パーキンソン病の新しい治療法「デュオドーパ」承認―携帯ポンプで腸へ薬を持続供給してウェアリング・オフ改善

外ではすでに広く導入されていて、日本でも期待されていた、パーキンソン病の新しい治療法、腸に直接レボドパ含有製剤を持続的に供給する「デュオドーパ」(DUODOPA)が、2016年7月に承認されました。

昨年1月に承認された米国をはじめ、今回日本で承認されたことで、デュオドーパは世界50ヵ国で承認されたことになるそうです。

アッヴィ、進行期パーキンソン病治療薬として「デュオドーパ® 配合経腸用液」の製造販売承認を取得|アッヴィ合同会社のプレスリリース はてなブックマーク - アッヴィ、進行期パーキンソン病治療薬として「デュオドーパ® 配合経腸用液」の製造販売承認を取得|アッヴィ合同会社のプレスリリース

進行期パーキンソン病治療薬「デュオドーパ」の承認取得-アッヴィ - QLifePro 医療ニュース

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国立精神神経センターによる認知症予防・早期発見に役立つサービス「IROOP(アイループ)」が本日7/5から登録受けつけ

知症を予防する研究を目的とした登録システムIROOP(アイループ)が本日7/5から運用開始され、登録が受け付けられています。

アイループは、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)や国立長寿医療研究センターによる、「あたまの健康応援プロジェクト」で、数万人規模の健康な40歳以上の日本人の登録と利用を見込んでいるようです。

トップページ | IROOP

公式ウェブサイトによると、アイループに登録するメリットや、具体的な登録方法が次のように説明されていました。

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発達性トラウマ障害(DTD)の10の特徴―難治性で多重診断される発達障害,睡眠障害,慢性疲労,双極II型などの正体

ストレスは身体的トラウマ(フィジカル・アビュース)・心理的トラウマ(ネグレクトや心理的虐待)・性的トラウマ(セクシャル・アビュース)の形をとることもあれば、戦争や飢餓、自然災害がストレスとなることもある。

…このときにホルモンの量がごくわずかに変化し、子どもの脳神経の配線を“適応”という形で永久に変えてしまう。(p127)

較的若い10代の時期までにさまざまな精神疾患や心身症を発症する、それも一つだけでなく複数の症状が出て、さまざまな病名で多重診断される、年齢とともに診断名が変わっていく、そして治療がうまくいかず、難治性で延々と苦しむ…。

このような複雑な闘病生活を送っている人たちの存在は、これまで多くの医師を悩ませてきました。ある病気のようでありながら別の病気のような症状も示し、ありとあらゆる身体症状も訴えるという不可解な患者たちです。

診断名をつけようとすれば、うつ病、双極性障害、統合失調症をはじめ、境界性パーソナリティ障害、解離性障害、摂食障害、依存症、慢性疲労、慢性疼痛などさまざまで、近年ではADHDや自閉スペクトラム症などの発達障害も加わって、診る医師ごとに診断名が変わることさえあります。

これまで主流とされていた薬物療法に抵抗性があって、やたらと副作用が出たり、逆にほとんど反応しなかったりして効果がありません。そうなると、医師もお手上げ状態で、患者は、若い時期から何十年も複雑な症状に苦しめられ続けます。

近年、そのような不可思議な病気の原因がようやく明らかになりつつあります。2005年、ボストン大学医学部のベッセル・A・ヴァン・デア・コーク教授が、発達性トラウマ障害(DTD)という新たな疾患概念を発表したのです。

DTDとは、子ども時代のさまざまな逆境による強いストレス(トラウマ体験)が、子どもの脳の正常な発達を妨げ、これまで知られていた発達障害よりもさらに強烈な傷を脳に刻みつけてしまうという衝撃的な概念です。

