いつも頑張っていないと自分には価値がないと感じてしまう人へ―原因は「完璧主義」「まじめさ」ではない

■自分の価値を、できたこと、達成したことの量などでしか測れない
■「ほどほど」ができず、いつも100%全力を尽くしている
■体が悲鳴を上げているとわかっていても、頑張り続けないといけないと感じる
■全力を尽くしていないと、怠けているような気がして自分を責めてしまう
■休むことや遊ぶことに罪悪感を感じる
■自分では嫌だと思うことでも、周りの人や親の期待に応えないといけないと感じる

なたはこのように感じることがありますか?

限界を超えて頑張りつづけてしまう人の中には、頑張り続けていないと自分には価値がない、という思いに縛られている人がいます。

そうした人は、息抜きが苦手で、休むことに罪悪感を感じることも多く、ストレスや過労が引き金となって病気になる場合さえあります。

こうした問題を抱える人は、世の中では、「完璧主義」とか「まじめすぎる」と言われたりします。そして「もっと気楽に」「肩の力を抜いて」「リラックスしよう」などと、なんの役に立たないアドバイスが送られることが多いのではないでしょうか。

それらの人は、リラックスする必要があることくらいわかっているのです。それでも切迫感や追い立てられる思いに駆り立てられて、立ち止まって心と体を休めることができないのです。

そのおおもとの原因はどこにあるのでしょうか。表面をなでるようなアドバイスではなくて、本当に心休まる場所を見出すにはどうすればいいのでしょうか。この記事では、愛着と安全基地という概念に解決の糸口を見出したいと思います。

 

続きを読む

精神科の薬の大量処方・薬漬けで悪化しないために知っておきたい誤診例&少量処方の大切さ

なぜ多剤・大量処方になるのか。

…通常の服薬量で無効だからである。それで薬の足し算が起きてしまう。数においても量においても。

ではなぜ無効なのか。それは診断が誤っていて、薬理効果外の使用をしているからである。(p10)

れは、発達障害や愛着障害に詳しい杉山登志郎先生の著書発達障害の薬物療法-ASD・ADHD・複雑性PTSDへの少量処方からの引用です。

昨今、精神科の薬の大量処方・多剤処方による「薬漬け」が問題になっています。その背後には発達障害や愛着障害を、統合失調症・うつ病・双極性障害などと誤診していることが関係していると杉山先生は述べています。

診断が間違っていると薬が効きません。薬が効かないと、たいていの場合、どんどん量を増やしていって大量処方になります。しかし、正しい診断ができれば、薬はごく少量で十分なのだそうです。

この記事では、なぜ発達障害や愛着障害が他の精神疾患と誤診されやすいのか、それらに「少量処方」が必要なのはなぜか、という点を、この本から簡単に紹介したいと思います。

 

続きを読む

統合失調症と解離性障害の6つの違い―幻聴だけで誤診されがち

一般人のイメージでは、声の幻聴は統合失調症とほぼ同義語である―声が聞こえる人の大半は統合失調症ではないので、これは大きな誤解だ。(p76)

れは、有名な脳神経科医、オリヴァー・サックス先生の見てしまう人びと:幻覚の脳科学という本からの引用です。

日本でもアメリカでも、精神科医の中には、今だに、患者に幻聴があると知ると、安易に統合失調症と診断してしまう人が少なくないようです。

しかしオリヴァー・サックス先生の言葉が示すように、幻聴がある人の大半は統合失調症ではありません。

幻聴を伴い、統合失調症と間違われやすいものの代表例は、解離性障害とアスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)だと言われています。

この記事では、特に、統合失調症と解離性障害の違いについて、解離の専門家の本を参考にまとめてみました。アスペルガー症候群との違いについても少しだけ取り上げています。

続きを読む

アスペルガーの解離と一般的な解離性障害の7つの違い―定型発達とは治療も異なる

ASD者が解離症状を呈する割合は定型発達者に比べて若干多いという印象はある。

もちろん自己のあり方が異なるため、ASD者の示す解離が発症要因、症候、治療などさまざまな点で通常の定型発達者の解離とは違ってくるのは当然であろう。

定型発達者の解離のみが解離ではない。ASDにはASDの解離がある。(p181-182)

のように述べるのは、解離性障害の専門家である柴山雅俊先生です。

アスペルガー症候群(DSM5では自閉スペクトラム症(ASD)に統一)の人たちは、解離の症状を伴うことが比較的多く、発達障害や解離性障害を専門に診ている医師の多くがその共通性を指摘しています。

しかし一方で、この柴山先生の言葉にあるように、ASDの解離と、定型発達者の解離(つまり一般的な解離性障害)とでは、仕組みが少し違っているようなのです。

この記事では、解離の病理―自己・世界・時代という本にもとづき、アスペルガーの解離と定型発達の解離との7つの違いをまとめてみました。

また、分離脳の研究者、マイケル・ガザニガの右脳と左脳を見つけた男 - 認知神経科学の父、脳と人生を語るという本から、最新の脳科学研究からひもとく、アスペルガーの解離のメカニズムについても考察しています。

 

続きを読む

多重人格の原因がよくわかる8つのたとえ話と治療法―解離性同一性障害(DID)とは何か

重人格、というとあなたはどんなイメージを持っていますか?

ドラマに出てくるような犯罪者や、オカルトチックな霊的現象を想像するでしょうか。

実際には多重人格はオカルトではなく、解離性同一性障害(DID)と呼ばれている、れっきとした医学的な現象です。

もちろん原因は悪霊ではなく、脳の特定の機能の過剰な働きにあります。そしてDIDで悩んでいるのは、犯罪者や変質者ではなく、むしろもっと純粋な感性を持つ普通の人たちです。

DIDの人には平均8-9人とも言われる複数の人格が宿っている、人格が交代して別人になり、その時のことは記憶にも残らない、といったことを考えると、身近な家族や友人が、DIDに対して戸惑いを覚える気持ちもよくわかります。

どうして多重人格が生じるのでしょうか。一人の人に複数の人格が宿る仕組みを、どのように理解すればよいのでしょうか。具体的な治療法には、どんなものがありますか。

この記事では、 続解離性障害という本や、その他の解離性障害の専門書から、多重人格の原因やメカニズムを理解するのに役立つわかりやすい8つのたとえ話、そして治療法についてまとめてみました。

続きを読む