大人の発達障害「自閉スペクトラム症/アスペルガー症候群」の5つの特徴と役立つリンク集


当事者のなかには、子どものころから「自分はほかの人とどこか違う」と思い悩み、生きにくさを感じながら成長してきたため、発達障害であることが判明してむしろホッとしたという人が少なくありません。

近、大人の発達障害を疑って医療機関を受診する人が増えているといいます。その多くは、子どものときから困難を抱えながらも、なんとか学生生活には適応してきました。しかし社会人になると、生活が立ち行かなくなってしまった人たちです。

大人の発達障害の人にはどんな特徴が見られるのでしょうか。診断の際にはどんなものが用いられますか。生活していくのに役立つどんな支援機関があるでしょうか。

この記事では、図解 よくわかる大人の発達障害 などの本にもとづき、大人の発達障害のうち、特に自閉症スペクトラム障害(ASD)を取り上げます。(最新のDSM-5では、アスペルガーというカテゴリーはなくなり、自閉スペクトラム症に一本化されているようです)。

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大人の発達障害―なぜ見過ごされやすいのか

なぜ大人の発達障害は見過ごされやすいのでしょうか。それには2つの理由があります。

1.心の病と混同されやすい

大人になるまで診断されなかった発達障害の人は、困難が生じたときに精神疾患と誤診されて、治療を受けることがあります。

もちろん精神疾患と発達障害には明確な違いがあります。精神疾患は、発症した時点から急に社会適応度が低下しますが、発達障害は先天的に、つまり子どものころから生きづらさを感じています。

しかし医師や本人が発達障害に詳しくないと、目の前にある症状にとらわれて、ベースにある発達障害が見逃されてしまいがちです。(p10)

いろいろな精神疾患の陰には未診断の大人の発達障害が潜んでいることがあると考える専門家もいます。

治りにくい病気の背後にある大人の発達障害「重ね着症候群」とは
治りにくい精神科疾患や心身症の背後には、もしかすると軽度の大人の発達障害(アスペルガー症候群など)があるかもしれない。その概念は衣笠隆幸先生により「重ね着症候群」と名づけられました

 2.知的レベルの高い人が多い

知的レベルが高い発達障害の人は、子供の頃に発達障害と疑われることがあまりありません。集団から浮いた感じはするものの、とくにトラブルを起こすこともなく、成績も良いので、「ちょっとズレている子」と思われる程度です。

しかし社会人になると、世の中の暗黙のルールや常識を理解できず、孤立したり対人関係がうまくいかなかったりして、はじめて問題が生じます。(p11)

大人の発達障害の5つの特徴

大人の発達障害のうち、よく聞くアスペルガー症候群や特定不能の広汎性発達障害は、自閉症の仲間です。

1943年、レオ・カナーが知的障害のある自閉症について報告し、1944年、ハンス・アスペルガーが自閉症的精神病質として知的障害のないタイプ(アスペルガー症候群)を発見しました。

1981年になって、ローナ・ウィングが、両者の本質は同じであるとし、程度のさまざまな自閉症、つまり自閉症スペクトラム障害(ASD)という概念を作りました。スペクトラムとは連続している、という意味です。(p12)

…というのが定説でしたが、近年刊行された自閉症の歴史をたどる本自閉症の世界 多様性に満ちた内面の真実 (ブルーバックス)によると、もっと複雑な経緯があったそうです。

自閉症研究の暗黒時代に埋もれてしまった、知られざるアスペルガーの歴史
あまり知られていない自閉症の発見者ハンス・アスペルガーの人となりや、時代を先取りした先見の明のある洞察について考え、自閉症研究の歴史を再考してみました。