線維筋痛症と自閉スペクトラム症には免疫細胞ミクログリアの活性化が関係している?

性疼痛と自閉症には、どちらも脳の免疫細胞であるミクログリアの活性化が関係しているというニュースがあったので、関連情報を調べてみました。

慢性的な「痛み」の裏に自閉症と共通した仕組み、脳内麻薬をうまく働かなくしている | Medエッジ はてなブックマーク - 慢性的な「痛み」の裏に自閉症と共通した仕組み、脳内麻薬をうまく働かなくしている | Medエッジ

線維筋痛症とミクログリアの関係、自閉スペクトラム症とミクログリアの関係について、それぞれ最近のニュースを調べた上で、両者の関係について考察しています。

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新しいタイプの睡眠薬ベルソムラ、医師によると「中途覚醒」と「熟眠障害」に効果的?

近登場した、まったく新しいタイプの睡眠薬であるベルソムラについて、睡眠総合ケアクリニック代々木の中村真樹院長が効果を説明している詳しい記事が掲載されていました。

@DIME アットダイム|ジャンル|その他|現代人の睡眠を妨げる覚醒物質「オレキシン」とは? はてなブックマーク - @DIME アットダイム|ジャンル|その他|現代人の睡眠を妨げる覚醒物質「オレキシン」とは?

ベルソムラは去年、世界に先立って日本で認可された新しいタイプの睡眠薬です。従来の睡眠薬とは異なり、自然な睡眠を導くと言われています。

オレキシン受容体に作用する新しいタイプの睡眠薬ベルソムラが製造承認
新しいタイプの睡眠薬ベルソムラ(スボレキサント)が製造承認されたそうです。

1.これまでの睡眠薬との違い

ベルソムラは、初の「オレキシン受容体拮抗薬」というジャンルの睡眠薬です。

広く使われているベンゾジアゼピン系などの「GABA受容体作動薬」が、脳全体をシャットダウンするして無理やり寝させる薬なのに対し、「オレキシン受容体拮抗薬」は、脳の過剰な覚醒を抑制し、自然な眠りを導く薬であると言われています。

またベンゾジアゼピン系の薬に筋弛緩作用があるのに対し、ベルソムラにはそれがありません。そのため不安や緊張を和らげるという効果はありませんが、ふらつきや転倒といった副作用もありません。

2.効果のある症状

日本睡眠学会の定義によると、不眠症には4つの症状があります。

■寝つきの悪い「入眠障害」
■夜中に目が覚めてしまう「中途覚醒」
■きちんと寝ているのに熟睡感が得られない「熟眠障害」
■朝早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」

中村医師によると、ベルソムラ発売から今までの経験に基づく限り、ベルソムラには「中途覚醒」と「熟眠障害」の2つに効果があると感じられるそうです。

従来の睡眠薬だと、入眠はできても、夜中に目が覚めたり、熟眠感がなかったりすることが多かったのですが、ベルソムラを使うと、起きている状態を抑制させる作用のおかげで、途中で目も覚めず、安定して眠れるそうです。

飲んだその日から効くわけではなく、しばらく使ってみるのが大切とのこと。

3.副作用は?

オレキシンを制限する薬というと、同じくオレキシン欠乏によって生じるナルコレプシーなどの病気を引き起こすのでは?と感じますが、ナルコレプシーほどオレキシンが少なくなることはないそうです。

効果は7時間続くので、人によっては朝眠いこともあるそうです。

 

ベルソムラは劇的な効果がないので地味な印象がありますが、この話を見る限り、これまでなかなか改善が難しかった中途覚醒や熟眠感欠如に効く場合もあるということなので、選択肢の一つとして覚えておくとよいかもしれません。

視力はいいのに眼精疲労や肩こりがひどい―それは「軽い遠視」が原因かも?

■目が疲れる (眼精疲労)
■肩こりや頭痛がする
■本を読む・スマホやタブレットを使うと疲れる
■集中力が続かない
■身体に慢性的な疲労感がある
■眼の奥に痛みがある
■ひたいのあたりに重い圧迫感を感じる

うした症状は一般に眼精疲労から引き起こされることがよくあります。大人だけでなく子どもも、このような症状を訴えることもあります。

しかし、通常の視力検査では、特に異常が見つからないこともしばしばです。視力は良く、1.0以上で近眼ではないので、目が原因だとは思えないのです。そのようなときに一度疑ってみるといいのが、「軽い遠視」だといいます。

「軽い遠視」とは何でしょうか。なぜ眼精疲労の原因となるのでしょうか。 続きを読む

子どものADHD、自閉スペクトラム症の症状には親の心理的状態も関係

どもの注意欠如多動症(ADHD)および自閉スペクトラム症(ASD)の症状のレベルと、親の心理的状態が関係しているという研究結果が出ていました。

発達障害には遺伝的要素が大きいのは事実ですが、親の態度という環境要因も症状を和らげる上で大切だといえるようです。

母親の自尊心が高いと子どものADHDの症状が少なかった - MEDLEYニュース はてなブックマーク - 母親の自尊心が高いと子どものADHDの症状が少なかった - MEDLEYニュース

