ADHDの「片付けられない」とアスペルガーの「捨てられない」の違い―脳の発達は視覚によって導かれる

溜め込み障害は強迫関連障害に属し、DSM-5で新たに登場した項目である。

これは子どもにないではないが、一般的には成人の問題である。それをあえてなぜ取り上げるのかというと、われわれ児童精神科医が遭遇することが稀ではないからである。

…われわれの経験では圧倒的にAD/HD(片付けられない)よりASD(捨てられない)のほうが目立つのであるが。(p55-56)

れは、臨床家のためのDSM-5 虎の巻という本で、児童精神科医の杉山登志郎が書いておられる「溜め込み障害」(Hoarding Disorder)についての一文です。

発達障害かどうかにかかわらず、部屋が散らかって片付けられないことに悩んでいる人は多いでしょう。本人よりも家族が頭を抱えることが多いかもしれません。

片付けられないことそれ自体は、病気や障害というほどではありませんが、ときどきメディアで報道されるゴミ屋敷のような、明らかに健康に支障を来たし、近隣の迷惑にもなるような状態は、医療の対象になるれっきとした病気です。

冒頭の説明が示すとおり、部屋が散らかるといっても、その原因には大きく分けて、どうやら2通りのタイプがあるようです。

きれい好きな人から見れば、概して同じに思えるかもしれませんが、かたやADHD(注意欠如多動症)に多い「片付けられない」と、かたやアスペルガー(自閉スペクトラム症:ASD)に多い「捨てられない」は、じつは別物なのです。

このエントリでは、「片付けられない」と「捨てられない」はどう違うのか。なぜそうなってしまうのか、という点を考えましょう。

そして、さらに視覚はよみがえる 三次元のクオリア (筑摩選書)などの本を参考に、両眼視機能視覚性ワーキングメモリといった見る力が、発達障害のさまざまな個性が形作られていく上で、意外なほど大きな役割を果たしているということを分析してみたいと思います。

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創造的な人がもつ複雑で多面的な人格の10の特徴―HSPや解離とのつながりを考察する

重要なのは、ただ単にある特定の性格特性を身にまとうだけでは創造性の衣鉢を受け継ぐことはできないということである。

人は僧侶のように生きても、身体を酷使して無理をして生きても、創造的であり得る。

ミケランジェロは女性にそれほど興味を示さなかったが、ピカソは常に女性を求めていた。彼らの性格に共通点はほとんどないが、しかし、両者は絵画の領域を変えたのである。(p64)

造的な人に「ある特定の性格特性」などない。

自信を持って、そう言い切ってしまえるのは、創造性について、豊富な調査と研究を積み重ねてきた第一人者、ミハイ・チクセントミハイをおいてほかにはいないでしょう。

今日、さまざまなメディアで、創造性、クリエティビティについて、ありとあらゆることが取り上げられています。

創造的な人は外向的だとする記事もあれば、内向性人間の時代が来たとする学者もいますし、朝型人間のほうが、あるいは夜型人間のほうがクリエイティブだとか、コーヒーブレイクや瞑想が役立つなど、さまざまな意見が飛び交っています。

そんな中、心理学者ミハイ・チクセントミハイは、創造性とは何か、という研究にあたって学術的なアプローチをとり、フロー理論など、さまざまな革新的な発見を積み重ねてきました。

そして、創造的な人には特有の性格特性や習慣があるどころか、「ただ単にある特定の性格特性を身にまとうだけでは創造性の衣鉢を受け継ぐことはできない」という結論に至りました。

しかしそれは、結局のところ創造的な人に固有の特徴などないのだ、というお手上げ状態を意味する言葉ではありません。

むしろ、チクセントミハイは、メディアで交わされる創造性についての表面的な論議を超えて、創造的な人の深みに共通する、不思議で奇妙な、ひとつの性質へとたどり着きました。

この記事では、チクセントミハイの代表的な著書クリエイティヴィティ―フロー体験と創造性の心理学を通して、創造的な人に見られるある一つの性質の10の側面について考えます。

そして、その性質が、このブログで取り上げてきたHSP(人いちばい敏感な人)という概念や、幼少期の愛着、そして解離という心の機能と、どのように結びついているかに注目したいと思います。

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自閉症は脳の過成長、ADHDは脳の成熟の遅れー脳画像研究による発達の違い

