ADHD研究の混乱に埋もれてしまった、知られざる敏感な子どもたちの歴史

しかしながら驚くべきことに、ほとんどの多動症の理論家は、多動症が当然ながらさまざまに解釈しうる複雑な概念であることを、頑なに受け容れたがらない。多元主義は、彼らの語彙にはまったくないようである。

…別のもっと重要な理由は、多動症を治療してきた医師や多動症児の親や教師、そして多動症患者のほとんどに加えて、多動症を論評し理論化するほとんどの人々が、その歴史についてほとんど知らないことである。(p11)

たしがADHDに興味を持って調べ始めたのが数年前。最初は自分の抱える問題の答えを見つけたかのように思い、喜々としてブログにまとめました。

ところが調べれば調べるほど疑問が増えていくばかり。ADHDは求めていた答えではなく、入り口に過ぎなくなりました。

わたしが最初に読んだ医学の本の専門家たちは、ADHDがすでに確立された概念、遺伝的な脳の発達障害だと自信たっぷりに語っていましたが、わたしには到底そうは思えなくなりました。

トラウマ専門医によると、後天的な愛着障害によってもADHD症状は現れます。睡眠専門医は慢性的な睡眠不足がADHD症状を引き起こすことを知っています。

アレルギー専門医は食物不耐症や添加物の影響を指摘しています。心理学者たちはそもそもADHDが病気かどうか疑問に思っています。

どの意見にもそれぞれ説得力があるのに、不思議なのは、なぜか最も主流とされる精神科医たちの多くが、かたくなに「脳の遺伝的な発達障害」という見方にこだわっていることでした。

なぜ、これほど複雑で多面性のある概念が、単なる一面からしか見ていない発達障害としてくくられ、社会にもそう受け入れられてしまっているのか。

またなぜ、当事者たちやその親たちが、ADHDは障害なのか、個性なのか、薬物療法は必要なのか、それとも麻薬のようなものなのか、といった論争を日夜かまびすしく戦わせているのか。

そして、心理学者たちが提唱してきたHSPのような、ADHDを別角度から説明できる概念が、今に至るまで医学界から徹底的に無視されてきたのはどうしてか。

その答えを教えてくれたのはハイパーアクティブ:ADHDの歴史はどう動いたかという本でした。

冒頭で引用したように、問題をややこしくしているのは、ADHDの医師も当事者も「その歴史についてほとんど知らないこと」にありました。そして、わたしもまたその一人だったことに、はたと気づかされました。

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感受性が強いあなたに自然が必要な5つの科学的根拠―都市や学校がもたらす解離を癒やすには?

なにしろホモサピエンス全体で見れば、人類が正式に都会に生息する種になったのは、2008年のことだ。

この年、世界保健機関(WHO)が、都会に住む人の数が田舎に住む人の数を初めて上回ったと報告した。

アメリカ合衆国では昨年、この100年間で初めて郊外より都市部が速く成長した。その変化を別の観点から見れば、現代は人類史上最大の集団移動のさなかにあるといえる。(p24)

本に住む大勢の人たち、特に、このブログを見てくださっている人たちの多くは、生まれたときから近代都市に住んでいるかもしれません。

わたしもそうですが、狭い教室で学ぶ学校、舗装された道路、立ち並ぶ電柱やビル、通勤時の人混み、そうした都市の習慣や風景が当たり前の環境で育ってきたことでしょう。

そうした光景は、わたしたち個人個人にとっては「当たり前」のものですが、人類(ホモ・サピエンス)という種にとってはそうではありません。

なにしろ、冒頭で引用した本、NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる―最新科学でわかった創造性と幸福感の高め方が述べているように、いまは人類史上最大の集団移動の時期だからです。

人類にとって、都市という環境は「当たり前」ではなく、ここ何世代かのうちに移り住んだ、未知なる新天地です。

わたしたち個人にとっては、生まれたときから慣れ親しんでいる当たり前の環境でも、人類という生物にとって異質なので、都市生活でさらされる多種多様な環境刺激は、無意識のうちに脳に慢性的な負荷をかけています。

その結果、例えば ひといちばい敏感な子(HSC)の本に書かれているように、知らず知らずのうちに過剰な負荷に翻弄され、発達障害のような問題行動に陥っている例が少なくないのではないか、と思われます。

HSCはたくさんのことに気がつくので、気が散りやすい傾向にあります。(p57)

過剰な刺激を受けて錯乱状態になり、ADD(Attention D Disorder=注意欠陥障害)のような症状を見せる子もいます

(でも、そのような刺激を受けていない時の注意力は良好で、大切なことには集中することができます。(p42)

この記事では、ADHDのような行動が、都市や学校という環境における過剰な、あるいは異質な刺激によって引き起こされている場合があることを示唆する研究を紹介します。

また、身のまわりにある、ごくありふれた都市の形、光、音、匂い、そして人混みなどが、気づかないうちにどれほど脳に負荷をかけているかを示す科学的研究を調べてみましょう。

そして、過剰すぎる刺激に圧倒されることで発症すると思われる解離症状が、荒々しい大自然のもとで癒されることがあるのはなぜか、考察したいと思います。

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テクノロジーもSNSも好きだったわたしが、TwitterとFacebookをやめることにした4つの理由

のブログでは、TwitterとFacebookページで最新記事のお知らせをしていましたが、利用をやめることにしました。SNSを通してアクセスしてくださっていた方々には、ご不便をおかけしてしまい申し訳ありません。