この記事では冒頭に引用した友田明美先生のいやされない傷―児童虐待と傷ついていく脳および、子どものPTSD 診断と治療や、ヴァン・デア・コーク先生の身体はトラウマを記録する――脳・心・体のつながりと回復のための手法のなどを参考に、発達性トラウマ障害がなぜADHDや自閉スペクトラム症、双極性障害2型などと似ているのか、どのような身体症状を伴うのか、どう対処していくことができるか、といったことをまとめてみました。

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アスペルガーのミュージシャンに役立つ「少数派」という才能の活かし方―ゲイリー・ニューマンやスーザン・ボイルから学ぶ

■インタビューで記者のレコーダーを壊そうとした上、浴室に90分も閉じこもった、クレイグ・ニコルズ

■ステージを降りると、突然どう喋っていいのかわからなくなり、無愛想でよそよそしくなるゲイリー・ニューマン

■ちょっとした刺激で、気分が激しく変動して、パニックになってしまうスーザン・ボイル

れら三人はいずれも飛び抜けて優れたミュージシャンですが、同時に「わがまま」「自分勝手」「気分屋」とみなされてしまうような言動も見せてきた独特な人たちです。

古今東西、アーティストの奇妙な振る舞いについてのエピソードは数知れず、彼らは独特で理解不能な人たちなのだ、と溜め息混じりに語られることもしばしばでした。

しかし近年、こうした奇妙に思える振る舞いの背後には正当な理由があることがわかってきました。ここに挙げた三人は、いずれも、自身が「アスペルガー症候群」であることを公表したのです。

「アスペルガー症候群」はいわゆる発達障害の一つですが、音楽業界には、彼ら3人以外にも、同じような特性を抱えている人は意外に多いそうです。

そうした人の中には、自分が抱える生きづらさや周りとのすれ違いの原因がわからず、まわりから理解されず、せっかくの才能が埋もれてしまっている人もいます。周りのマネージャーやバンド仲間、プロデューサーのほうも、その独特すぎる個性を扱いにくく感じているかもしれません。

今回紹介するなぜアーティストは生きづらいのか? 個性的すぎる才能の活かし方は、そんな生きづらさを感じている当事者と、頭を抱えている周りの人たち両方にとって、お互いを理解するのに役立つ一冊です。

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多重人格治療のパイオニア ラルフ・アリソンの素顔―患者のために涙を流した医師

「ラルフ、あなたが診てくれって言った患者のことだけど、あなた、何を相手にしてるかわかってる?」

「いや、キャサリン。わからないからテストをしてくれって頼んだんじゃないか」

「あなたが相手にしているのはね、もう一人の『私という他人』なのよ」(p33-34)

れは1972年3月のことでした。サンタクルスで病院を構えていた医師ラルフ・アリソン(Ralph B. Allison)のところへ、一人の女性が診察にやってきました。

その女性、ジャネットは29歳でしたが、高校生のころから長い期間、精神的な苦痛を抱えていました。以前の病院では統合失調症(当時は精神分裂病)と診断されていましたが、薬にまったく反応しませんでした。

アリソンは、ジャネットが「自分の中から声が聞こえる」と怯えていることを不可解に思いました。普通、統合失調症の患者は自分に問題があるとは感じず、幻聴に違和感を覚えたりしないからです。

さらに、ジャネットは治療の中で安定しているように思えた時期に突然、不自然な自殺未遂をしてアリソンを驚かせました。アリソンは頭を抱えて、信頼できるプロの精神科医キャサリンに意見を求めました。

そのときに交わされたのが、冒頭に引用した、「私」が、私でない人たち―「多重人格」専門医の診察室からに載せられている会話です。

ラルフ・アリソンはキャサリンの言葉にショックを受けました。このとき彼はまだ知りませんでしたが、この日を境に、彼は『私という他人』すなわち「多重人格障害」と深く関わることになり、やがてこの分野におけるパイオニアまた権威の一人となるのです。

この記事では、多重人格障害(MPD)また解離性同一性障害(DID)の権威として、医療から見放された患者たちのために命をかけて闘い、ISH(内的自己救済者)などのユニークな概念を打ち立てた医師ラルフ・アリソンの素顔に迫ります。

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