、対人距離の違いがそれぞれの印象を左右しているのではないか?と思えるとても興味深い実験だと思いました。

自閉スペクトラム症の人のパーソナルスペースの研究は前にもどこかで読んだ覚えがあって、そのときもなるほど、と思ったのですが、今回の説明でより理解が深まった気がします。

確かに、わたしの知り合いのアスペルガー症候群の人は、すべてではないにしても、会話の時に「近すぎる!」と感じる人が複数います。わたしは、思わず一歩後ずさりしてしまうのですが、そうすると相手は一歩にじり寄ってきます。

アスペルガー症候群のパーソナルスペースなどの話を知らないときは、近視かな?と適当なことを思っていたのですが、こうした研究からすると、それが相手にとって程よい安心感を得られる距離だったようですね。

研究のプレスリリースの最後で、

自閉スペクトラム症の人も、自閉スペクトラム症でない人も、対人距離には人によって差があることを踏まえて社会生活を送ることで、よりよいコミュニケーションを行うことができると期待できます。

と結ばれていますが、お互いの居心地のよい距離感が違うというのは…、とりあえず、互いの感覚の違いを知るのが第一歩ではあるものの、具体的にどう対処すればいいのでしょうね。

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