難病や試練を乗り越える人の共通点は「統御感」ー「コップに水が半分もある」ではなく「蛇口はどこですか」

劇的な寛解をした人々は、治療を自分で選ぶため医師のやり方に楯突くことも厭わなかったと指摘する研究報告もあります。

…こうした研究からわかったのは、がんを寛解させた人々は、自ら積極的に動いて治療法を選び取ってきたということでした。(p73)

れは、がんが自然に治る生き方――余命宣告から「劇的な寛解」に至った人たちが実践している9つのことという本に載せられている、がんが寛解した人たちを統計的に分析したデータの一つです。

さまざまな研究からすると、難病をはじめ、極めて困難な試練を克服し、命の危機から奇跡の生還を遂げる人たちは、ある共通の特徴を持っていることが明らかになってきました。

そしてその特徴は、遺伝によって生まれつき決まっている性格のようなものではなく、だれもが意識して身につけられるものであるといいます。

その特徴は、「統御感」と呼ばれています。「統御感」とは何でしょうか。それがどうして、危機的状況で活路を見いだすのに役立つのでしょうか。幾つかの本から調べてみましょう。

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サッカーFC東京の権田修一選手がオーバートレーニング症候群ー慢性疲労症候群と類似した病態

ッカーFC東京のGK権田修一選手がオーバートレーニング症候群を発症していたことが発表されました。

代表辞退の権田は「オーバートレーニング症候群」。過去には大久保も発症 | フットボールチャンネル | サッカー情報満載! はてなブックマーク - 代表辞退の権田は「オーバートレーニング症候群」。過去には大久保も発症 | フットボールチャンネル | サッカー情報満載!

代表辞退のFC東京GK権田修一、オーバートレーニング症候群と判明 | サッカーキング はてなブックマーク - 代表辞退のFC東京GK権田修一、オーバートレーニング症候群と判明 | サッカーキング

記事によると、オーバートレーニング症候群について、次のように解説されています。

 オーバートレーニング症候群とは、スポーツによる生理的疲労が回復しないまま積み重なって発症する慢性疲労状態のことを言う。

日常的なトレーニングで過度な負荷をかけ続けても、そのダメージを回復させるための休息や栄養が不十分になってしまった場合、パフォーマンスが低下してしまうなどの症状が出る。

 また、疲れやすくなったり、全身にだるさが残ったり、睡眠障害や食欲低下に伴う体重の減少なども引き起こされてしまう。

原因はさまざまなストレスのよるホルモンバランスの崩れと言われており、重症になると競技に復帰できなくなってしまう可能性もある病気だ。

権田修一選手は、復帰のめどはついておらず、自宅で静養中とのことです。

オーバートレーニング症候群は慢性疲労症候群(CFS)と類似した病態と考えられていて、過去には、サンフレッチェ広島の森崎兄弟が、兄の和幸選手は慢性疲労症候群、弟の浩司選手はオーバートレーニング症候群を発症したことが知られています。

慢性疲労症候群(CFS)を乗り越えた森崎和幸選手から学べる3つのこと
サンフレッチェ広島の森崎和幸選手と慢性疲労症候群(CFS)についての詳しい記事から、その症状や学べることをまとめました
 

専門家の中には、「オーバートレーニング症候群は臨床的には慢性疲労症候群とほぼ同義である」と述べている人もいます。

オーバートレーニング症候群は慢性疲労症候群(CFS)とほぼ同義ー大久保嘉人選手や権田修一選手が発症
サッカーの大久保嘉人選手がオーバートレーニング症候群を克服したことが書かれています。

実際に、運動部の過度のオーバートレーニングなどをきっかけに、慢性疲労症候群を発症し、不登校になってしまう生徒も少なくないと言われています。

それは体罰の問題ではないー背後にある「壮大な人体実験」とは何か
高校のバスケットボール部に所属していた方が、体罰を苦に自殺されたという痛ましいニュースが話題になっています。しかしこの事件を体罰の問題とみなしてしまうのは、問題のすり替えといえます

オーバートレーニング症候群からの回復には長い年月がかかる場合があり、過去に同様の症状に苦しめられた森崎浩司選手や大久保嘉人選手、市川大祐選手、内田篤人選手らは、みな厳しい闘病を経験しました。

オーバートレーニング症候群の研究が進み、権田選手も速やかに回復するよう願いたいところです。

【8/8 放送予定】NHKラジオ深夜便で愛着障害と境界性パーソナリティ障害(BPD)ー岡田尊司先生が解説

2015年8月8日のNHKラジオ深夜便の「明日へのことば」のコーナーで、境界性パーソナリティ障害(BPD:ボーダーライン)が扱われます。

解説するのは、愛着障害の専門家である岡田尊司先生です。

タイトル: 「境界性パーソナリティ障害を乗り越える」
日時: 8月8日(土)午前4時台 (8日早朝、7日深夜)

