慢性疲労症候群(CFS)の治療や説明に役立つおすすめ本とマンガのまとめ

性疲労症候群とはどんな病気なのでしょうか? どうやって治療すればいいのでしょうか? 家族や友だちにはどう説明すればいいのでしょうか?

慢性疲労症候群(CFS)という聞き慣れない病気の可能性を疑ったとき、あるいは実際に慢性疲労症候群であると診断されたとき、多くの人はそんな疑問を抱えます。

一般に、メディアなどで、慢性疲労症候群は原因不明の難病だと説明されることが多いため、そう診断されたら、もう治る見込みもないのだ…と当人も家族も落胆してしまうかもしれません。

しかし、実際には様々な方面から研究が進んでいて、中には生活の質を向上させたり、効果的な治療を見つけてうまく対処できるようになったりする人もいます。

慢性疲労症候群の辛い体調の中で、何かを調べたり読んだりするのはとても難しいことだと思いますが、比較的読みやすく、治療や日常生活に役立つ本もあります。

自分ではじっくり読むのが難しいとしても、もし良い本があれば、家族や友人に紹介して理解を深めてもらうこともできるでしょう。

このエントリでは、関連書籍を3つのカテゴリに分けて、

■慢性疲労症候群を知るのに役立つ本
■比較的楽に読めるマンガ形式の情報
■もう一歩踏み込んで原因を探るときに役立つ本

を厳選して紹介したいと思います。

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気づかれにくい「女性のADHD」の10の特徴&治療に役立つポイント集

女性は男性に比べてADHDに気づかれにくく、本人が「ミスの多さ」や「同性に嫌われること」、「スケジュール管理の難しさ」などに悩んでいても、なかなか診断が得られません。

治療を受ければよくなるのに見過ごされるケースが多いのです。(p1)

れは、2015年に発売された女性のADHD (健康ライブラリーイラスト版)のまえがきにある言葉です。

近年、ADHD(注意欠如・多動症)の存在はよく知られるようになってきましたが、やんちゃな男の子のイメージが強く、女の子のADHDについてはほとんど知られていません。

実はADHDは男の子と女の子では性差(ジェンダー・ディファレンス)があり、男性と女性で症状の現れ方が違うのだそうです。

一般にADHDは女性よりも男性のほうが3~5倍多いといわれていますが、実際には、ADHDの女性は見過ごされているだけではないかと言われています。(p44)

ADHDの存在を見過ごされたまま大人になると、そそっかしさやスケジュール管理の苦手さを自分の欠点だと思い込んで、自信を失ったり、二次的にうつになったりすることも少なくないようです。

この記事では、ADHDの専門家による複数の本を参考に、女性のADHDにはどんな特徴があるのか、よく混同されやすいアスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)との違いは何か、治療には役立つポイントは何かまとめてみました。

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人間は本質的に芸術家―たとえ脳が傷ついても最後まで絵を描き音楽を楽しむのをやめない

なたは絵や音楽が好きですか? 

自分で描いたり演奏したりするのはちょっと…という人でも、きっと、好きなイラストや好みのメロディがあると思います。

疲れたときに、大好きな音楽を聞くと元気が出る、癒されるという人は多いですし、アートセラピーのように、絵を描くことで傷ついた心を癒す人もいます。

絵や音楽をはじめ、芸術は、わたしたちの心を揺さぶる力を秘めています。芸術は、一見、生きるために必須でないように思えますが、経済不況でも、震災被害のもとでも、戦争のもとでも、決して廃れず生き残ってきました。

わたしたち人間がこれほど芸術を愛し、それによって心を癒されるのはなぜでしょうか。

近年の脳の研究によると、人間は本質的に芸術家であり、音楽や絵は、人間を人間たらしめているもの、つまり他の動物とはっきり異ならせている重要な要素だとわかってきました。

人は多くの場合、たとえ脳が萎縮したり、損傷したりしても、最後の最後まで、絵を描いたり、音楽を楽しんだりする能力を持っています。

知の逆転 (NHK出版新書 395)芸術的才能と脳の不思議―神経心理学からの考察という本から、そのことを示す例を見てみましょう。

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解離性同一性障害(DID)の尊厳と人権―別人格はそれぞれ一個の人間として扱われるべきか

多重人格ないしはDIDの状態にある患者との日常的な臨床で、私は日々認識を新たにしていることがある。

それは彼女たちの持っている交代人格たちは別人どうしであり、それぞれが一人の人間として認めてほしいと切実に願っているということだ。

このことに関しては、私はあまり例外を経験していないし、それを彼女たちにとって正当な要求であると感じる。(p3)

史上、女性の人権や子どもの人権、難病患者の尊厳など、さまざまなケースにおいて、人が人として扱われる当たり前の権利が主張されてきました。

しかしその中でもとりわけ異質に思える、そして大半の人が考えたこともないような権利があります。

それは多重人格(解離性同一性障害:DID)の人が持つ別人格は、一人の人間として扱われるに値するのかどうか、という問題です。

解離性同一性障害は、一般に、「一人の人が複数の人格を持っている」と思われがちですが、当人たちの認識では「複数の別人が一つの体を共有している」というほうが近いでしょう。

本質的に「一人の人」なのか「複数の別人」なのか。もし後者であれば、一つ一つの人格それぞれが、ひとりの人間として尊厳を持って扱われるべきではないでしょうか。

この非常に難解な問題について、続解離性障害などの本から考えてみたいと思います。解離性同一性障害(DID)に加え、やはり複数の別人が一つの体を共有するイマジナリーフレンド(IF)保持者のことも少し扱います。

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天才とは10代の脳の可塑性を持ったまま大人になった人? 創造性ともろさが隣り合わせ

新たなスキルを学ぶ際に臨界期の扉を開くと、何か本質的な危険があるというのだろうか?

かつてフランスの詩人ボードレール(CHarles Baudelaire)が書いたように、天才とはつまるところ「意のままに取り戻された幼年期にほかならない」のではなかったのか?(p55)

たしたち人間の脳には、変化して新しい能力を身に着けていく力、「可塑性」(かそせい)が備わっています。可塑性は特に子どものころに活発で、大人になると、臨界期が生じて、新しいことを学ぶ脳の力はいくらか低下してしまいます。

上のボードレールの言葉が示す通り、天才と呼ばれる人たちは、子どものころと同じような脳の可塑性を持っているので、人並み優れた創造性や知識の吸収力を発揮できるのかもしれません。

そうであれば、大人になってから脳の可塑性を目覚めさせることができれば、もっとわたしたちの可能性が広がるのではないでしょうか?

どうも話はそう単純ではないようです。

大人になってから脳の可塑性を引き出す方法にはどんなものがあるのか。なぜ人間の脳は大人になると可塑性を制限するスイッチが入るのか。優れた脳の可塑性を持っていたと思われる女性作家ヴァージニア・ウルフから学べることは何か。

日経サイエンス 2016年 03 月号 [雑誌]などの本から考えてみたいと思います。

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