SNSの利用にはメリットもたくさんあったのですが、最近の下記の記事で元Facebook社長が述べているような、さまざまなデメリットにもずっと悩んでいました。

元Facebook幹部が「Facebookは社会を分断させた」とSNS全体について語る - GIGAZINE

「Facebookは人間心理の弱点を突いている」:初代CEOのショーン・パーカー氏 - CNET Japan

人の弱みに付け込むモンスターを生み出した —— 元フェイスブック社長らが語る後悔とは | BUSINESS INSIDER JAPAN

「それが子どもたちの脳にどのような影響を与えているかは、誰にもわからない」

フェイスブックの創業から1年弱の2004年に同社に参加し、初代社長を務めたショーン・パーカー(Sean Parker)氏は、Facebookについて気掛かりな警鐘を鳴らしている。

わたし個人が、過敏すぎて悩んでいたのならともかくも、ツールの開発者たちがそのデメリットを認めているのであれば、自分の健康や創造性を守るために、あえて世の中の流れと違う方向を選びたいと思いました。

誤解のないように最初に書いておきますが、わたしはテクノロジー嫌いではありません。今まで10を超えるSNSを使ってきましたし、とりわけ愛して入り浸ったSNSもあります。子どものときからゲームもコンピューターも大好きです。

大半の人より積極的に色々なツールを使ってきましたが、それでも今になって、SNSをやめたほうがいいと感じるようになった理由を4つほど書いておきます。

もちろん、これはあくまでわたしの場合の話、ただ個人的な気持ちによるものであって、いまSNSを利用している人たちを批判する意図はありません。

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繊細で敏感なHSPの子どもを育てるために親ができる8つのこと―色とりどりの個性を伸ばすには?

子どもが怒ったり、ふさぎ込んだり、錯乱したり、腹痛を起こしたり、頑張った結果燃え尽きたりする時、その理由が「敏感さ」にあるかもしれないことに、大人はなかなか気がつきません。(p42)

んな子どもも、ときおり親には理解しにくい振る舞いを見せることがあります。いつまでもぐずって泣きやまなかったり、なかなか寝てくれなかったり、細かいことにこだわったり、食べ物や衣服の好き嫌いが激しかったり、原因不明の体調不良を抱えたり、親を戸惑わせる子どもの振る舞いは実にさまざまです。

子どもの理解しにくい行動について調べるうちに、うちの子は◯◯障害かもしれない、◯◯症候群かもしれない、という情報に必ず行き着いて不安をあおられることもあるでしょう。実際に、医者からそう診断されることもあります。

特に、昨今は、発達障害の情報が盛んに発信されています。このブログでもたびたび扱ってきましたし、NHKなどの大手メディアが特集番組を組むほど、発達障害ブームは加熱しています。

我が子が、注意欠陥多動性障害(ADHD)かもしれない、自閉症スペクトラム障害(ASD)かもしれない、学習障害かもしれない。親にそう感じさせてしまう材料はかつてないほど氾濫しています。

でも、ちょっと待って下さい。本当に子どもの奇妙で理解しにくい その行動や体調不良は、「病気」や「障害」や「症候群」なのでしょうか。

冒頭に引用したのは、ひといちばい敏感な子という本の一節です。この本は、HSP(High Sensitive Person:ひといちばい敏感な子)という概念を提唱した心理学者エレイン・アーロンによって書かれました。

表面に現れている理解しにくい行動だけに注目すれば、そのつど、子どもはさまざまな障害や病気のレッテルを貼られてしまいますが、それらの根底にあるのは、実は、敏感さや感受性の強さなのかもしれません。

この記事では、理解しにくい振る舞いを見せる子どもに対して、安易に医療情報を鵜呑みにして医学的なレッテルを貼ることの危険性について考えます。

HSPだけでなく、ADHDやアスペルガー症候群といったいわゆる発達障害の子どもの場合でも、何かが欠けているから問題行動をしてしまうのではなく、生まれ持った特性ゆえに、他の子と違う反応をしてしまうだけなのだ、という視点について考えてみましょう。

そして、HSPの子どもによくある8つの特徴から、敏感さがどのように子どもの行動に現れることがあるか、ということを考えたいと思います。

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解離が学べる絵本「私の中のすべての色たち」―逆境を生き抜く勇敢で創造的な子どもたち

解離という能力を使って、痛みと窮地を生き延びた すべての勇気ある子どもたちと、子どもたちの中に住むパーツたちへ (p3)

年8月に翻訳された絵本、私の中のすべての色たち: 解離について最初に出会う本を買ってきて読んでみました。

タイトルどおり、解離について学べる絵本なのですが、わたしの思っていることが詩的な表現でまとめられていて、なかなか素敵でした。

トラウマ障害を解説する本というと、暗くネガティブな雰囲気になりがちですが、この絵本は一貫して、解離を用いて生き延びてきた子たちのポジティブな側面を強調しています。

ひとつ前の記事で書いたように、病気の患者は何か欠けている障害者だ、とみなすのではなく、逆境を精いっぱい生き延びてきた創造的で勇気ある人、として描いている理想的な絵本です。

著者のサンドラ・ポールセン博士が、解離の専門家であると同時にイラストレーターでもある、芸術的な感性をもつセラピストだからこそかもしれません。

この記事では、この絵本 私の中のすべての色たち: 解離について最初に出会う本(原題:All The Colors of Me)の特徴を紹介します。

また解離の専門家である柴山雅俊先生の解離の舞台―症状構造と治療から、この絵本のテーマである「私の中のすべての色たち」の意味について考えたいと思います。

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