なぜアスペルガーの人は尊大で怒りやすく見えるのか―人格障害との違い

スペルガー症候群の人が尊大に見えたり、突発的に激しく怒ったりする理由について、解離などに詳しい精神科医の岡野憲一郎先生がブログで解説しておられました。興味深かったので紹介します。

岡野憲一郎のブログ: 自己愛(ナル)な人(推敲 11/50) はてなブックマーク - 岡野憲一郎のブログ:気弱な精神科医 Ken Okano. A Blog of an insecure psychiatrist: 自己愛(ナル)な人(推敲 11/50)

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天才の秘密 アスペルガー症候群と芸術的独創性のような本で、過去のアスペルガーの天才たちについて読むと、かなりの頻度で「自己愛傾向」や、「聞く耳を持たない頑固さ」、そして「意見されたときに激しく怒る」といった傾向について書かれています。

たとえばアスペルガーだったと思われる作曲家のエリック・サティは、最も質の高い生き方を目指す妥協のない人で、些細なことにもカッとなり、激怒したと言われています。(p222)

こうした特徴のため、アスペルガーの人たちは、ときに「尊大だ」「ナルシストだ」と言われますが、その理由について考察されています。

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【9/1】子どもの発達・愛着についての新刊「発達科学ハンドブック 8 脳の発達科学」―発達心理学者と脳科学者による本

どもの発達・愛着などについて、発達心理学者・脳科学者が共同執筆している新刊発達科学ハンドブック 8 脳の発達科学が2015/9/1に発売されます。

近年、脳を画像で可視化できるようになったことにより、従来、理論にもとづいて展開されていた発達心理学と、脳を解析する脳科学との間の溝が埋まってきました。そのため、両分野の専門家を集めて橋渡しし、脳機能の全般にわたる解説を試みた本として出版されるようです。

このブログでも馴染み深い研究者の方々が執筆されています。たとえば…

第1章 胎児期と新生児期―――― 小西行郎
赤ちゃん学の専門家で、子どもの睡眠についても造詣の深い、子どもの睡眠と発達医療センターの小西行郎先生が第一章の胎児期の解説を担当。

小西行郎先生が子どもの睡眠と発達医療センター長に
この4月から子どもの睡眠と発達医療センター長が小西先生になり、三池先生は特命参与の立場になりました。

第2章 幼児期から児童期―――― 森口佑介
発達心理学者として、このブログでは特にイマジナリーフレンド研究で名前を挙げさせていただいている上越教育大学の森口佑介先生が、第二章の幼児の脳機能についての解説を担当。

子どもにしか見えない空想の友達? イマジナリーフレンドの7つの特徴に関する日本の研究
子どもが目に見えない空想の友達と遊んでいるのを見て驚いたことがありますか? 森口佑介先生の著書「おさなごころを科学する」から、子ども特有の興味深い現象イマジナリーフレンドについてま

第23章 愛着と虐待―――― 友田明美
子どもの慢性疲労症候群や、虐待と愛着障害についての研究で、このブログでも再三取り上げさせていただいている福井大学の友田明美先生が愛着と虐待についての第23章を担当。

だれも知らなかった「いやされない傷 児童虐待と傷ついていく脳」(2011年新版)
子どもの虐待は、近年注目を浴びるようになって来ました。しかし、虐待が脳という“器質”にいやされない傷を残すことを知っている人はどれだけいるでしょうか。友田明美先生の著書「いやされな

そのほか、

第26章 注意欠陥・多動性障害(注意欠陥・多動症,ADHD)―――― 榊原洋一

第27章 自閉症スペクトラム障害(自閉スペクトラム症)―――― 米田英嗣

といった部分で、発達障害も詳しく扱われています。

発達障害の章を執筆されている、お茶の水女子大学大学院 人間文化創成科学研究科 榊原研究室の榊原洋一先生が序章も書かれているので、中心となって編纂しておられる模様。

出版社による公式ウェブページはこちら。目次や序章の第一節が読めます。

発達科学ハンドブック8 脳の発達科学│新曜社 はてなブックマーク - 脳の発達科学

価格設定は高めの専門書ですが、とても興味深そうな一冊です。

自閉症の動物学者テンプル・グランディンのTED「世の中には いろいろなタイプの脳が必要だ」まとめ

NHKスーパープレゼンテーションで、自閉症スペクトラム(ASD)の有名人、テンプル・グランディン(Temple Grandin)のTED「世の中には いろいろなタイプの脳が必要だ」(The world needs all kind of minds)が放映されていました。

2015/6/17(水)に放送されましたが、先日8/19(水)にも再放送があり、今日8/23(日)の深夜(日付変更後)の24:45~25:10にも放映されるそうです。