R1 blog:NHKブログ | 聞きモノ! | 8月8日放送「境界性パーソナリティ障害を乗り越える」 はてなブックマーク - R1 blog:NHKブログ | 聞きモノ! | 8月8日放送「境界性パーソナリティ障害を乗り越える」

「境界性パーソナリティ障害」は、成育期による愛着形成のプロセスなどから、極端に低い自尊心、見捨てられることへの過敏さ、感情の激しい浮き沈み、不安定な対人関係、自傷行為や自殺企図、薬物乱用など、生きていくために自分を傷つけてしまうことを特徴とする症状です。
 近年、特に若い人に増えているこの症状について、精神科医の岡田尊司さんが、障害を正しく理解し、それを乗り越えて本人も周りの人も生きやすくなる方法について、お話しします。(NHKハートフォーラムでの講演を収録)

境界性パーソナリティ障害に関する、このブログでのまとめはこちらをご覧ください。

見捨てられ不安に敏感な「境界性パーソナリティ障害」とは?―白と黒の世界を揺れ動く両極端な人たち
他の人を白か黒かでしか判断できなくなってしまい、グレーゾーンがわからない。最初尊敬して、どこまでもついていきたいと思うのに、ちょっとしたことで裏切られたと感じ、幻滅してしまう。そん

岡田尊司先生による愛着障害の解説はこちらにまとめてあります。

長引く病気の陰にある「愛着障害 子ども時代を引きずる人々」
愛着理論によると、子どものころの養育環境は、遺伝子と同じほど強い影響を持ち、障害にわたって人生に関与するとされています。愛着の傷は生きにくさやさまざまなストレスをもたらす反面、創造

岡田尊司先生のクリニックはこちらです。

岡田クリニック | 京阪くずは駅から徒歩2分

▼2015/08/08追記
放送内容はこちらの方がまとめてくださっています。

明日への言葉: 岡田尊司(精神科医)         ・境界性パーソナリティ障害を乗り越える

■見捨てられることへの不安
■気分、対人関係が両極端に変動
■自己破壊的な行動
■空虚感、自分への違和感
■解離や精神病様症状
■強い親へのこだわり
■遺伝40%、環境60%
■抵抗両価型(とらわれ型)の愛着がBPDのリスク
■愛着を修復するということが治療のカギ

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脳は絶望的状況で空想の他者を創り出す―サードマン,イマジナリーフレンド,愛する故人との対話

■雪山で遭難して、死を覚悟したときに、だれかの温かい声が聞こえた。不思議なほど冷静なその声は、恐怖を鎮め、あきらめないよう励まし、生き延びるよう導いてくれた。

■物心ついたときから、空想の友人がいる。わたしが不安になると、彼はいつも「大丈夫だよ」と優しく励まし、力づけ、強くしてくれる。

■愛する家族を亡くしたあと、いつしかその亡くなった愛する人と会話するようになった。静かな場所に行き、その声に耳を傾け、対話することで悲嘆が和らぎ、慰めを得ている。

あなたは、この3つの経験談に思い当たる点がありますか。あるいは、これらの人は頭がどうにかなってしまったのだろうか、とか、彼らは守護天使や死んだ人の魂のような霊的存在を感じているのだろう、とか考えますか。

この3つの現象は、決して珍しいものではなく、どれも頻繁に報告されるものです。それぞれサードマン現象(Thirdman)イマジナリーコンパニオン/イマジナリーフレンド(IC/IF)、そして亡くなった愛する故人との対話です。

奇跡の生還へ導く人―極限状況の「サードマン現象」という本によると、この3つの現象は共通のメカニズムの上に成り立っています。

サードマン、すなわち極地探検家、登山家などの冒険家や災難に苦しむ人が呼び出す案内人は、もっと日常的な危機に直面している人を助けるために呼び出すこともできるのだろうか。

…孤独な子供やストレスを受けた子供は、空想上の友達という形で仲間を呼び出す。配偶者を失った人も同様である。(p246)

なぜ脳は恐怖や不安を鎮めるために空想の他者をありありと描き出すのでしょうか。どうして、これら空想の他者は慰めを与えるのでしょうか。さまざまな文献を引用しつつ、この驚くべき脳の機能を詳しく解説しましょう。

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熊谷晋一郎先生による自閉スペクトラム症(ASD)の論考―社会的な少数派が「障害」と見なされている

京大学先端科学技術研究センター准教授の熊谷晋一郎先生(@skumagaya)による、自閉スペクトラム症(ASD)についての論考が、週刊医学界新聞に寄稿されていました。

自閉スペクトラム症(ASD)、アスペルガー症候群(AS)は、コミュニケーションや社会性の障害があると言われますが、実際には多数派に馴染めない少数派であるだけなのではないか、という考察が展開されています。

社会性やコミュニケーション障害の解明│医学書院/週刊医学界新聞(第3136号 2015年08月03日) はてなブックマーク - 医学書院/週刊医学界新聞(第3136号 2015年08月03日)

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