なぜあの人は無意味な習慣をやめないのか―安心する儀式としての強迫行為

■効いているか分からない高いサプリをずっと飲んでいる
■布団たたきは意味がないと言われたが何となく続けている
■星占いなんて信じていないのに気になって毎朝見てしまう
■新製品が出ると必要ないのにまた買ってしまう
■得るものがない飲み会に毎月知り合いのよしみで出席している

なたの身近に、明らかに無意味な習慣をだらだらと続けている人はいませんか。あるいは自分がそのような実りのない習慣を何か続けているでしょうか。

こうした、無駄だとわかっているのにやめられない習慣には、「強迫」という概念が関係しています。強迫とは、衝動に駆り立てられて、理由もないのに繰り返し同じことをやってしまうことです。

強迫行為は、無意味な習慣とどのように深く関わっているのでしょうか。無意味な習慣から抜け出すには、どうすればいいのでしょうか。

図解やさしくわかる強迫性障害などの強迫性障害の資料から考えてみたいと思います。

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わかっているのにやめられない強迫性障害―不安や心配で疲れ果てる病気の原因と治療法

■完璧にやりとげないと気が済まない
■だれかを傷つけてしまわないか心配でたまらない
■ミスが怖くて何度メールやレポートを確認しても安心できない
■後悔することが怖くて、将来を心配するあまり動けない
■ばい菌や化学物質、放射性物質が怖くて生活できない
■自分でも変だと思っているのに、やめたいのにやめられない

のような不安・心配・恐怖のため疲れ果ててしまって、日常生活が成り立たなくなることがありますか? それはもしかすると強迫性障害(OCD)かもしれません。

OCDは、従来、几帳面すぎる性格や心の問題だと考えられていましたが、実際には、性格とはあまり関係がない脳の病気だとわかってきました。

OCDの特徴の中には、他の病気と間違えやすい部分もあり、たとえば慢性疲労症候群の一部には強迫性障害と似たメカニズムで病気が悪化している人がいるようですし、統合失調症化学物質過敏症などとの区別も必要です。

そうした他の病気との関わりも含め、このエントリでは、OCDの原因や治療法について、強迫性障害に悩む人の気持ちがわかる本 (こころライブラリーイラスト版)や、そのほかの専門的な本を参考にまとめてみました。

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【1/15~1/20】NHKきょうの健康で「子どもの発達障害 徹底解説」(自閉症・ADHD・学習障害)

2016年1/15から1/20にかけて、NHKきょうの健康で「子どもの発達障害 徹底解説」が放送されます。

放送カレンダーによると、15,16,18日は自閉症スペクトラム(ASD)、19日は注意欠陥多動性障害(ADHD)、20日は学習障害(LD)が扱われるようです。

講師は、お茶の水大学大学院の榊原洋一教授です。榊原先生は、子どもの発達障害に関係するわかりやすい本をたくさん書いておられる方です。

お茶の水女子大学 榊原研究室 はてなブックマーク - お茶の水女子大学 榊原研究室

その前の週の8日から14日は、このブログでもよく名前が出てくる、国立精神神経センターの三島和夫先生による「睡眠の悩み これで解決」が放送されるので、こちらも興味のある方はご覧ください。

人の才能は遺伝子で決まるわけではない―可塑性、自由意志、エピジェネティクスの発見

「わたしには才能がないから…」

かの夢や目標を途中であきらめてしまった人たちの中には、この言葉、すなわち「わたしには才能がない」という言葉を残して消えていく人が大勢います。

才能があるかないか、それは多くの場合生まれつきのものだと考えられています。才能を表す英語は「タレント」や「ギフト」です。

「タレント」とは聖書の中の神が人に能力に応じてタラント(資金)を授けるという話に由来していて、「ギフト」はよく知られているとおり「贈り物」を意味する言葉です。どちらも、一見、自分ではどうにもならないことのように思えます。

近年では、遺伝子によって各人の能力や性質が決まっていると述べる人たちもおり、遺伝子解析キットを使って、自分の性格や病気のなりやすさを診断してもらえるサービスも人気です。

では、本当に、人間の才能は生まれつき決まっているのでしょうか。生まれたときにある遺伝子を持ち合わせていなかったなら、いくら努力しても、ある分野ではどうしても成功できない運命なのでしょうか。

プルーストの記憶、セザンヌの眼―脳科学を先取りした芸術家たちという本から、最近の科学の発見を通して考えてみたいと思います。

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理解できない症状をすぐ精神ストレスと決めつけてはならないーむずむず脚の発見者エクボム博士の警告

カール・エクボムは、患者の訴える奇妙な症状からはまだまだ学ぶべきものが多くある、患者の訴えや苦痛には原因が見つからないからといって医師はただちに精神ストレスと結論してはならないと、この論文の最後で警告している。(p37)

ール・エクボム博士は、1945年、今日「むずむず脚症候群」(レストレスレッグス症候群:RLS)として知られる病気の疾患概念を初めて提唱した医者でした。

その研究を通して、彼が強く実感したのは、患者が理解しにくい症状を訴えても精神ストレスとただちに:結論してはならないということでした。

当時からもう70年が経ちましたが、依然として、患者が訴えるいろいろな症状を頭ごなしに「気のせい」「精神的なもの」「ストレスが原因」「心因性」とみなして取り合わない医者は少なくないように思います。

この記事では、むずむず脚のカラクリ-ウィリス・エクボム病の登場という本から、心因性と考えられてなかなか理解されなかったり、病名がもとで誤解されたりした「レストレスレッグス症候群」の歴史を見てみたいと思います。

レストレスレッグス症候群の物語は、慢性疲労症候群(CFS)など、心因性とみなされやすい病気、病名ゆえに軽く見られたりしやすい病気とも関連していると思います。

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