「自閉症の子どもって津軽弁しゃべんねっきゃ(話さないよねぇ)」
妻のこの一言で始まった研究は思わぬ展開を示すこととなりました。
…調査をすればするほど湧いてくる課題、考えれば考えるほど解けない疑問と向き合った結果、方言というローカリティそのものと考えていた問題が、私たちをASDのことばの謎へと誘っていきました。(p246-247)

自閉スペクトラム症(ASD)の人たちは方言を話さない?
弘前大学の松本敏治先生のこの不思議な研究について知ったのは、2015年のニュース報道でした。
「自閉症の子どもって津軽弁しゃべんねっきゃ(話さないよねぇ)」
妻のこの一言で始まった研究は思わぬ展開を示すこととなりました。
…調査をすればするほど湧いてくる課題、考えれば考えるほど解けない疑問と向き合った結果、方言というローカリティそのものと考えていた問題が、私たちをASDのことばの謎へと誘っていきました。(p246-247)

自閉スペクトラム症(ASD)の人たちは方言を話さない?
弘前大学の松本敏治先生のこの不思議な研究について知ったのは、2015年のニュース報道でした。
本当だろうかと怪訝に思いつつも、身の回りのアスペルガーの人たちを思い浮かべると、たしかにあまり方言を使わないことに気づきました。
それ以来、この不思議な研究のことはずっと頭の片隅に残っていたのですが、なんと今年になって、一冊の本自閉症は津軽弁を話さない 自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解くにまとめて出版されたので、さっそく読んでみました。
冒頭に引用した文中で著書が述べているように、単純なコミュニケーションの特性かと思いきや、じつは定型発達とASDの学習方法の違いや、解釈の能力にも関わってくる極めて深いテーマだということがわかりました。
この記事では、本の内容を概観するとともに、自閉スペクトラム症の対極にあるとも言えるHSPのコミュニケーション能力と比較してみましょう。
さらに、過剰同調性や多重人格といった解離現象との意外なつながりにも光を当ててみたいと思います。
解離性障害とは脳の一部が眠る睡眠障害ではないか。
昨年の初頭にうとうとしていたとき、そんな着想が湧いてきたので、記事にまとめました。
その後、解離の脳機能について学んできたことで、睡眠と解離のつながりを探る手がかりが かなり増えたので、続編を書いてみることにしました。
この分野を専門的に分析した資料は今のところ発見できていませんが、さまざまな資料から断片的に得た知識をもとに推測するに、解離やPTSDは覚醒度のコントロール異常であり、PTSDが過覚醒であるのに対し、解離は慢性的な低覚醒状態です。
この記事では、まずトラウマと身体 センサリーモーター・サイコセラピー(SP)の理論と実際にをもとに、トラウマ障害と覚醒度のコントロール異常の関係について考えます。
また、睡眠障害のなぞを解く 「眠りのしくみ」から「眠るスキル」まで (健康ライブラリー)などを通して、解離性障害と似たような症状を伴うナルコレプシーや、不注意優勢型ADHDとのつながりを探ります。
そして、こうした覚醒度のコントロール異常の原因として、脳のオレキシンシステムが関係しているらしいという点を考えたいと思います。
HSCにさまざまなタイプがある第2の理由は、脳内の「行動抑制システム」にヒントがあります。
このシステムは、どの人の脳にもありますが、人一倍敏感な人の場合、特に強力で活発に働いていると考えられ、敏感性の原因を示す科学モデルにもなっています。
このシステムは、脳の右半球(前頭部皮質という思考をつかさどる部分)と関係しており、右脳の電気活動が活発な赤ん坊が、HSCになりやすいといわれています。(p52)
HSPの提唱者のエレイン・アーロンは、ひといちばい敏感な子の中でこのように書いています。
HSC(ひといちばい敏感な子ども)になりやすいのは、「右脳の電気活動が活発な赤ん坊」である、ということは、実に興味深い事実です。
かつて「論理的な左脳人間」「芸術的な右脳人間」、「左脳は男性脳」「右脳は女性脳」といったステレオタイプがメディアでもてはやされました。現在ではこれらは極端すぎる神経神話であり、科学的事実ではないことが知られています。
しかし、左脳と右脳には異なる役割があるのは確かで、生まれつき右脳が活発であることは、HSPの発達に深く関与しているようです。
HSPの子どもによく見られるコミュニケーション能力の高さや、のみこみの良さ、直感の鋭さ、さらには解離傾向の強さなどは、いずれも右脳の働きが関与して成立するものでしょう。
この記事では、現代の科学でわかっている左脳と右脳の特徴や、それぞれの記憶システムの違い、そしてHSPの発達に及ぼす影響について考えてみたいと思います。
またHSPがよく経験する胎内記憶、第六感、デジャヴュ、前世の記憶といったスピリチュアル体験について、記憶の科学という見地から分析していきます。
昨日、精神科医の林公一先生による、イマジナリーコンパニオン(IC)についての詳しい記事がアップされていました。子どものICの話題を中心に、青年期以降も残るICについて詳しい事例が紹介されています。
子どもにだけ見える「見えない友達」 | Dr.林のこころと脳と病と健康 | 林公一 | 毎日新聞「医療プレミア」
興味深い事例を集めた記事なので、ICに興味のある方はぜひご覧ください。
この記事をある方に紹介したところ、近年このようなイマジナリーコンパニオンを持つ人が増えているのだろうか、と訊かれたので、わたしの考えを簡単にメモしておきたいと思います。
このブログでは「解離」という現象についてさまざまな観点から扱ってきました。
「解離」というと、自分には関係ない特殊な現象だと考えている人が多いのではないかと思いますが、決してそうではありません。
近年、神経学者スティーヴン・ポージェスのポリヴェーガル理論や、神経学者アントニオ・ダマシオのソマティック・マーカー仮説を背景に、「解離」はトラウマ被害者だけに関わる現象ではなく、わたしたち人間、それどころかほとんどの動物が経験する、とても普遍的な生物学的現象であることが解明されてきました。
トラウマ経験に限らず、ストレスの多い環境のせいであれ、はたまた身体的疾患や交通事故の後遺症のせいであれ、感覚刺激が過剰になる人はだれでも「解離」を頻繁に経験しています。
解離という概念を知らなければ説明しようがない現象はとても多くあります。特に発達障害やアダルトチルドレンの当事者が解離という概念について知らずにいるのはもったいないと思います。
この記事では、ブログで扱ってきた「解離」についての話題を、Q&A形式に整理して、参考資料をまとめました。より詳しい記事に飛べるリンク集にもなっています。