心の中に創られる別人格の8つの特徴―解離性同一性障害とイマジナリーコンパニオン

「あの人は二重人格だ」

身近な人の、意外な、あまり好ましくない一面を知ってしまうと、そうつぶやく人がいます。

普段は優しい人が家庭では横暴だったり、人前では謙虚な人が二人きりになると高圧的だったりすると、あたかも「二重人格」や「多重人格」のように思えるかもしれません。

しかし、専門的にいえば、裏表があったり、時と場合によって色々な建前を使い分けるような人は「多重人格」ではありません。一人の人間の性格に多面性が見られるのは、ごく普通のことです。

「多重人格」の別人格や人格交代は、もっと特殊なものです。各々の人格は、まったく独自のプロフィールや個性を持ち、自分の考えて行動し、別々の人間であるかのように振る舞います。

この記事では、多重人格者 あの人の二面性は病気か、ただの性格か (こころライブラリーイラスト版) などの本にもとづいて、一人の人間の心の中に、複数の別人が存在する場合、どんな特徴が見られるのかを考えたいと思います。

一般に「多重人格」として知られる解離性同一性障害(DID)の別人格に加えて、ある程度の関連性があると思われる空想の友だち(イマジナリーコンパニオン:IC)の別人格も考えましょう。

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若年発症もあるレビー小体型認知症の10の症状―薬に過敏,幻視,疲労感,パーキンソン症状など

空が青くてきれいだと思った。
そして、『なぜ私は、空がきれいだと思うのだろう』と不思議に思った。
世界は、灰色でもなければ、歪んでもいなかった。
認知症と言われても、私は、平気で歩き、空をきれいだと想うんだ…。(p115)

なたは「認知症」というとどんなイメージを持っていますか? 

家族のこともわからなくなる、身の回りのことさえ自分でできなくなる、思考力がなくなって話が通じなくなる、そんな悪いイメージがあるかもしれません。

しかし実際には「認知症」にはもっとさまざまな人が含まれています。今回取り上げる「レビー小体型認知症」(DLB)の人は、認知症全体の実に2割を占めますが、特に初期段階では、はっきりとした脳の萎縮は見られないことが多く、思考力を保ち、一見普通の人と変わらないこともあります。

その一方で、薬にとても過敏だったり、重い疲労感などの自律神経症状、パーキンソン病のような震えやこわばり、幻覚など、一見「認知症」とは思えないような症状が強く現れたりします。

特に若年発症の場合は、うつ病など他の病気と誤診され、抗うつ薬などの治療によってかえって悪化し、原因不明の難治性の精神疾患とみなされてしまっている場合もあるようです。

レビー小体型認知症とはどんな病気なのでしょうか。若年発症の場合にはどんな問題があるのでしょうか。パーキンソン病とどのような関係があるのでしょうか。どうやって治療するのでしょうか。

レビー小体型認知症がよくわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)私の脳で起こったこと レビー小体型認知症からの復活など、専門家や当事者の本にもとづき、役立つ情報をまとめてみました。

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少数派を「障害者」と見なすと気づけないユニークな世界―全色盲,アスペルガー,トゥレットの豊かな文化

ワシントンDCのガロデト大学(世界で唯一の聴覚障害の学生のための大学)を訪ねて、「聴覚障害」について話したとき、聾の学生のひとりから手話で、「ご自分が手話障害だと思ったらどうですか?」と言われた。

それはとてもおもしろい形勢逆転だった。というのも、何百人という学生がみんな手話で会話をしていて、私は通訳をとおしてしか何も理解できず、何も意思を伝えられない、言葉の不自由な人だったのだ。(p318)

れは、道程:オリヴァー・サックス自伝の中で、脳神経科医オリヴァー・サックスが語っているエピソードです。

わたしたちの社会では、健康な「健常者」と、何かが欠けて劣っている「障害者」という区別が大きな疑問もなく受け入れられています。しかしそれは本当に正しいのでしょうか。

H・G・ウェルズの架空の短編小説「盲人国」(タイム・マシン 他九篇 (岩波文庫)収録)では、ある旅人が、目の見えない人だけの村に迷い込みました。

旅人は最初、盲人たちを哀れんでいましたが、やがて、異質なのは自分のほうで、その村には豊かな文化が根づいていることを知りました。

わたしたちの社会で「障害者」とみなされている人たちも、ある面では「健常者」より優れた能力を持っていることが少なくありません。そしてそれを活かして独自の文化を創りあげています。

この記事では、幾つかの本を参考に、全色盲、自閉スペクトラム症、トゥレット症候群などの人を通して、彼らの豊かな文化について考えます。

そして、「健常者」と「障害者」という見方は、実のところ「多数派」と「少数派」の違いを反映しているにすぎないのではないか、という点を考えたいと思います。

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視線を調べて大人の発達障害(自閉スペクトラム症)かどうかを2分で判別できる技術が開発

井大学子どものこころの発達研究センターなど、複数の研究機関の共同研究で、思春期から成人の自閉スペクトラム症(ASD)[従来のアスペルガー症候群を含む]の診断の補助に活用できる技術が開発されたというニュースがありました。

視線パターンで思春期・青年期の自閉スペクトラム症を高率で見分けることが可能に | お知らせ | 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 はてなブックマーク - 視線パターンで思春期・青年期の自閉スペクトラム症を高率で見分けることが可能に | お知らせ | 国立研究開発法人日本医療研究開発機構

ASD、成人男子も機器で診断 福井大など開発、乳幼児以外も実証 特集・医療最前線 福井のニュース |福井新聞ONLINE:福井県の総合ニュースサイト はてなブックマーク - ASD、成人男子も機器で診断 福井大など開発、乳幼児以外も実証 特集・医療最前線 福井のニュース |福井新聞ONLINE:福井県の総合ニュースサイト

成人男性の自閉症、2分で診断 映像見せ視線測定  :日本経済新聞 はてなブックマーク - 成人男性の自閉症、2分で診断 映像見せ視線測定  :日本経済新聞

対人の障害、視線で8割判別…福井大など : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)

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「おひさまの家」のサイト開設―小児睡眠障害・小児慢性疲労症候群の当事者団体

庫県立リハビリテーション中央病院子どもの睡眠と発達医療センターの元入院患者の方たちが立ち上げた、小児睡眠障害や小児慢性疲労症候群に関する当事者団体「おひさまの家」のサイトが開設されていました。

「おひさまの家」は、2013年3月、兵庫県立リハビリテーション中央病院の元入院患者らを中心に発足し、2015年7月の時点で、58人にメンバーからなる団体に発展しました。

メンバーが集まるピア・カウンセリングや、交流会などを中心に活動し、会報や、SNSを通じた情報交換、さらには当事者研究や啓発運動なども行っているそうです。

当時の自分たちと同じように悩み苦しむ子どもをなくしたい!という思いから、講演事業・交流事業・広報事業などに取り組んでおられるそうです。

■公式ウェブサイト

おひさまの家 小児睡眠障害・小児慢性疲労症候群 当事者団体

■公式Facebookページ

■公式Twitter
アカウント名は「おひさまの家」(@ohisama_house)となっています。

そのほか代表 荒西友里さんはTEDスピーチでの啓発などにも取り組んでおられます。

おひさまの家の活動については、いま、小児科医に必要な実践臨床小児睡眠医学の「小児睡眠障害当事者研究への取り組み」のColumn『小児睡眠障害当事者団体「おひさまの家」とは』にも載せられています。(p106-107)

将来的にはNPO法人の設立を目指しておられるとのことで、今後の活動や発展に期待したいと思います。