おすすめする本、お気に入りの本のリスト

のブログで紹介してきた数百冊の本の中で、特におすすめする本、お気に入りの本をリストアップしました。あくまで個人的な基準によるものですが、参考になれば幸いです。

おすすめする本

原因不明の身体症状に悩んでいる人は、特定の病名についての本を読むだけでなく、以下の数冊を読むと、いずれも分厚い本ながら、より広い観点から自分の体に何が起こっているのか理解が深まるのでおすすめです。

脳はいかに治癒をもたらすか 神経可塑性研究の最前線
脳は大人になっても変化しつづける可塑性をもっており、その可塑性を刺激する治療によって、これまで治らないとされてきた様々な疾患にアプローチできる事例を集めた本。

薬や手術で無理やりからだを変えるのではなく、視覚や聴覚、触覚を通して脳に刺激を送るボトムアップの方法が研究されています。

扱われている病気は、慢性疼痛、自己免疫疾患、交通事故後の外傷性脳損傷、パーキンソン病などの神経疾患、発達障害など多岐にわたります。

光や音の「感覚過敏」を科学する時が来た―線維筋痛症や発達障害,トラウマなどに伴う見えない障害
線維筋痛症に極度の明るさ過敏「眼球使用困難症候群」が伴いやすいという記事をきっかけに、さまざまなタイプの感覚過敏の原因とメカニズムを考察してみました。 、

身体が「ノー」と言うとき―抑圧された感情の代価
慢性疲労、慢性疼痛、自己免疫疾患など、さまざまなからだの病気を抱える人たちが、自分でも意識していない思い込みや信念のゆえに感情を抑圧する解離傾向を持っており、口でノーと言えないがために身体がノーと言っているという心身の免疫の相関(精神神経免疫学)について研究した本。

口で「ノー」と言えなければ身体が「ノー」と言うようになる― 抑圧された感情が招く難病と慢性疾患
ガンや自己免疫疾患、慢性疲労症候群(CFS)を含む多くの難病は、突然発症するのではなく、子どものころから抑圧してきた感情が関係している。患者の気持ちに配慮しつつ、ガボール・マテ博士
病気の人が習慣にしがちな偽りのポジティブ思考とは何か
病気の人はポジティブシンキングを身につけるようよくアドバイスされます。しかし意外にも、ポジティブに見える人ほど病気が重いというデータもあるのです。「身体が「ノー」と言うとき―抑圧さ

身体はトラウマを記録する――脳・心・体のつながりと回復のための手法
トラウマ研究の最初期からの第一人者であり、複雑性PTSDや発達性トラウマ障害を見いだしたヴァン・デア・コークによる最新の研究がこれでもかと詰め込まれた一冊。

非常に生々しい内容ながら、知識のない人でも読み進めやすい自然な文体で、こころとからだのつながりのメカニズムや治療法を、豊富な科学的研究と実例を通して丁寧かつ情熱的に解説している。

前述の本の著者ノーマン・ドイジや後述する本の著者ピーター・ラヴィーンも推薦文を寄せています。また上記の本身体が「ノー」と言うとき が、参考図書として挙げられています。

身体に刻まれた「発達性トラウマ」―幾多の診断名に覆い隠された真実を暴く
世界的なトラウマ研究の第一人者ベッセル・ヴァン・デア・コークによる「身体はトラウマを記録する」から、著者の人柄にも思いを馳せつつ、いかにして「発達性トラウマ」が発見されたのかという

失われてゆく、我々の内なる細菌
感染症の撲滅と逆相関して現代社会で増加しているさまざまな病気、たとえばアレルギー、自己免疫疾患、自閉症、慢性疲労症候群、メタボリック・シンドロームなどの背後に、抗生物質や化学物質の過度な使用に伴う、人体と共生する微生物(マイクロバイオーム)の生態系の崩壊が関わっていることを例証する本。

腸内細菌の絶滅が現代の慢性病をもたらした―「沈黙の春」から「抗生物質の冬」へ
2015年の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたマーティン・ブレイザー教授の「失われていく、我々の内なる細菌」から、抗生物質や帝王切開などによってもたらされている腸内細菌(

NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる―最新科学でわかった創造性と幸福感の高め方
わたしたちがごく当たり前に暮らしている都市での生活が、いかに心身に負担をかけているか、脳科学の研究を通して明らかにしている本。どんな人にも当てはまる内容ですが、とりわけ、HSPやADHD、ASDのような感覚過敏を抱えている人には必読の一冊です。

ADHDの子どもや、重いうつ病の患者たち、PTSDの退役軍人たちにとって、自然との触れ合いがどう助けになるかも、具体的に書かれていて、すぐにでもアドバイスを実践したいと思える良書です。

感受性が強いあなたに自然が必要な5つの科学的根拠―都市や学校がもたらす解離を癒やすには?
わたしたちがごく当たり前だと感じている都市生活が、脳に慢性的な負荷をかけているといえる5つの理由を紹介し、大自然との触れ合いがストレスを癒やし、トラウマを回復させる理由を考察しまし

左足をとりもどすまで (サックス・コレクション)
わたしのお気に入りの作家であるオリヴァー・サックスはすばらしい本をたくさん書いていますが、とりわけこの本は、医療に関わる人や、理解されない症状を抱えている当事者双方に是が非でも読んでほしい一冊です。

洞察力の鋭い医師であるサックスが、理解されない症状の当事者となったことで、医師と患者両方の視点がなければ、医学も科学も決して成り立たないのだ、と気づいた いきさつが書かれています。

論文として発表されたデータこそが客観的また理性的な科学や医学を支えているとみなす人は多いですが、そうした科学はむしろ無知を生み出しており、理性と感性の融合こそが真の洞察につながる、という強力な論議が展開されています。

当事者が求めているのは芸術的な感性をもつ医者―鈍感な医者はもういらない
鈍感な医者が、いかにさまざまな害を患者にもたらすか、芸術的感性をもつ医者はどのように一人の人間としての尊厳を強めてくれるか、という点ほ考えました。

お気に入りの本

万人にお勧めするわけではないものの、わたしが何百冊も本を読む中で、強く影響を受けたお気に入りの本はこちら。

学校を捨ててみよう!―子どもの脳は疲れはてている (講談社プラスアルファ新書)
不登校を科学的、医学的に観察・研究し、不登校とは単なるこころの問題ではなく、小児慢性疲労症候群(CCFS)と呼ぶべき深刻な生体リズム障害である、という事実を多角的な証拠とともに情熱的に考察した本。著者の他の本は医学的な視点に終始しているものが多いですが、この本は医学の枠組みを越えた考察や感情移入が光ります。

子どもの慢性疲労症候群(CCFS)とは (1)どんな病気か?
子どもの慢性疲労症候群(CCFS)とは何でしょうか、どんな独特の問題があるのでしょうか。子どもたちの不登校は果たして“心の問題”や“家庭の問題”なのでしょうか。「学校を捨ててみよう

ひといちばい敏感な子
発達障害とはまた異なるHSP(ひといちばい敏感な子)という先天的な性質に注目し、HSPの子どもの特徴や育て方などを、研究成果と実例を通して具体的に解説した本。

著者の他の本もHSPの本としてたいへんおすすめですが、一番読みやすくまとまっているのはこの本だと思います。近年、明らかになってきた科学的根拠について、巻末に追記されているのも参考になる部分です。

生まれつき敏感な子ども「HSP」とは? 繊細で疲れやすく創造性豊かな人たち
エレイン・N・アーロン博士が提唱した生まれつき「人一倍敏感な人」(HSP)の四つの特徴について説明しています。アスペルガー症候群やADHDと何が違うか、また慢性疲労症候群などの体調

解離の構造―私の変容と“むすび”の治療論
これまであまり知られていなかった解離傾向の強い人たちの体験世界を、医師としての優れた観察眼と分析によって解き明かす本。

使われている言葉は難しめですが、医学的な無味乾燥な論文ではなく、どこか芸術的な感性のこもったユニークな視点でまとめられた一冊。同著者の次の著書にあたる解離の舞台―症状構造と治療もお気に入りです。