閉症とADHDそれぞれの脳の発達の傾向に関する研究が報道されていました。

以前から言われていたことですが、自閉症は早期に生じる脳の過成長が、一方ADHDは脳の発達の遅れが関係しているようです。

Nature ハイライト:早期脳過成長から自閉症スペクトラム障害を予測できる | Nature | Nature Research

ADHD、脳の大きさにわずかな差 大規模研究で確認 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News 

自閉症で脳のサイズが大きくなるのは、「シナプスの刈り込み」という脳の機能の最適化が十分に行われないことが一因だと考えられています。これは変化に柔軟に適応していくことの苦手さと関係している可能性があります。

またADHDでサイズが小さいことが確認された部位には、PTSDなどトラウマへの脆弱性と関係している部位が含まれていて、ストレス耐性の低さないしは過敏さを示唆しているのかもしれません。

この記事では、それぞれのニュースをもとに、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)の脳の特徴について考察してみたいと思います。

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心は複数の自己からなる「内的家族システム」(IFS)である―分離脳研究が明かした愛着障害の正体

ありがたいことに、分離脳研究から多くのことが学べた。

手術で二つの半球を分離すると二つの心をもつひとりの人間になるという最初の定義づけに始まり、長い道のりを経た今日では、決定を行動に移すことのできるようになる複数の心を私たちの誰もが実際にもっているという、直観に反するような見解に到達した。(p402-403)

たしたちの脳は、ただひとつの自己ではなく、「複数の心」、複数の異なる自己から成り立っている。

そんなことを書くと、まるでドラマやマンガに出てくる現実離れした話だ、と感じるかもしれません。たいていの人にとって、自分はひとつであり、心の中に複数の自分がいる、などと言い出す人は突拍子もなく思えます。

ところが、冒頭の本、右脳と左脳を見つけた男 - 認知神経科学の父、脳と人生を語る -の著者、マイケル・S・ガザニガは、認知神経科学の研究を通して、「複数の心を私たちの誰もが実際にもっているという、直観に反するような見解」に至りました。

その後、多くの研究を通して、わたしたちが単一の自己を持っていると感じるのは、巧妙な錯覚であることがわかってきました。実際には、人の脳は、異なる複数の心から成る社会のようなもの、「内的家族システム」(IFS:Internal family systems)であることが明らかにされつつあります。

そして、わたしたちが経験する、さまざまな精神的な葛藤、抑うつ、衝動、依存症などの背景には、この内的家族システムの不和が関係していることがわかってきました。

わたしたちの心が複数の自己から成り立っているといえるのはどうしてでしょうか。それは愛着障害や、解離性同一性障害、イマジナリーコンパニオン(空想の友だち)などの現象とどのように関係しているのでしょうか。

自分が無意識のうちに、内的家族システムの問題を抱えているとしたら、どのようにしてそれに気づき、問題を解決することができるのでしょうか。

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友田明美先生のTED「愛着―親と子のためのガイド」視聴メモ

どものの愛着障害や虐待の専門家である、福井大学の友田明美先生によるTEDが昨2016年末に公開されていました。長さは14分半ほどで、日本語で話されています。

以下は動画の解説文の日本語訳です。

友田明美さんは、虐待を受けた子供の小児科医であり、虐待された子供の脳機能への影響を研究する研究者です。

乳児の脳は、愛着の影響を強く受けています。したがって、乳幼児の愛着の絆が子供に与えられない場合、子供は十分な構造、認識、理解、安全性、相互協調が困難になります。

彼女は虐待を受けている子供と介護者の両方を救うために、愛情のこもったアイデアを共有しています。

友田明美は、虐待を受けた子供のために働く小児科医です。彼女は、小児期の困難な経験が脳に与える影響の研究者でもあります。

彼女は研修医だったとき、3歳の虐待を受けた少女の死に直面しました。この経験から、彼女は虐待された子供の脳機能への影響を研究するために米国に行きました。

彼女は自分の治療結果だけでなく、社会への虐待の事実を明らかにするために、自分の研究成果を活用してきました。彼女の意見では、子供だけでなく世話する人も救われなければならない。それはこの問題を解決へ導きます。

このような観点から、彼女は様々な専門家と協力して研究範囲を広げています。福井大学病院の小児心身医学科長として、子供の心の問題を解決し、心の発達をサポートするために努力しています。

続いて、動画の内容のメモを書いておきます。

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