公式ウェブサイトで、動画が公開されていたので、それを参考に内容をまとめてみました。

NHK for School:NHK | 番組紹介 | スーパープレゼンテーション「テンプル・グランディン 自閉症を語る」 (6/17ほか) はてなブックマーク - NHK for School:NHK | 番組紹介 | スーパープレゼンテーション「テンプル・グランディン 自閉症を語る」 (6/17ほか)

6月17日放送 | これまでの放送 | スーパープレゼンテーション|Eテレ NHKオンライン はてなブックマーク - 6月17日放送 | これまでの放送 | スーパープレゼンテーション|Eテレ NHKオンライン

以下の内容は、書き言葉として、わかりやすく表現を調整している部分もあり、放送の字幕に忠実ではありません。省略したり補ったりしている部分もあります。一部、話の順番を入れ替えて整理しているところもあります。

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かゆすぎるアトピーなどの不快感を脳の電気刺激(tDCS)で抑制

経頭蓋直流電気刺激法(tDCS)でかゆみ感覚を抑制できることがわかったそうです。

非侵襲的大脳皮質刺激により痒み知覚が抑制される ~経頭蓋直流電気刺激法(tDCS)を用いた検討 - 生理学研究所 はてなブックマーク - 非侵襲的大脳皮質刺激により痒み知覚が抑制される ~経頭蓋直流電気刺激法(tDCS)を用いた検討 - 生理学研究所

経頭蓋直流電気刺激法による非侵襲的大脳皮質刺激で痒み知覚を抑制-NIPS - QLifePro 医療ニュース

電気刺激でかゆさが和らぐ

自然科学研究機構 生理学研究所(NIPS)の研究によると、経頭蓋直流電気刺激法(tDCS)によって、脳の大脳皮質感覚運動野を電気で刺激することによって、従来言われていた痛みだけでなく、かゆみも減少することがわかりました。

経頭蓋直流電気刺激法(tDCS)は、頭に電極をつけて、脳を刺激する、痛みや手術の必要がない電気刺激療法です。

tDCSを15分間行うと、ヒスタミン刺激に対する、かゆみの程度が減少し、さらにかゆく感じる時間も短縮することが判明したそうです。

アトピー性皮膚炎など、慢性的なかゆみに悩まされる患者は、かゆさのため皮膚をかきむしり、より皮膚状態が悪化するという悪循環が生じています。

脳の電気刺激によってかゆみを抑制することは、そのような患者にとって役立つ治療手段になるかもしれません。

経頭蓋磁気刺激(TMS)経頭蓋直流電気刺激(tDCS)といった手段は、日本ではまだ実際の治療ではほとんど使われていませんが、より効果の高い方法が研究されて、さまざまな病気に役立てられるようになってほしいと思います。

電気刺激については、2013年に経頭蓋パルス電気刺激法(tPCS)というより効果の高い方法が開発されているそうです。

アトピー性皮膚炎については、皮膚の細菌バランスが原因のひとつとなっていることが、最近報道されていましたね。

アトピー性皮膚炎は皮膚の細菌バランス異常が一因、抗生物質が効く?
アトピー性皮膚炎は細菌の異常繁殖で起こるそうです。

うつ病と誤診されがちな「レビー小体型認知症」(DLB) ―抗うつ薬治療で悪化する場合も

つ病やパーキンソン病と誤診されがちな、認知症の一種「レビー小体型認知症」という病気について、患者の樋口直美さんの経験談と、闘病記の出版が報道されていました。

東京新聞:レビー小体型認知症なのに「うつ病」 誤診の苦しみ闘病記に:暮らし(TOKYO Web) はてなブックマーク - 東京新聞:レビー小体型認知症なのに「うつ病」 誤診の苦しみ闘病記に:暮らし(TOKYO Web)

認知症「レビー小体型」知って 患者の樋口さん 症状や不安 本に - 西日本新聞

【樋口直美さんインタビュー】 レビー小体型認知症は認知症というより意識の障害 | 認知症ねっと

レビー小体型認知症とは

認知症は70種類近くあると言われていますが、おもに患者数が多いのは3種類です。

1.アルツハイマー型認知症(AD)
2.レビー小体型認知症(DLB)
3.脳血管性認知症(VaD)

これらは、「三大認知症」とよばれていて、「レビー小体型」はアルツハイマー型の次に多いそうです。

「レビー小体型認知症」は、1976年に、日本の横浜市立大学の、小阪憲司名誉教授らによって発見されました。認知症の2割を占め、患者は国内に約90万人いるそうです。

「レビー小体」とは、異常なタンパク質が脳の神経細胞にたまって形成されるもので、レビー小体ができる場所によってその機能にさまざまな障害が生じるといわれています。

「レビー小体」はパーキンソン病の患者の脳の脳幹に出現することでよく知られていますが、レビー小体型認知症では、大脳皮質全体にレビー小体ができます。

具体的な症状としては、以下のものがあります。

■物忘れなどの認知障害
■不眠などの睡眠障害
■自律神経障害
■うつ症状
■頭がぼーっとする
■震えやこわぱりなど
■リアルな幻視
■日によって症状が大きく変動する
■一部の症状のみのことも