自閉症スペクトラム障害児と両親の心理的状態が連動していることを解明! | 金沢大学 はてなブックマーク - 自閉症スペクトラム障害児と両親の心理的状態が連動していることを解明! | 金沢大学

はじめの研究では、母親の自尊心が高い親子では、子どものADHDの症状のうち、注意欠如行動が少ない傾向があったとされています。

後者では、ASDの子どもの社会性が改善している場合に,両親の共感指数も向上していて、子どもの社会性が低下している場合には、両親の共感指数も低下していることが示されました。

もちろん、これらの研究は、以前言われていたような「冷蔵庫マザー説」、発達障害の子どもの親は愛情が少ないといった荒唐無稽な話を裏づけるものではありません。

むしろ、たとえば障害のある子どもを持つ家庭の場合、両親の自尊心や共感性が子どもを支え、過ごしやすくするように、ADHDやASDの子どもの場合でも、親の態度が影響する、という当たり前のことを述べている気がします。

ADHDやASDの子どもが、まったく親の働きかけに反応せず、どうにもならないロボットのようなものなのではなく、親の自尊心に応じて愛着を向けたり、共感性に応じて不自由なりとも反応してくれるのだ、という励みになる点を示した研究なのではないかと思います。

また、ADHDやASDの子どもを持つ家族への援助も大切である、ということを示しているのではないでしょうか。

発達障害に関する金沢大学のその他の研究についてはこちらもご覧ください。

「自閉症という謎に迫る 研究最前線報告」の5つのポイント
「自閉症という謎に迫る 研究最前線報告 (小学館新書)」という本を読みました。金沢大学子どものこころの発達研究センターという公的機関に所属する幾人もの研究者によって書かれています。

光で過去の楽しい記憶を活性化してうつ状態を改善

化学研究所のマウスを使った実験で、過去の楽しかった記憶を活性化することでうつ状態を緩和できることが示されました。

光遺伝学によってマウスのうつ状態を改善 | 理化学研究所 はてなブックマーク - 光遺伝学によってマウスのうつ状態を改善 | 理化学研究所

うつ病:楽しい記憶で改善 理研、マウスで確認 - 毎日新聞 はてなブックマーク - うつ病:楽しい記憶で改善 理研、マウスで確認 - 毎日新聞

Nature ハイライト:快い記憶はうつ様行動を抑える | Nature | Nature Publishing Group はてなブックマーク - Nature ハイライト:快い記憶はうつ様行動を抑える | Nature | Nature Publishing Group

楽しい体験の記憶は、海馬歯状回の神経細胞の活動によって保存されることがわかっています。

うつ病になると、過去の楽しい体験を正しく思い出せなくなるので、それらの海馬の神経細胞を直接活性化することで、症状を改善できないか、と考えたそうです。

うつ病では楽しかったことも楽しかったと思えなくなる一方、回復するとそうした体験も思い出せることから、発病している間は楽しい記憶を楽しいものとして想起できなくなっている可能性があるそうです。

今回の研究は以下のような手順で行われました。

■楽しい記憶を作る
オスのマウスにメスのマウスと一緒に過ごすという楽しい体験をさせ、その時に活動した海馬の歯状回の神経細胞を特定。

それらの神経細胞で、チャネルロドプシン2(ChR2)と呼ばれる、光をあてると神経活動を活性化させることができる特殊なタンパク質を作りました。

■うつ状態にする
次に、そのオスのマウスに体を固定する慢性ストレスを与えて、うつ状態にします。「嫌な刺激を回避する行動が減る」「本来なら好む甘い砂糖水を好まなくなる」といった症状が表れました。

■光を当てて記憶を活性化
このうつ状態になったマウスに対し、楽しい体験の記憶のある海馬歯状回の神経細胞群に光をあてて活性化するとうつ状態の改善がみられました。

最初は光を当てているときだけ行動が改善されましたが、慢性的に光を当てると、それが終わっても行動の改善は続いたそうです。

このうつ状態の改善は、海馬歯状回から扁桃体や側坐核へとつながる回路の活動によるものであることがわかりました。

扁桃体は「恐怖」「喜び」といった情動の記憶に関わる領域であり、側坐核はやる気や意欲、さらに報酬をもらった時に感じる喜びなどと関連する領域だと考えられています。このことから楽しい記憶が実際に活性化されたと推測されました

今回の研究を主導した利根川進センター長はこう述べています。

今回の研究では、楽しい体験の際に活動した神経細胞群を直接活性化することで、マウスのうつ状態が改善することを初めて示しました。この成果は今後のうつ病の新しい治療法開発に役立つかもしれません。

楽しかった出来事の時に働いた細胞群を特定したり、それを光ファイバーで活性化させたりと、どれもなかなか人間には応用するのが難しそうな研究です。

しかし人為的に過去の記憶の想起の仕方などを調整できるようになるとすれば、興味深いなと思いました。

うつ病の対策として、3つの良かったことエクササイズが効果を上げているのは、この実験と同じようなことを、手軽にやっている可能性が高いのではないでしょうか。