ADHDの新薬インチュニブ(グアンファシン)が国内で子どもを対象に承認申請(追記:17年3/30に承認)


野義製薬が、子どものADHDを対象に、インチュニブ(グアンファシン)の国内での製造販売申請を行ったそうです。成人のADHDの適応については開発準備中とのこと。インチュニブ(Intuniv)は米国での商品名です。

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塩野義 新規ADHD治療薬を承認申請 小児適応で│ミクスOnline

そのほかビバンセとダソトラリンの続報もありました。

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交感神経を抑制するグアンファシン

グアンファシンは以前、エスタリックの商品名で交感神経を抑制して血圧を下げる薬として販売されていました。インチュニブはその長期作用型(徐放剤)で、米国では以前からADHD治療薬として使われているそうです。

グアンファシンは、ノルアドレナリン作動性神経を活性化する作用がある「α-2アドレナリン作動薬」(中枢性交感神経抑制薬)で、似たような作用を持つカタプレス(クロニジン)はすでにADHDの治療にしばしば使われています。

以前読んだ子を愛せない母 母を拒否する子の比較表では、クロニジンとグアンファシンは、ADHDの場合も、反応性愛着障害(RAD)の場合も効果のある薬として載せられていました

交感神経が過度に興奮して、多動になっているような場合に役立つのかもしれません。

その後、2017年3月2日に薬食審医薬品第一部会で承認了承されました。

薬食審・第一部会 新薬5成分を審議、全て承認了承 塩野義の小児AD/HD薬など | 薬食審・薬価収載 | 国内ニュース | ニュース | ミクスOnline

シナプスに存在する受容体を介してノルアドレナリン作動性神経を活性化することで症状を改善する非中枢神経刺激薬。

体重50kg未満の小児は1日1mg、50kg以上では1日2mgから投与を開始し、1週間以上の間隔をあけて1mgずつ、体重で規定された維持用量まで増量する。症状により適宜増減する。いずれも1日1回経口投与で使用する。

既承認薬には中枢刺激薬のコンサータ、非中枢刺激薬のストラテラがあり、いずれも第一選択薬に位置づけられているが、厚労省の担当官によると、インチュニブもこれら既承認薬と同様に第一選択薬に位置づけられると想定されるとしている。海外では欧米など33の国で承認済(16年11月現在)。

そして3/30付で、販売承認を取得したと発表されました。これでADHDの第三の承認薬として正式に認可されたことになります。

注意欠陥/多動性障害治療剤「インチュニブ® 錠 1mg・3 mg」の製造販売承認取得について

その後、5/26に発売されました。

塩野義とシャイアー 小児ADHD薬インチュニブ錠を発売 | 薬食審・薬価収載 | 国内ニュース | ニュース | ミクスOnline

その他の新薬、ビバンセとダソトラリンも進展

そのほか塩野義製薬は2011年からビバンセ(リスデキサンフェタミン)の承認も進めていて、現在治験はフェーズ3だそうです。こちらはコンサータと似た系統の中枢神経刺激薬とされています。

また、大日本住友製薬のほうも、まだ海外の話ではあるものの、DNRI(ドーパミン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)のダソトラリンの臨床試験を進めているというニュースがありました。

ADHDと過食性障害を対象に進めている臨床試験では、メチルフェニデートに比べて、薬物乱用傾向が低かったそうです。ダソトラリンは半減期が長く、一日に一度飲んで24時間効果があるタイプの薬のようです。

ADHD治療剤「dasotraline」の薬物乱用傾向評価試験結果を発表-大日本住友製薬 - QLifePro 医療ニュース はてなブックマーク - ADHD治療剤「dasotraline」の薬物乱用傾向評価試験結果を発表-大日本住友製薬 - QLifePro 医療ニュース

アメリカと同様、日本でもADHDの薬物治療の選択肢が徐々に増えていきそうですね。

ADHDの治療に効果のある薬のまとめ(適応外処方も含む)
ADHDの治療に用いられている薬をまとめました。中枢神経刺激薬、NRI、SNRI、DNRI、α2アドレナリン受容体作動薬など、それぞれ参照リンク付きで解説しています。
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ADHD(注意欠如多動症)