空気を読みすぎて疲れ果てる人たち「過剰同調性」とは何か
空気を読みすぎる、気を遣いすぎる、周囲に自分を合わせすぎる、そのような「過剰同調性」のため疲れ果ててしまう人がいます。「よい子」の生活は慢性疲労症候群や線維筋痛症の素因にもなると言

道程:オリヴァー・サックス自伝
さまざまな不思議な脳の現象を医師また作家としてエッセイ形式で世に送り出してきたオリヴァー・サックスが、亡くなる少し前にまとめた自伝。

彼の比類なき文体や感性がいかにして培われたかを知ることのできる貴重なライフストーリー。サックスの本はどれも素敵ですが、彼の素顔について詳しく知れるこの本は特にお気に入りです。

独特すぎる個性で苦労してきた人の励みになる脳神経科医オリヴァー・サックスの物語
書くことを愛し、独創的で、友を大切にして、患者の心に寄り添う感受性を持った人。2015年に82歳で亡くなった脳神経科医のオリヴァー・サックスの意外な素顔を、「道程 オリヴァー・サッ

ぼくが消えないうちに (ポプラせかいの文学)
子どもにしか見えない不思議な空想の友だちという現実に存在する現象をもとにつむがれる夢の現実のはざまの児童文学。心理学で実証されている知識を土台に、感受性豊かな子どもの視点を忠実に再現している、事実に根ざした良質のファンタジー。

「ぼくが消えないうちに」―忘れられた空想の友だちが大切な友情を取り戻す物語
イギリスの詩人A・F・ハロルドによる児童文学「ぼくが消えないうちに」の紹介です。忘れられた空想の友だち(イマジナリーフレンド)が、大切な友だちを探すという異色のストーリーが魅力的で

私の中のすべての色たち: 解離について最初に出会う本
「解離」という一見難しそうに思える概念を、わかりやすい言葉と絵にまとめた絵本。

解離についてネットで検索すると、医学の専門家による特殊な例の解説ばかり出てきます。しかし、実際の臨床では、そうした極端な例は少なく、診断のほとんどが、特定不能の解離性障害(DDNOS)になると言われています。この絵本は、もっと多彩で変化に富む解離の兆候を学ぶ助けになります。

セラピスト向けの絵本であり、一般の読者には説明不足なところがあるので、このブログの解説記事とともに読んでいただければと思います。

解離が学べる絵本「私の中のすべての色たち」―逆境を生き抜く勇敢で創造的な子どもたち
解離につい学べる絵本「私の中のすべての色たち」から、解離した子どもたちが勇敢で強いというるのはなぜか、解離と創造性はどうつながっているのか考えました。

身体に閉じ込められたトラウマ:ソマティック・エクスペリエンシングによる最新のトラウマ・ケア
人の感情を麻痺させ、エネルギーの枯渇に追い込む解離とはいったい何なのか、生物学と神経生理学の観点から分析した本。内容は難しめで予備知識が必要。すでに挙げたおすすめ本の著者であるヴァン・デア・コークとガボール・マテが序文を寄せています。

初めて読む人は、前著心と身体をつなぐトラウマ・セラピーか、続編であるトラウマと記憶: 脳・身体に刻まれた過去からの回復ののほうが翻訳がすっきりして読みやすいのでおすすめ。しかしこの本がそれら三冊の中で一番内容が濃く、理解できれば面白いと思います。

解離やトラウマがつかみどころのないこころの現象ではなく、生物に普遍的に備わる原始的なからだの反応であり、解離を治療するには会話治療のようなトップダウンのアプローチではなく、からだに注目したボトムアップの、ソマティックな(身体的な)アプローチが必要であることを広範な知識から多角的に解き明かしていく。

だから君は慢性疲労に閉じ込められた―生きるエネルギーを枯渇させる解離そして不動状態
解離と慢性疲労は深く関係していて、不動系という生物学的メカニズムによって引き起こされているという点を、不登校や小児慢性疲労症候群の研究と比較しながら分析してみました。