このような特徴のため、うつ病と誤診されやすいだけでなく、薬剤に過剰反応しやすいという特徴もあり、抗うつ薬や抗不安薬でかえって悪化する場合があります。

一般に知られる認知症の症状は現れにくく、インタビューの中で樋口さんはこう語っていました。

レビー小体型認知症は認知症というより意識の障害だと自分の体験から感じています。

アルツハイマー病の治療薬であるアセチルコリンエステラーゼ阻害薬のアリセプト(ドネペジル塩酸塩)が有効で、パーキンソン病に似た症状に対しては、パーキンソン病の治療薬が効果があると言われています。

記事では、「レビー小体型認知症」の専門家として、総合上飯田第一病院、もの忘れ評価外来の鵜飼克行医師の名前が挙げられています。

物忘れ評価外来 スタッフ紹介| 総合上飯田第一病院 はてなブックマーク - 物忘れ評価外来 スタッフ紹介| 総合上飯田第一病院

また発見者の小阪憲司先生も、レビー小体型認知症の疾患概念の普及のために、多数の本を書かれています。

小阪憲司 医師,【アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症などの認知症全般】,『認知症』,医療法人社団ヒルデモア クリニック医庵 センター南-精神科・もの忘れ内科(こさかけんじ,) | 名医を探すドクターズガイド はてなブックマーク - 小阪憲司 医師,【アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症などの認知症全般】,『認知症』,医療法人社団ヒルデモア クリニック医庵 センター南-精神科・もの忘れ内科(こさかけんじ,) | 名医を探すドクターズガイド

小阪先生も、インタビューの中でこう述べていました。

「この病気は、認知症症状が中々出てこないために誤診がとても多い。認知症症状が出る前に診断・治療をすれば、認知症になる時期を遅らせることができる し、認知症にならない可能性もある。病名が誤診の原因ともなっているので、病名から”認知症”を取って”レビー小体病”と変えたい」

鑑別が難しく、誤診されやすい病気ですが、正しい治療を受ければ改善の余地があるので、詳しい医師が増えてほしいところです。

それと同時に、共通のメカニズムを有するパーキンソン病などの疾患との関連性について、さらなる研究が進むことを期待したいと思います。

世界初の闘病記「私の脳で起こったこと」

今回の記事で取り上げられている53歳の主婦の樋口直美さん(@HiguchiNaomi))は、2000年ごろから、頭痛や不眠、だるさが現れました。

最初「うつ病」と診断され、抗うつ薬と抗不安薬を投与されましたが、症状が悪化しました。

誤った薬物治療に6年間苦しんだ後、幻視の症状を自覚するようになって、インターネットなどで調べた結果、若年性のレビー小体型認知症を疑うようになりました。

9年目に認知症と診断され、抗認知症薬を飲み始めると幻視や体調が回復し、ほとんどの症状が消えたそうです。

年齢からわかるように、樋口さんは「若年性レビー小体型認知症」であり、そのこともあって、診断にたどりつくのが難しかったのだと思われます。

若年性認知症、うつ病と勘違いし重症化も…早期発見目指し電話相談 : シニアニュース : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞) はてなブックマーク - 若年性認知症、うつ病と勘違いし重症化も…早期発見目指し電話相談 : シニアニュース : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)

樋口さんはこう語っています。

うつで投薬を受けて症状が悪化した場合は気をつけて。

認知症になっても工夫と努力で自立した生活を長年送っている人たちがたくさんいる。その大前提は正しい診断と治療を受けること。

2015/07/10に、闘病記である私の脳で起こったこと レビー小体型認知症からの復活を出版されました。なんとレビー小体型認知症患者による、世界で初めての闘病記だそうです。

私は、認知症を巡る今の問題の多くは、病気そのものが原因ではなく、人災のように感じています。

と警鐘を鳴らし、自己観察や分析、調査の大切さを示す本となっているようです。

また偏見を持たれがちな認知症の正しい理解を促し、

脳の機能の一部を失ったからといって、知性を失う訳ではない。記憶を失ったとしても思考力を失う訳ではない。

とも訴えておられます。

若年性パーキンソン病もそうですが、本来年配の人に多い病気を若くして発症した場合、診断に辿りつくまでに苦慮する場合が多いので、こうした体験談をよく銘記しておきたいですね。

▼出版社による公式ページ

私の脳で起こったこと レビー小体型認知症からの復活 樋口 直美・著 | ブックマン社 はてなブックマーク - 私の脳で起こったこと レビー小体型認知症からの復活 樋口 直美・著 | ブックマン社

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