解離性同一性障害(DID)の尊厳と人権―別人格はそれぞれ一個の人間として扱われるべきか

多重人格ないしはDIDの状態にある患者との日常的な臨床で、私は日々認識を新たにしていることがある。

それは彼女たちの持っている交代人格たちは別人どうしであり、それぞれが一人の人間として認めてほしいと切実に願っているということだ。

このことに関しては、私はあまり例外を経験していないし、それを彼女たちにとって正当な要求であると感じる。(p3)

史上、女性の人権や子どもの人権、難病患者の尊厳など、さまざまなケースにおいて、人が人として扱われる当たり前の権利が主張されてきました。

しかしその中でもとりわけ異質に思える、そして大半の人が考えたこともないような権利があります。

それは多重人格(解離性同一性障害:DID)の人が持つ別人格は、一人の人間として扱われるに値するのかどうか、という問題です。

解離性同一性障害は、一般に、「一人の人が複数の人格を持っている」と思われがちですが、当人たちの認識では「複数の別人が一つの体を共有している」というほうが近いでしょう。

本質的に「一人の人」なのか「複数の別人」なのか。もし後者であれば、一つ一つの人格それぞれが、ひとりの人間として尊厳を持って扱われるべきではないでしょうか。

この非常に難解な問題について、続解離性障害などの本から考えてみたいと思います。解離性同一性障害(DID)に加え、やはり複数の別人が一つの体を共有するイマジナリーフレンド(IF)保持者のことも少し扱います。

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天才とは10代の脳の可塑性を持ったまま大人になった人? 創造性ともろさが隣り合わせ

新たなスキルを学ぶ際に臨界期の扉を開くと、何か本質的な危険があるというのだろうか?

かつてフランスの詩人ボードレール(CHarles Baudelaire)が書いたように、天才とはつまるところ「意のままに取り戻された幼年期にほかならない」のではなかったのか?(p55)

たしたち人間の脳には、変化して新しい能力を身に着けていく力、「可塑性」(かそせい)が備わっています。可塑性は特に子どものころに活発で、大人になると、臨界期が生じて、新しいことを学ぶ脳の力はいくらか低下してしまいます。

上のボードレールの言葉が示す通り、天才と呼ばれる人たちは、子どものころと同じような脳の可塑性を持っているので、人並み優れた創造性や知識の吸収力を発揮できるのかもしれません。

そうであれば、大人になってから脳の可塑性を目覚めさせることができれば、もっとわたしたちの可能性が広がるのではないでしょうか?

どうも話はそう単純ではないようです。

大人になってから脳の可塑性を引き出す方法にはどんなものがあるのか。なぜ人間の脳は大人になると可塑性を制限するスイッチが入るのか。優れた脳の可塑性を持っていたと思われる女性作家ヴァージニア・ウルフから学べることは何か。

日経サイエンス 2016年 03 月号 [雑誌]などの本から考えてみたいと思います。

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ADHDの新薬インチュニブ(グアンファシン)が国内で子どもを対象に承認申請(追記:17年3/30に承認)

野義製薬が、子どものADHDを対象に、インチュニブ(グアンファシン)の国内での製造販売申請を行ったそうです。成人のADHDの適応については開発準備中とのこと。インチュニブ(Intuniv)は米国での商品名です。

新規ADHD治療薬「S-877503」の製造販売承認申請-シオノギ - QLifePro 医療ニュース はてなブックマーク - 新規ADHD治療薬「S-877503」の製造販売承認申請-シオノギ - QLifePro 医療ニュース

塩野義 新規ADHD治療薬を承認申請 小児適応で│ミクスOnline

そのほかビバンセとダソトラリンの続報もありました。

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自閉スペクトラム症(ASD)の人は会話するとき顔が近い―東大の研究

たしたちは他人が近づいてくると、ある距離のラインを越えた時に「近すぎる!」と不快感を覚えます。このラインの内側はパーソナル・スペースと呼ばれます。

東大の研究によると、自閉スペクトラム症(ASD)、アスペルガー症候群(AS)の人は、不快に思う対人距離が短いために、コミュニケーションをするときに相手のパーソナルスペースに接近しすぎる、という研究が出ていました。

自閉症スペクトラム障害の人は対人距離を短く取る - 東大などが確認 | マイナビニュース はてなブックマーク - 自閉症スペクトラム障害の人は対人距離を短く取る - 東大などが確認 | マイナビニュース

自閉症者は対人距離を短く取る 自閉スペクトラム症の人と自閉スペクトラム症でない人のパーソナルスペース(コミュニケーション空間)の比較 │東京大学 はてなブックマーク - 自閉症者は対人距離を短く取る 自閉スペクトラム症の人と自閉スペクトラム症でない人のパーソナルスペース(コミュニケーション空間)の比較 - 280128release_rcast.pdf

自閉症の人は対人距離が短いことが判明――東大など│EconomicNews(エコノミックニュース) はてなブックマーク - EconomicNews(エコノミックニュース)

自閉スペクトラム症の人は、対人距離を短く取る傾向がある―東大・浅田晃佑氏ら | サイエンス - 財経新聞

この研究は、定型発達者と自閉スペクトラム症の人とで、居心地のよい距離感が各々異なることを示していて、それがお互いのコミュニケーションの行き違いの一因になっているように思えます。

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体の形に合わせた寝具で寝ると自律神経疲労が軽減される―大阪市大の梶本修身先生の研究

疲労研究で有名な大阪市大の疲労医学講座と寝具メーカーの西川リビング株式会社の研究で、体の形にフィットして自然な姿勢を保てる寝具(マットレスと枕)を使用すると、疲労が改善することが数値的に実証されたそうです。 

身体に合わせた敷き寝具で日中の疲労が軽減されることを科学的に実証 — 大阪市立大学 はてなブックマーク - 身体に合わせた敷き寝具で日中の疲労が軽減されることを科学的に実証 — 大阪市立大学

西川リビング、大阪市立大学との共同研究で科学的に実証! 身体に合わせた敷き寝具が睡眠の質・日中の疲労を軽減 - SankeiBiz(サンケイビズ) はてなブックマーク - 西川リビング、大阪市立大学との共同研究で科学的に実証! 身体に合わせた敷き寝具が睡眠の質・日中の疲労を軽減 - SankeiBiz(サンケイビズ)

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