ストレスは朝のほうがいい? 夜のストレスが体内時計に作用して概日リズムを乱す


稲田大学のマウスを使った研究によると、朝よりも夜のストレスのほうが、体内時計に作用して、概日リズムを乱すことがわかったそうです。

ストレスにより、概日リズムが乱れるというのは、人間では、子どもの概日リズム睡眠障害や小児慢性疲労症候群の発症メカニズムとされているので、興味深い点です。

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精神的・物理的ストレスが体内時計を混乱させる

これまでの研究で、ストレスホルモンであるコルチゾールやアドレナリンが体内時計に影響を及ぼすことが分かっていましたが、それをさらに詳しく検証したのが今回の研究のようです。

この研究で分かったことは以下の5点です。

■拘束ストレスにより全身の体内時計が変化
マウスが寝ている時刻に、拘束的なストレスを2時間与えると、肝臓、腎臓、唾液腺、副腎などの体内時計の時刻が早まったそうです。その変化は、脳内の海馬や大脳皮質でも起こりました。

■ストレスの時間帯によって影響は異なる
朝(マウスの起き始め)には全く影響がなく、夕方では体内時計が遅れ、夜(マウスの寝始め)では体内時計が組織間でバラバラになってしまうことが分かったそうです。

夜のストレスでは、肝臓と唾液腺で時計の時刻が真逆になり、腎臓では時計振動がストップしてしまい、時差ボケ状態になっていました。

■慢性的なストレスは影響がない
週3日間のストレスを5週間与え続けた場合、ストレスによる体内時計の乱れは見られなくなりました。慣れが生じたようです。

■心理的なストレスも影響
物理的ストレスだけでなく、社会的恐怖ストレス(体の大きな攻撃的なマウスと、仕切りを挟んで対面)や、高所不安ストレス(高さ30cm以上の小さいステージに乗せられる)などでも体内時計が乱れました。

■メカニズムに関係する物質
コルチコステロン(コルチゾール)、アドレナリン、ノルアドレナリンの投与でも同様の体内時計変化が起きたので、これらの物質が関与していると考えられています。

これまで光や食事が体内時計リセットに重要と考えられていましたが、今回の研究でストレスもそれに匹敵するパワーを持っていることがわかったと述べられています。

体内時計」が乱れた状態が続くと、肥満や糖尿病、がんなどになるリスクが高くなることが分かっています。

早稲田大学の田原優助教はこう述べています。

「会社で言えば、上司は午前中にしっかりと指導して、夜は優しく帰したほうがいいし、家庭で言えば、お父さんやお母さんが子どもに小言を言うときは、できるだけ朝にするのがいいと思う」

概日リズム睡眠障害にはストレスが関係

以上の点から、概日リズム睡眠障害の発症にはストレスが関係している、というのは、やはり確かなことのように思えます。

朝よりも夜のストレスが大きく影響する、というのは、朝はもともと抗ストレスホルモンのコルチゾールが出ている時間帯なのでストレスに対処しやすいのかもしれません。しかし夜にストレスにさらされると脳が興奮して寝つけなくなります。

慢性的なストレスは影響がないとされていますが、さらに長い期間ストレスがかかったらどうなるのだろう、と思います。小児慢性疲労症候群の場合は、長期間ストレスを受け続けたあと、概日リズムが混乱して戻らなくなります。

心理的なストレスも影響する、という点では、いじめの影響で概日リズムが乱れることもある、という説明を思い出しました。

コルチゾールやノルアドレナリンが関係する、という点については、概日リズム睡眠障害にストレスだけでなく、脳の神経伝達物質の状態が関わっていて、もともとそれらが乱れやすい発達障害ではリスクが大きくなっている可能性を感じました。

最後に、朝のストレスは体内時計を整えるのに有効とされていますが、マウスレベルの実験結果をどこまで真に受けてよいものか疑問に思います。わたしなら朝に小言を言うような家庭で学校に行きたくありません。

子どもの概日リズム睡眠障害や慢性疲労症候群については、以下の記事を参照してください。

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